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2022年07月24日

<鎌倉殿の13人・鎌倉幕府成立編>11話~26話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<鎌倉殿の13人・鎌倉幕府成立編>11話~26話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第17話ストーリー&レビュー

第17話のストーリー

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源義経(菅田将暉)の軍略がさえわたり連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曽義仲(青木崇高)の討伐により鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を危険視する源頼朝(大泉洋)は、戦勝報告のため範頼(迫田孝也)とともに鎌倉へ戻っていた義時(小栗旬)に義高の処断を命令。大姫(落井実結子)を思う政子(小池栄子)は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重(新垣結衣)ら家族を思い……

第17話のレビュー

再び、地獄の始まりである。

義高、散る。

義仲(青木崇貴)が討たれ、頼朝(大泉洋)の懸念事項はふたつ。甲斐源氏の頭領である武田信義(八嶋智人)親子の動向。そして、義仲の息子・義高(市川染五郎)の処分。
頼朝は義時(小栗旬)に義高を討つように命じる。義時には優しさがある。というより、人としての情がある。人柄が良く、御家人たちからも愛されている義高。政子(小池栄子)も、義高の許嫁である大姫(落井実結子)も慕っている。
できれば義高を助けてやりたい。しかし、頼朝を裏切れない。
政子が義高を逃がすことはできないかと策を講じるが、当の義高にその気がない。義高は、父を討った頼朝を許さない、とはっきり言った。そして義時のことも。

そんな義時の心を動かしたのは、巴御前(秋元才加)が義仲から預かった手紙だった。平家を討てるのは鎌倉殿(頼朝)だけ。そして戦いの行く末を見届けてほしい。父を愛し、父のために生きているような義高にとって、何よりも重い言葉だった。父の願いを叶えたい、と思うだろう。
ようやく、政子の策に乗ることを決意する。政子を始め、実衣(宮澤エマ)、全成(新納慎也)、三浦義村(山本耕史)、さらには義時の言葉を受けて畠山重忠(中川大志)らも力を貸す。
うまくいくはずだった。が、義高はかくまわれていた場所から逃げ出してしまう。義時が信用ならない、と書き残して。

結果、義高は藤内光澄に討取られる。大姫に請われて、頼朝が折れた矢先のことだった。
光澄に向かって政子は言い放つ。
「断じて許しません!」

義高は討たれた。更に、義高をそそのかし、頼朝を討とうとしたとして武田忠頼が討たれる。そして、義高の首を取った光澄も。それらは義時に命じられる。

上総広常(佐藤浩市)が討たれたあたりから義時の表情が虚無になっていることが多いのが気になる。八重(新垣結衣)のもとに帰り、息子・金剛を前にしているときは懺悔をしているかのようだ。それから「父を許してくれ」の一言。そんな義時の顔に触れる金剛。赤ちゃん、良い演技をする(というか、自由。無邪気で大変かわいい)。
野暮だけれど、広常がいたら義時になんて声をかけるだろう、とふと考えてしまった。

今回、義時は政子に向かって、「我らはもうかつての我らではないのです」と言う。この地獄の中で、義時は変わっていく。政子も御台所として変わっていく。それが良いのか、悪いのか、わからない。

それにしても、大姫の心中を察すると辛くてかなわない。また、義高が大姫と遊んでいた鞠を手にしていて……。
ふたりは偽りの許嫁などではなく、ちゃんと通い合っていたものがあったのだな、と思うと……。

一方、義経は……

手柄を挙げた義経(菅田将暉)。鵯を馬に乗って駆け降りた、という話に後白河法皇(西田敏行)たちも愉快そうだ。そんな中、義経は検非違使に任ぜられる。たいそう後白河法皇に気に入られたようだ。手柄に、頼朝も喜んでくれるだろうと義経は浮かれ気分だ。
そして、義経は京で恋に落ちる。白拍子・静御前(石橋静河)に。

冒頭で義経は梶原景時(中村獅童)に向かって「歴史はそうやって作られていくんだ」と言う。本当は鵯越ではないし、馬に乗って駆け降りてもいないのに、そのほうが絵になる、と。史実がどこまで本当かは分からない。義経だって、本当はどういう人物だったか分からないし、何より今回の鎌倉殿では意外なキャラクター設定となっているひとりでもある。そんな義経が言うセリフだからこそ面白い。

が、史実としてもエンターテイメントとしても悲しく、心に残る回であったことは間違いない。


※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。

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