<ちむどんどん・やんばる移住編>116回~最終回までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第124回:やんばるちむどんどん開店
ため息の出る展開でした。目玉の麺が機材トラブルで届かずどうなるかと思いましたが、家族総出で頑張って間に合わせ、
予定どおりオープン。
一番乗りはまもるちゃん(松原正隆)。これまで一言もしゃべらなかった彼がクララが立った的についにしゃべるのですが、これはあまりに美味しかったからということでしょうか。
たぶん、まもるちゃんがしゃべった という見出しでネットニュースになることを意識しているのかなと思うと筆者は素直でないのでちょっと冷めてしまいました。まもるちゃん、好きなキャラなんですけどね。
暢子(黒島結菜)の同級生・早苗(高田夏帆)と徒競走のライバルでブラジルに移住した正男(秋元龍太朗)がやって来ます。
ハワイからは金吾(渡辺大知)が。
明日で最終回なのでこれまで出会った人たちが続々。
上原照賢(大工哲弘)は下地先生(片桐はいり)の手紙を預かってきます。
懐かしい人、おなじみの人、今まで見たことない近所の人らしき人、たくさんの人で店は賑わいます。
上原さんの演奏で歌子(上白石萌歌)が歌います。
そこになぜか常に比嘉家に親切にしてきた善一(山路和弘)の姿はありませんでした。
暢子ががんばって考案したメニューは、インスタ映えしそうな、21世紀のカフェ飯を先取りしたような雰囲気です。
個人的には映画「ナビィの恋」(99年)のお祭りの場面で登場人物たちが食べる素朴な大皿料理的なものに彼らの生きてきた時間が見えてすごく美味しそうに思えますが、好みは人それぞれ、若い世代(Z世代って言うんですか)や女子には暢子メニューが受けるでしょう。
これ、2020年代の話にしたらすんなり見ることができたのではないでしょうか。
検索したら”大宜味村では平成28年より大宜味産のカラキの育成・活用に行政と生産者が一体となって取り組んでいます。”と大宜味村のカラキ振興のサイトに書いてありました。昔からある植物ですけど、おしゃれに活用しているのは近年のようですよ。
80年代に暢子が画期的なカラキを使ったメニューですごくおしゃれなカフェ沖縄飯を作っても
おかしくはありません。走りだったということも可能です。
暢子の料理は時代の先端も先端を行っているのと比べ、歌子が倒れてしまったときの医者の言葉のいつの時代の医者ですかと感じはどうでしょう。
「いつもの熱ですよね」と優子、「薬とかできること」と智(前田公輝)が聞くと首を横に振り深刻な顔で「できることはやりました あとは本人の気力と体力を信じて経過を見守るしかありません」と言います。ば、ば、ばくぜんとしている……。
原因不明で弱気の虫だったことになり、ときには仮病にも使われた歌子のカラダの弱さがここへ来て、重病に。料理は時代先取りなのに、医療はまったく発達していない昔のよう。
あらゆることが見事なまでに物語に都合よくカスタマイズされていて、ため息が出ます。
「なんでいつもこうなってしまうわけ?」と良子(川口春奈)が嘆いていましたが、ほんとに。
暢子の料理が美味しそうに思うことも、まもるちゃんがしゃべって喜ぶことも、歌子を本気で心配することも、暢子が子供のときに作ったフーチバージューシーを憑かれたように作ってる場面でその健気さに涙するのも自由です。
「お父ちゃんが死んで借金まみれでそれでも歯を食いしばって生きてきたのに」という良子のセリフにそうは見えなかったなあと思っても、「暢子が帰ってきて念願のお店が」という良子のセリフに念願の? 思いつきではなかったっけ? と思っても自由です。
「ちむどんどん」とは物語ることの自由さ(表現の自由)を謳ったドラマなのです。あと1回!
※この記事は「ちむどんどん」の各話を1つにまとめたものです。
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