映画コラム
ブラックパンサーの魅力を解説!これまでの出演作を振り返る <『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』公開記念>
ブラックパンサーの魅力を解説!これまでの出演作を振り返る <『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』公開記念>
ヒーロー映画として、前代未聞のアカデミー賞3冠を成し遂げた映画『ブラックパンサー』。
その最新作『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が、2022年11月11日(金)より公開される。
主演俳優の急逝を経て描かれる"継承"の物語とは……。
さらに、2022年10月28日からはブラックパンサーが初めて登場した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、2022年11月4日からは前作『ブラックパンサー』の2作品が一部の映画館で再上映が決定。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の公開を控えた今、ブラックパンサーの魅力とこれまでの活躍を振り返る。
シリーズを知っている方も知らない方も、この記事を読むことで最新作をより楽しめるはずだ。
映画『ブラックパンサー』の魅力
2015年に公開された映画『ブラックパンサー』は社会現象となり、数々の記録を打ち立てた。
全米で公開された作品としては歴代6位、全世界では歴代14位という大ヒットを記録(2022年10月現在)。
アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされ、作曲・美術・衣装デザインの3部門を獲得した。
本作の何がここまでの人気を呼んだのか。
その理由にユニークな設定と分かりやすさ、社会的なテーマが挙げられるだろう。
本作の物語はワカンダ国王のヒーローが祖国を守るために世界規模で戦うという、斬新かつ至ってシンプルなもの。
またシリーズ初の黒人ヒーロー主演作として、差別・貧困を背景とした悪役が登場するところも見所と言える。
一見、単純なストーリーながらも勧善懲悪ではない深い人間ドラマが展開されるのだ。
ヒーロー:ブラックパンサーの遍歴
さて、ここからはブラックパンサーが関わった過去作(ドラマ・アニメ作品を含む)全6作品を紹介する。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
ブラックパンサーが初めて登場したのが本作である。
劇中では『アベンジャーズ』シリーズを代表する2大ヒーロー・アイアンマンとキャプテン・アメリカの戦いが勃発。
ブラックパンサーことティ・チャラは、その起点となる爆破テロ事件で父親を失い、犯人に復讐を誓うことになる。
容疑者・ウィンター・ソルジャー(キャプテン・アメリカの親友)を倒すため、アイアンマン側の味方になるのだ。
彼が犯人と対峙するクライマックスでは心を揺さぶられる。
ここで彼が下す決断が作品のメッセージでもあり、脇役ながらも確かな存在感を放っているのだ。
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『ブラックパンサー』
シリーズの第1作となった本作ではブラックパンサーが大活躍する。
父・ティ・チャカの遺志を継ぎ、ヒーローとなったワカンダ国王・ティ・チャラ。
彼は謎に包まれた男・キルモンガーと対峙することになる。
「復讐心」に支配されるキルモンガーは、前作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のブラックパンサーにも通ずる人物。
彼の物語を丁寧に描いたことで、自己と向き合うブラックパンサーの戦いがより胸に響くものとなっているのだ。
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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
本作で「アベンジャーズ」シリーズにブラックパンサーが初参戦することとなった。
最大の強敵・サノスとの決戦を迎えるヒーローたちはワカンダ王国に集結。
地球の存亡をかけた運命の戦いに挑むこととなる。
劇中ではティ・チャラの妹・シュリも重要な役割で登場。
彼女のサポートがヒーローたちにとって大きな推進力となっていくのだ。
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『アベンジャーズ/エンドゲーム』
マーベル作品の集大成となった本作でも、ブラックパンサーが登場。
アベンジャーズ絶体絶命のピンチにブラックパンサーだけでなく、ワカンダ王国の人々が続々と参戦する。
軍事力を総動員させた国民たちは、地球を救うための戦いに大きな影響を与えることとなるのだ。
また、劇中ではワカンダ王国の海底地震について言及される場面がある。
最新作『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では海底王国の支配者・ネイモアの登場が発表されており、その真相が明かされることとなるだろう。
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「ファルコン&ウインターソルジャー」
ドラマ「ファルコン&ウインターソルジャー」では、ブラックパンサーの登場はなかったものの、ワカンダ王国の女性特殊部隊・ドーラ・ミラージュが活躍する。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で先代国王・ティ・チャカを死に追いやったテロ事件。
その首謀者が仮釈放されることとなり、彼女たちがファルコンとウィンターソルジャーの前に立ちはだかるのだ。
また、ファルコンとウィンターソルジャーは『ブラックパンサー』の物語と繋がりが深い人物でもある。
ウィンターソルジャーは一時ワカンダ王国に匿われていた過去があり、ファルコンは劇中で黒人問題に直面することになる。
この点を踏まえると、本作の物語が『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でも何らかの形で影響を与えるのかもしれない。
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「ホワット・イフ」
マーベルの映画作品に繋がる初のスピンオフアニメシリーズ「ホワット・イフ」では第2話にティ・チャラが登場。
「もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら?」と題されたエピソードで、彼は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公・スターロードに変身している。
過去作と異なるパラレルワールド設定ではあるものの、人徳がある人物像は共通。
シリーズの強敵・サノスまでも仲間にしてしまう驚異の好かれっぷりを発揮している。
また、本エピソードは俳優・チャドウィック・ボーズマンがティ・チャラを演じた最後の作品となる。
そのため、エンディングには彼を追悼するメッセージが捧げられている。
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"継承"される物語
ここまではブラックパンサーの過去作を紹介してきたが、ここで名優・チャドウィック・ボーズマンについても触れておきたい。
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シリーズ初の黒人ヒーローとして世界に多大な影響を与えた彼は、2020年に大腸癌で死去。
生前、近親者以外には事情を話さなかったことから『ブラックパンサー』監督含め、共演者たちの間では大きな衝撃が走ったのだという。
実は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はこの出来事を踏まえて、大幅に脚本が書き直されたとのこと。
もともとワカンダ国王・ティ・チャカの内面に迫る予定だった物語は、彼の死から1年という設定で周囲の影響とその遺志の"継承"というパーソナルなテーマを描くこととなった。
思えば、映画『ブラックパンサー』は親子の"継承"から始まり、様々な登場人物が死者の思いを繋いでいく物語だったと言える。
果たして、そんな物語が最新作ではどのような方向へと進んでいくのだろうか。
主演俳優の急逝を受け、一時は引退さえ考えていたというライアン・クーグラー監督。
彼が辿り着いた"継承"の物語をぜひ映画館で確かめていただきたい。
(文:TETSU)
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