<どうする家康 関ケ原・徳川幕府編>40話~の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第47話ストーリー&レビュー
第47話のストーリー
▶︎「どうする家康」の画像をすべて見る家康(松本潤)の大筒による攻撃で難攻不落の大坂城は崩壊。茶々(北川景子)の妹・初(鈴木杏)と阿茶(松本若菜)が話し合い、秀頼(作間龍斗)が大坂に留まることと引き換えに、城の堀を埋めることで和議が成立する。だが乱世を望む荒武者たちは全国から大坂城に集まり続け、豊臣を滅ぼすまで平穏は訪れないと、家康は再び大坂城に兵を進める。そんな中、初と江(マイコ)は、姉・茶々を止められるのは家康だけだと訴える。
第47話のレビュー
乱世も、佳境へ。家康(松本潤)が大阪城に大筒で攻撃を仕掛けた。豊臣家が受けた打撃は大きい。
長引くかと思われた戦は和議へと進む。
和議は家康の側室・阿茶(松本若菜)と茶々(北川景子)の妹・初(鈴木杏)によって進められた(そして初の後ろに控える大竹しのぶ演じる大蔵卿局。突然の登場に二度見した)。
秀頼(作間龍斗)が大坂に留まることと引き換えに、大坂城の堀は埋めることに。難攻不落と言われた城は、これで丸裸の状態だ。
しかし、これで平和がやってきた、というわけではない。大坂城には荒武者たちが集まり続け、いつなんどき戦が起こるか分からない。
何年も続いた乱世。乱世でなければ生きていけない。そう思う者たちも少なくないのだ。
堀も埋められ、豊臣に勝ち目はない。それでも茶々が天下をとること……家康にこだわるのはなぜなのか。
紐解かれていくのは、茶々の心のうち。
寧々(和久井映見)は言う。親の仇の男の側室になり、子どもを産み、家を乗っ取った。
頭のいい茶々があそこまで意地を張るのは家康のせいではないか……。
そして、初と江(マイコ)も茶々を止められるのは家康だけだと言う。
茶々は家康を憎んでいた。どうしてそこまで憎むのか。母を助けにきてくれなかったからなのか。
それもある。が、同時に、母が慕っていた家康のことを茶々も慕っていたのだ。母を助けに来てくれなかった。つまりは自分のことも助けに来てはくれなかった。
裏切られたという気持ちが膨らみ、憎しみへと変わる。
愛情から憎しみに変わった心は重い。今の茶々を作ったのは家康だったのだ。
家康は茶々に手紙を書く。
茶々を乱世に引きずり込んだのは自分。乱世の生き残りを根こそぎ連れて滅ぶ覚悟がある。
一方で秀頼を生き延びさせることが母の役目だとも説く。かつて、母であるお市がそうしたように。
茶々が解放すれば、秀頼は自由になれるのか……。
茶々も一旦は決意をしたが、秀頼の自由など、とっく存在していなかったのだ。秀頼は茶々が育てた。家康を憎むように。乱世を生きるように。秀頼の心のままに、と決断をゆだねるが、秀頼は家康との戦いを選ぶ。
茶々の言葉が全てであった秀頼が、違う道を選ぶことなどできない。
織田家と豊臣家の血を引いた秀頼こそが乱世の最後の生き残り。
そして、ある意味、家康がやってきたことのツケがここで回ってきた、とも言えるではないのか。
弱虫で泣き虫で、なかなか判断が下せずに手遅れになったこともたくさんあった。そんな家康の行動が、乱世を引き延ばしていたのか、とも思う。
誰よりも戦のない世を望んでいたはずなのに。でも、望んではいたけど、自分のそんな世を作ろうとはなかなか決意ができなかった。
今の彼にできることは、茶々に伝えたように乱世の生き残りを連れて死ぬことだけ。
もう、新しい世は目の前。
戦国の世を生き抜いてきた者たちの最期が近づいている。
※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。
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