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2023年11月11日

<どうする家康 関ケ原・徳川幕府編>40話~の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<どうする家康 関ケ原・徳川幕府編>40話~の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第46話ストーリー&レビュー

第46話のストーリー

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豊臣家復活を願う方広寺の鐘に、家康(松本潤)を呪う言葉が刻まれたという。家康は茶々(北川景子)が徳川に従い、人質として江戸に来ることを要求。激怒した大野治長(玉山鉄二)は、両家の仲介役・片桐且元(川島潤哉)の暗殺を計画。家康はついに14年ぶりの大戦に踏み切る。全国大名に呼びかけ、30万の大軍で大坂城を包囲、三浦按針(村雨辰剛)に用意させたイギリス製大筒を配備。そんな徳川の前に真田丸が立ちはだかる。

第46話のレビュー

戦争がしたければ、適当な理由でもいいのだな、と思い、口の内側を噛み締めてしまった第46話冒頭。

秀吉(ムロツヨシ)の悲願であった方広寺の大仏殿再興。その開眼供養を控え、徳川家はザワついていた。
問題となっていたのは大仏殿の鐘に刻まれた「国家安康君臣豊楽」という銘。
「家康」の名前を胴と首に切り分け、豊臣を主君とする世を楽しむ、ということであるそうな。
え~そんなひどいこと書いてたの? 心が清らかだから気づかなかった! などと言ってスルーできないものだろうか、と思ったが、できないらしい。
放っておけば徳川家の権威は失墜、処罰しようものなら豊臣をつぶすための言いがかりだと言われる。嫌な一手だ。

戦いを避けたかった家康(松本潤)だが、豊臣方はそうではない。もう、仕方がない。
鐘をすりつぶし、秀頼(作間龍斗)が国替えするか、江戸に参勤するか、茶々(北川景子)を人質として江戸に差し出すか、という究極の三択を繰り出す。
が、茶々が受け入れるはずがない。そうなれば、進む道はひとつ。

戦である。大阪の陣だ。

家康が出陣することとなるが、秀忠(森崎ウィン)は気が気ではない。娘の千姫(原菜乃華)は秀頼の正室である。もし、共に戦に巻き込まれることとなったら……。
それなら自分が総大将で、と考える。

しかし、家康は譲らない。

「この戦は徳川が汚名を着る戦」「汚れるのは自分ひとりで十分」

そばにいるのは本多正信(松山ケンイチ)だ。
かつては家康を裏切った男が最後までそばにいることになるとは。
年を経ても、変わらないふたりの小気味の良いやりとりが、おもしろく、切ない。

戦は数で勝る徳川が優位で進む。

しかし、大阪城は難攻不落。
唯一の弱点をついて侵入しようとするが、そこに待ち構えるのは真田信繁(日向亘)だ。有名な真田丸である。次々と徳川の兵を鉄砲で仕留めていく。
信繁を演じる日向亘は今期のドラマで「うちの弁護士は手がかかる」でポンコツ(?)パラリーガルの岩淵を演じているが、ギャップにめまいがする。
その凛々しさよ……! 今年は「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」や「君となら恋をしてみても」などで瑞々しい高校生役を演じていたが、ここにきてこのギラギラした感じは罪である。

真田の善戦、落ちぬ城。

家康は用意していた大砲を使うことを決める。秀頼がいる場所を目指して。

これに秀忠の顔色が変わる。秀頼のそばには千姫がいる。

止めようとする秀忠に、家康は「主君たる者、身内を守るために多くの者を死なせてはならぬ」と言う。
それは家康が母から言われた言葉。
でも、家康はかつて自分の妻である瀬名(有村架純)と子どもたちを助けるために家臣たちを動かした。

大砲は大阪城に届いた。逃げ惑う女たち。
その中には茶々や千姫の姿がある。千姫は砲撃に震え、動けずにいた。そしてその上には攻撃によって破壊された天井部分が。そのままでは直撃する……というところで千姫をかばったのは茶々だった。
嫁愛おしさにかばったのか、それとも、家康の助けを待っていた母を思い出したのか、いや前者か。
茶々は鬼のような顔を見せることもあれば、どこか弱い、人間らしさも見せる人だ。

続く攻撃に秀忠は呆然とし、それから家康に食ってかかる。

「こんなのは戦ではない!」
かつて、信康(細田佳央太)が長篠の戦いで同じように問いかけていた。
家康はまるで信長のように「これが戦だ」と非情な答えを返したけれど、「この世で最も愚かで醜い人の所業」と続ける。
だから、秀忠には平和な世を築け、というメッセージか……。

一方、大阪城。自分をかばい、意識を失った茶々を見て千姫が叫ぶ。

家康からはもう乱世を繰り返させまい、という強い想いが感じられる。が、ひとつ間違えれば、第二の茶々を生み出すことになるのでは、と思わずにはいられない。

ひとつを守ろうとすれば、どうしても手放さなければならないものがある。
手放された側の傷はどうしたって、癒えない。憎しみで傷口は深くなるばかりだ。

※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。

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