<ブギウギ ・終幕編>25週~最終週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第121回のレビュー
鮫島(みのすけ)が、スズ子(趣里)と水城アユミ(吉柳咲良)の記事をまた書きました。「女の決闘」と相変わらず大げさな見出しをつけて。「鮫野郎」と憤るタケシ(三浦獠太)に、スズ子はこれも仕事なのだから「おもしろおかしく書かなあかんのや」と鷹揚な態度をとります。すっかり、気持ちが落ち着いたようです。
大晦日、いよいよ「オールスター男女歌合戦」。
お留守番を小田島父子(水澤紳吾、井上一輝)に任せてでかけます。大野(木野花)はあとから愛子(このか)と会場に行くのです。
スズ子が楽屋でメイクをしていると、股野(森永悠希)とアユミが挨拶に来ます。
ここで、スズ子はわだかまりをすっかり流し、懐の大きさを見せました。歌を楽しもうという域に達しているのです。
アユミが「ラッパと娘」を披露。若くはつらつとして、パンチのある声と踊りを、スズ子は涙を流しながら見つめます。
ただ、アユミは終始挑むような態度でパフォーマンスをし、歌い終わったあとも、ものすごい形相です。彼女はいったいなぜこんなにも大先輩のスズ子をライバル視する? 若気の至りで、スズ子の歌が好き過ぎて勝つことに囚われてしまったのでしょうか。
それでもスズ子はアユミの歌に感動しています。
そして、出番。歌合戦のトリであります。
「わてもう爆発しそうや」と茨田りつ子(菊地凛子)に言って楽屋を出ていくスズ子。
「ヘイヘイブギー」を明るく楽しく歌います。客席には愛子が「マミー最高や」と大喜び。
スズ子の歌を楽しむ姿勢に会場は大盛りあがり。家でテレビを観ている小田島父子も立ち上がって踊りだしました。
小田島父子はすっかり、スズ子の家に居座っていますが、住み込みなのでしょうか。というか、スズ子は留守を任せて、泥棒される心配はまったくないのか。このへん、大阪のお風呂屋さん・はな湯時代の、誰でもウェルカム感を思わせます。
あんなに困窮していたのに、よかったね小田島父子。
深掘りすると、スズ子の粘着的な娘愛が、娘を喜ばしたい一心で、一をそばに置いているような気もしなくないのですが……。
「ブギウギ」は語らないことが多すぎて、視てるほうがいくらでも妄想を膨らませることができてしまいます。アユミの心情もミステリー過ぎて、いろいろ想像してしまいます。
スズ子の歌が皆の心に響くのは、愛子への愛が普遍的だからなのでしょうか。そのへんもしっかり語られないので、愛子への愛を貫いているのか、激しいライバル心で歌ったアユミよりも、包むような愛情で歌ったスズ子に軍配が上がったということなのか、なんなのかよくわからない。
しかも、若いとは言えミュージカルに出て歌や踊りが本職の吉柳さんと、バレエをやっていたとはいえ歌は本格的にやるのがはじめての趣里さんでは、何がスズ子が圧倒的なのかわかりづらいのです。
歌がうまければいいというものではなく、心であるということなのかもしれませんが、それも視た人の裁量に任されています。まったく押し付けがましくないドラマにもほどがある!
あと1週!
※この記事は「ブギウギ」の各話を1つにまとめたものです。
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