<おむすび>第1週~4週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第12回のレビュー

門限を破ってしまった結(橋本環奈)を助けようと陽太(菅生新樹)が結とつきあっていると言い出します。なぜか眼帯している陽太。野球のボールが当たったらしいのですが、なぜ、そこだけリアリティー?
眼帯が悪目立ちしています。が、眼帯していないと、引っ掛かりのない場面になってしまうのも事実。

陽太の嘘を愛子(麻生久美子)佳代(宮崎美子)は気づいていました。佳代の「だって ありえんもん」はなかなかきつい。

聖人(北村有起哉)だけは単純にも真に受けてしまい、ショックのあまり縁側で膝を抱え、口を鯉のように音を立てパクパクしています。こういうちょっとした仕草を考えつくのがさすが演技派・北村有起哉さんです。

永吉(松平健)に、聖人のせいで歩(仲里依紗)が家を出てしまったと言われ、ますます聖人は苛立ち、スナックひみこに飲みに行ってしまいます。

米田父子、なぜ、こんなに仲が悪いのかーー聖人が若い頃が回想されました。

永吉は昔から自由人で、ホラばかり吹きながら、トラック野郎としてあちこちに出かけては、お金も使ってしまう。佳代が貯めたお金を使い込んで行きたかった大学に行けなかったことを聖人は根に持っていました。
そんなとき、いつも髪を切ってくれていた理容師さんが、都合で神戸に行くことになって、聖人はその人について神戸で理容師になろうと考えます。地元の糸島が好きだけれど、父からとにかく離れたかった気持ちが痛いほど伝わってきました。朝ドラではヒロインが父親に抑圧されていますが、男性だって同性の父親に思うところあることもあるのです。女性の生きづらさが注目されていますが、男性もやりきれない思いを抱えながら、はっきり言葉にできずもやもやしていることを聖人が体現しています。

北村有起哉さんの70年代長髪の若者役(二十代?)に無理あるという声もありましたが、若いときは繊細な喋り方や表情をしているところがさすが演技派。とはいえ11歳の少年役はさすがに演じていません。その頃の松平さんと宮崎さんの若作りはなかなか難しいものがありました。かなりコント。松平さん、貫禄ありすぎ。いやでもカチューシャした宮崎さん、かわいかった。

家庭内不和も結の秘密のギャル活動も、さほど深刻に見えず、ほのぼのホームドラマの体で、そのあと「あさイチ」でやっていた、パスタを茹でたあと鍋にパスタがこびりつく悩みの解決とか、ハンドクリームを最後まで使い切る方法とかにものすごく親和性を感じました。

たいしたことが何も起こらない感じ、以前、日テレで朝ドラを意識してやっていた「生田家の朝」(2018年)のようです。ただ「生田家〜」はバカリズムのセリフが面白かったのですが、「おむすび」はそこまで振り切ってはいないんですよね。

※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る


「おむすび」をU-NEXTで視聴する

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)NHK

RANKING

SPONSORD

PICK UP!