<おむすび>第1週~4週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第11回レビュー
結(橋本環奈)がギャルたちとつるんでいるところを目撃した陽太(菅生新樹)は気になってこっそり結の行動を追います。そこにリサポンこと柚木理沙(田村芽実)もいますが、陽太は、学校での彼女とはまったく違うビジュアルに戸惑って……。駅では偶然を装って結に話しかける陽太。やってることが結の父・聖人(北村有起哉)と同じ。
門限ぎりぎりで帰宅した結に、聖人はまたくどくど叱ります。心配しているのはわかりますけれど、ちょっと表現を間違えちゃっています。救いは、永吉(松平健)や佳代(宮崎美子)、愛子(麻生久美子)がおおらかなこと。
永吉は相田みつをと知り合いとホラを吹き、聖人を苛立たせます。が、この永吉のやたらと誰か有名人と知り合いという嘘はたぶん伏線で、いつかほんとうに誰か有名人と知り合いであることが証明されるときがくることに1ペリカ。
聖人は口うるさいですが、彼の胸騒ぎは当たっていて、結はじょじょにはめを外していきます。
朱に交われば紅くなるという世の摂理。こうして人は身を持ち崩していくのです。これは大げさですが、ハギャレンの子たちがもし悪い子たちだったら大変なことになってしまいますから。
幸いハギャレンたちはいい子で、結は居心地が良くなって楽しみはじめていて、愛子はそれに気づいています。が、聖人は結は農家を継いでくれると思っていて……。
結も自然とそう思い込んでいましたが、ハギャレンたちは、それでいいのか問いかけます。第3週「夢って何なん?」(演出:野田雄介)のテーマです。
ハギャレンたちにはそれぞれ夢があります。リサポンはいつかギャルの本を書くのが夢(ギャルの歴史をノートにまとめていました)。カラオケでリサポンは浜崎あゆみの歌はギャルにとって救いだと自論を滔々と語ります。学校では真面目な姿をし、勉強もちゃんとできるリサポンは何者? カラオケもうまかった。田村芽実さんは元アイドルでミュージカルでも活躍しているだけあります。
自分は将来何になりたいのか、考えてもみなかった結。夢についてカラオケで話しているとついに門限を過ぎてしまいます。それをかばったのはーー陽太。でも彼から発された言葉はあまりに意外なものでした。
とってもほのぼのした展開で、祝日ののんびりした朝にはぴったり。3週経って、「おむすび」のほのぼのムードにもじょじょに慣れてきました。おそらく、ですが、東日本大震災がくるまで日本はそれほどピリピリしていなかったと思うんです。世紀末(1999年)に世界が終わらなくて、21世紀はとくにいいことがないにしてもそれなりに日々過ごしていた時期が2004年頃。じつは、静かに国力が低下していっていたわけですが……。だからギャルたちは浜崎あゆみの歌に救いを求めていたのでしょう。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
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