森を開墾?電気や道路もゼロから引いた『愛を積むひと』朝原監督ロングインタビュー・後編


気持ちが残る。読み返せる…人を動かす手紙のチカラ


それでは最後の質問です。監督がもし、自分の死期を知ったとしたら、どんな手紙をご家族に残しますか?もしくは、奥様やご家族からどんな手紙を貰いたいですか?手紙にまつわるエピソードをお聞かせ下さい。

朝原監督「2年前に『武士の献立』の撮影で京都に入っていた時に、娘の誕生日があったんです。父としていい格好したいですから、ちょっとした本に手紙を添えて送ったんですね。ちょうど進級の時期だったんですけど、娘と学校の相性が良くないらしく、本人は辞めたいと思っていたようです。結局、色んな人の説得で辞めなかったんですけど、結構傷ついたみたいでね…。そんなわけで手紙には『君の人生なんだから、生きたいように生きて下さい。僕は間違いなく君を応援するから』って、書きました。」

― お嬢さん、嬉しかったでしょうね〜。

朝原監督「すごく恥ずかしかったんですけどね(笑)。でも先日、その手紙を娘が額装して持ってるという話を家族から聞いたんです。『娘の事だから、決して自分からは言わないだろうけど、パパからの手紙を大切にしてるのよ』って話があったときには、思わず泣くかと思いました。」

― 私も思わず涙腺が緩んでしまいました。

朝原監督「口では伝わらない事も、手紙にするとやっぱり違いますよね。文字に残すこと、読み返せることは大事なんだと思いました。」

― これからも娘さんは、人生で迷ったり壁にぶつかった時に、額に入った手紙を読み返して「よし、私の生きたいように生きよう!」って勇気づけられるのでしょうね。

朝原監督「いや〜、ちょっとキザ過ぎちゃいましたね!」

(インタビュー終了)

…いかがでしたでしょうか?
温かくて楽しくて、サービス精神旺盛な朝原監督。そのお人柄が滲み出たインタビューは、いつまでも続けていたくなるほどハッピーなひとときでした。

試写会で『愛を積むひと』を拝見させていただき、朝原監督のインタビューに臨みました。しかし、あまりにもインタビューで伺ったお話が趣深かったので、再度試写を拝見させていただきました。
「あの家は職人魂の粋を集めて作られた家なのよね」「あの草花達は、時期をずらして植えこまれたんだっけ」などと思いながら鑑賞できたのが、非常に面白かったです。

ぜひ皆さんもこの記事を読んだうえで、劇場に足を運んでくださったら嬉しいです。
映画『愛を積むひと』は、2015年6月20日から全国公開です。

(取材: 大場ミミコ)



(C)映画「愛を積むひと」製作委員会

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