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「きれいのくに」第8話までの感想:稲垣吾郎が演じたのは「世界」そのものだった。理不尽な世界で貫き通した思いとは?


第4話あらすじ&感想

第4話あらすじ

かつての流行の反動で、今は美容手術が法律で禁止されている世界。

幼なじみの高校生・誠也(青木柚)、凜(見上愛)、れいら(岡本夏美)、貴志(山脇辰哉)はそれぞれ違う顔だが、中山(秋元龍太朗)は誕生前に両親が遺伝子操作を施したため、大人たちと同じ顔をしている。

いつも放課後を一緒に過ごす五人だが、れいらはときどき“パパ活”で見知らぬ男性とデートをしていた。しかし突然、客の福井(稲垣吾郎)が密室で豹変し…!

第4話の感想

“好きな人が好きだと思っている顔になりたい”。

誰しもが感じたことのある容姿についてのコンプレックスを、ファンタジーでありながら生々しく描くドラマ「きれいのくに」。

舞台は大人たちが全員“トレンドの顔”の稲垣吾郎と加藤ローサの顔に整形している時代で、最初に展開していたのはVRで観ていた啓発ビデオ。トリッキーな構成に幻惑された部分もあったが、折返しとなる第4話からストーリーが大きく動き出した。

話の中心にいるのは、整形していない高校生の誠也(青木柚)、凛(見上愛)、れいら(岡本夏美)、貴志(山脇達哉)、そして親の遺伝子編集の影響で“トレンドの顔”になっている中山(秋元龍太朗)の5人。

第4話ではれいらがパパ活で出会った中年男(稲垣吾郎)から暴行を受ける。ちなみに第3話で出会っていた男と顔は同じだが、お小遣いの決済方法が違うため、別人と会っていることがわかる。

れいらが受けたのは、スカートの中にマイクを突っ込まれるという強烈なセクハラ。彼の本当の目的はわからないが、女性の性に関する何らかの音を録音したかったらしい。

「本当はいつもセックスやってるんでしょ? 知ってるよ。若くてお前ら側の顔、高いもんね、稼げるし。セックスとかいいから、録音だけさせて。いくらいくらいくら?」

この世界では、稲垣吾郎(の顔)が美の象徴、トレンドの象徴である。だが、美しい顔を一枚めくると、さまざまな性質が露わになる。特にこの男の品性はどこまでも下劣だ。「払った分だけちゃんといろよ!」と叫んで、逃げようとしたれいらをマイクで殴打する。

映画監督、教師、父親など、十数役を演じた稲垣吾郎だが、この最低な男へのなりきり具合が素晴らしい。あらためて、多彩な稲垣吾郎の演技力、表現力に感じ入る。

彼らがカラオケで歌っていたのはザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」。南北朝鮮の分断の悲しみを歌った「イムジン河」が発売中止になり、メロディを逆にたどって作られた曲だった。大人世代と若者世代、整形した世代と整形していない世代、トレンドに流された世代とトレンドに流されない世代の“分断”を表している。この世界には「プレーン差別」という整形していない人々への差別も起こっているようだ。

そんな中、貴志がれいらへの気遣いの中で恋を育てていき、誠也は幼馴染の凛を二人で遊びにいこうと誘う。少年たちのシーンは自然光を生かした演出が目立つ。

しかし、そんな中、れいらはカラオケにいる中山の顔を見て、動悸が激しくなる。脳裏に中年男が歌っていた「悲しくてやりきれない」が蘇り、思わず嘔吐してしまう。自分を暴行した男と同じ顔がそこらじゅうにあるという地獄。10代の少女には酷すぎる。

この後、5人の関係がどうなっていくのか、トレンド世代とアンチトレンド世代の分断はどうなっていくのか。まだまだ予断を許さない。

なお、公式サイトには全員の顔が稲垣吾郎のアイドルグループ“チーム轟”のメンバープロフィールが紹介されている。「歌謡曲とキレキレのダンスを得意として、大人世代の女性を中心に熱い人気をあつめています」と書いてあるってことは、顔が全員稲垣吾郎の純烈? 今後、ポスターだけでなくライブシーンも登場するかもしれない。今後も楽しみだ。


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