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2021年08月27日

<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ただ離婚してないだけ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】



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Kis-My-Ft2の北山宏光が主演をつとめるドラマ「ただ離婚してないだけ」が、2021年7月7日に放映スタートした。

本田優貴による人気コミックを原作としたこのドラマは、夫の不倫をきっかけに巻き起こる、いつ自分の身に起こっても不思議ではない戦慄の展開で話題沸騰の、未だかつてない不倫サスペンス作品。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・第12話ストーリー&レビュー

・「ただ離婚してないだけ」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話ストーリー



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フリーライターの柿野正隆(北山宏光)と、小学校教師の雪映(中村ゆり)は、結婚7年目となる夫婦。正隆の雪映への思いは冷めきっており、関係は「ただ離婚してないだけ」。しかも正隆には新聞配達員の萌(萩原みのり)という不倫相手がいた…。

ある日、正隆は萌と温泉旅行に行くことに。そこで萌から、ある衝撃の告白が…。

第1話レビュー



血まみれのリビング、嗚咽する中村ゆり、静かに涙を流し、次第に明らかに“ヤバい”目になる北山宏光。画面どころか、視聴しているこちらの部屋をも不穏な空気で覆ってしまうような感覚があった。2021年夏、かなりの問題作が生まれたのではないだろうか…。

フリーライターをしている正隆(北山宏光)と、小学校教諭の雪映(中村ゆり)。2人は夫婦だが、食卓を囲んでいる様子だけで関係が冷え切っていることが分かる。音楽がそれを増長させる。

雪映の表情からはあまり感情を読み取ることができないが、正隆は終始何かにイライラしている。朝食に並んだきゅうりのお漬物を一口かじっては吐き出すし、ふんぞり返って歯磨きをしたまま、仕事へ向かう雪映に「行ってらっしゃい」すら言わない。

冒頭のナレーションに、「俺は孤独だった」という言葉があった。それは家庭内不和だけが原因ではないようだ。

まずは仕事。正隆はフリーライターをしているものの、編集部に原稿を持ち込んだかと思えば嫌味たっぷりに突き返されてしまう。赤字を直そうとするも嫌になったのか、自室の壁に原稿を投げつけ、挙句の果てには「俺のする仕事じゃない」と宣う。

さらに問題なのは正隆の生い立ちだ。編集者が嫌味で言った「大会社に生まれたのにもったいない」。これがどうやら、正隆のいうところの“孤独”の根源。彼の実家は柿野製薬という日本でも指折りの製薬会社で、会長を父に持ってはいるものの、それは正隆の母の再婚相手だった。つまり、正隆との間に血縁関係はない。だから彼は、幼少期から家族の中にカウントされていなかった。誰もがうらやむ裕福な家に暮らしながら、その実、そこに存在していなかったのだ。この経験が、正隆の心に大きな孤独の種を植え付けた。

行き場のない孤独や怒りに腐り、生気すら感じられない正隆は、新聞配達のアルバイトをしている萌(萩原みのり)と不倫をしていた。完全に憂さ晴らしだからだろう、家にやって来た萌を、ダイニングテーブルでほとんどレイプするかのように乱暴に抱く。

この萌もなかなか難しい環境にあった。家に帰れば少年院を出たばかりの弟・創甫がおり、彼の生活費を工面するためアルバイトを掛け持ちしている。さらに、働いているガールズバーの店長・佐野(深水元基)とも付き合っているが、とても大事にされているようには見えない。登場する男たち全員から、いいように扱われてしまっている。

事態が動いたのは、2人が訪れた旅先でのこと。温泉に入っているときに、萌が妊娠を告白したのだ。言葉を失った正隆。

正隆はかつて、雪映との間にできた子どもを死産により亡くしていた。しかし彼はそれを悲しむではなく、むしろ安堵していたと振り返る。家族の中にあって家族を知らずに育った正隆には、家族というものとの向き合い方が分からなかったのだ。

そんな彼が、不倫相手との間に子どもを作ってしまった。すべてを煩わしがり逃げてきた正隆は、この問題にどう向き合うつもりだろうか。今回、あまり詳らかにされなかった雪映の心情も気になるところだ。

それにしても、今作の北山宏光は振り切っている。まったく笑わず、これまで見たこともないような“ヤバい”表情を度々浮かべる。さらに、かなり大胆な濡れ場もあった。ある程度どんな役柄なのか想像はしていたが、それを上回るクズっぷりを、淡々と静かに演じていた。バラエティー番組や歌番組などとはまるで違う顔を見せる北山に、戸惑った視聴者も多いはず。

おそらくは覚悟を持って臨んだであろう作品。切り拓かれる役者・北山宏光の新境地に期待したい。


※この記事は「ただ離婚してないだけ」の各話を1つにまとめたものです。

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