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2021年08月27日

<八月は夜のバッティングセンターで。>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<八月は夜のバッティングセンターで。>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第5話ストーリー&レビュー

第5話ストーリー



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夏葉舞(関水渚)がバッティングセンターに着くと、伊藤智弘(仲村トオル)が困惑していた。常連客・寺本沙織(佐藤仁美)の息子・優斗(中村羽叶)に懐かれてしまったからだ。遅れてやって来た沙織は、到着するなりバッティングエリアへ。打席に立つ優斗を笑顔で応援している。一見幸せそうに見える親子だが、伊藤は問題を抱えていることを見抜く。その読み通り、家では夫婦喧嘩が絶えず、優斗の顔に明るさはなかった――。

第5話レビュー



今回の悩める女性は、息子の優斗(中村羽叶)を連れてバッティングセンターにくる常連客・寺本沙織(佐藤仁美)。「あのお母さんは相当問題を抱えている」という伊藤(仲村トオル)に、「沙織さん幸せいっぱいに見えるけどな」と言う舞(関水渚)。優斗も悩んでいるという伊藤に「優斗くんにまだ悩みなんかないでしょ」と言うが、「小さい頃、そういうことを言う大人を見てどう思った?」「自分はどうだったんだ? 悩みはなかったか?」と聞かれて「あった」とハッとする。

「俺が子どもと接するときのポリシーは、子どもを子ども扱いしないことだ」
伊藤の持論、納得感ある。「そうすると心を開いて、異様になつかれることがある。困ったもんだ」とのことだが、子どものときにそういう大人がいてくれたらうれしいだろうな。

沙織が抱えている悩みは、夫のことだった。会社を辞め、田舎で新しい農業ビジネスをしたいという夫。「もう一度話を聞いてくれ」と言われるが、「聞いても一緒、私は反対」「優斗は私立の学校に行かせる」と聞く耳を持たない。

まあ、成功するかわからないビジネスにのために移住するという話に賛成できない気持ちもわかる。だが「あんたは私の言うこと聞いてりゃいいの」という言葉はちょっと気にかかる。



息子の優斗は苛立っている母親や、夜中夫婦が言い合いをするのを聞いて心を痛めていた。伊藤によると、自分のせいで二人が争っているのではと思っているという。唯一沙織が笑顔を見せるバッティングセンターで自分がホームランを打てれば、スカッとしてもらえるのではと考えていたのだった。いい子すぎる……(涙)。だがイライラしていた沙織はうまく打てない優斗を責めるような言い方をしてしまう。

「いい加減にしなよ。頑張るのはあんただろ」と今回もライフイズベースボールの世界へ。


夫とバッテリーを組むことになった沙織だが、指示に従わない夫に苛立つばかり。伊藤の伝言「ちゃんと向き合うように」と伝えた舞に「無理、あいつが考え方を変えないと」「言うこときかないの」

夫にも「お前ふざけんなよ、バカげてんだろ」「あんたに経営能力なんてないから」「やらなくてもわかることだろバカ」と、自分の意見を曲げない。優斗はベンチで

伊藤はキャッチャーを交代。現れたのは、里崎智也選手だった。
「里崎さんだーーー!!! すげー本物ーー!」
舞のお決まりの叫びが入る。



「お前はどう投げたいんや?」と夫に聞き、

「よっしゃじゃあそれで行こ。その代わり自分の投げる球、しっかり責任もって投げろよ」

と笑顔で声をかける。笑顔がとても頼もしい。希望を聞き入れてもらえた夫はうれしそうだ。

結果、球は打たれてしまった。

「だから言ったじゃない」と言う沙織に、
「いや、あれでいい」と言う伊藤。

「人生は長いシーズンだ。バッテリーの呼吸があってくればシーズンは勝てる。里崎はそれを見越して、自由に投げさせてやったんだよ。女房役として、打たれてもいいと覚悟を決めて」

里崎はロッテ一筋16年、WBCでチームをけん引した日本を代表する女房役だった選手だ(野球では、ピッチャーを夫に例えるのに対してキャッチャーを女房役と呼ぶことがあるそうだ)。男女に例えた呼称については、時勢的に異論を唱える人もいそうだが、個人的には夫婦の問題回に「日本を代表する女房役」をぶち込んできたところにグッときた。

長い目で見て、失敗してもいいから自由にやらせる。夫婦に限らず大事な考え方かもな、と思った。例えば自分自身のことにしても、直近の失敗を恐れて判断したけど、長い目で見たら失敗してもよかったなということはある。

「じゃあ、女房は我慢して、夫を好きにさせろってことですか? そんなの都合よすぎるじゃない」
沙織がそう言いたくなる気持ちもわからなくはない。

伊藤は続ける。
「そうじゃない。バッテリーは協力して、試合に勝つんだ。里崎を見なよ」

夫に駆け寄った里崎は、うなだれる夫の肩を叩き、笑顔で励ます。
「ま、結果をしかり受け止めて、今後どうやったらチームが勝てるか、死ぬほど考えろよ」

「目的は、家族というチームで勝つことだろ。そのためにキャッチャーは、長い目で見てピッチャーと向き合って、勝負に勝たせてやるんだよ」

伊藤にそう言われ、沙織が夫を見るまなざしが変わった。

そしてしばらくした後、沙織の家では夫が荷造りをしていた。家族で長野へ移住することにしたらしい。

自分のチャレンジをさせてくれた沙織に礼と「俺マジで頑張るから」という夫に対し、「付き合うよ、家族だもん。でも、もしダメだったらアルバイトでも何でもして家族守ってよ? あんたの好きにしろっていう話じゃないからね」と言いつつ、穏やかな笑顔の沙織。さっそく長野にあるいい学校を見つけ、家族で盛り上がっていた。

意見の食い違いで一時は険悪になってしまったものの、二人とも子ども想いで頑張り屋でもあるこの夫婦。優斗もいい子だし、家族というチームで頑張っていくと決めた今、もう大丈夫そうだ。

舞の話のその後も気になる。母(藤田朋子)に「また野球やるなら応援するよ」と言われたが断っていた。やはり何かがあって辞め、周りは本当は続けたかったのではないかと思っているようだ。

残り3回、楽しみだ!

※この記事は「八月は夜のバッティングセンターで。」の各話を1つにまとめたものです。

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