<2021年総括>絶対観るべき珠玉の洋画ミュージカルベスト5!

第2位『tick, tick... BOOM! チック、チック...ブーン!』(Netflix)


Netflix

『tick, tick... BOOM!チック、チック...ブーン!』は名作ミュージカル『レント』を生み出した実在の作曲家ジョナサン・ラーソンを主人公にしている。そしてなんと奇しくもこの映画は、第3位の『イン・ザ・ハイツ』の原作者であるリン=マニュエル・ミランダの映画監督デビュー作となった。

1つの人生の指標として「30歳までに夢を叶えたい」という目標を抱く人は多いのではなかろうか。主人公のジョナサンもそのひとりだった。そんなジョナサンが成功を掴むまでの道のりを描いたのが本作であるが、実はジョナサンは35歳で息を引き取っている。

しかも『レント』オフ・ブロードウェイ・プレビュー公演初日という夢が叶う瞬間に、だ。もちろん、彼自身は自分の寿命など知る由もなかったはずであるが、夢を追う過程で彼がいつも「時間に追われている」感覚と隣り合わせであったことはタイトルおよびこの映画の大きなテーマにもなっている。夢を取るか、安定をとるか、愛を取るか--。誰もが生きる上で悩んだことのあるテーマへの答えをNetflixを界してわたしたちはジョナサンに重ねてしまうのだろう。

第1位『シンデレラ』(Amazon Prime)


(C)Amazon Studios

今まででディズニーの長編アニメーション「シンデレラ」から派生してさまざまな形で実写化が試みられてきた。あえて声を大にして言いたい。2021年の『シンデレラ』は間違いなく過去最高の『シンデレラ』だ。

グラミー賞ノミネート歴を持つシンガーソングライターカミラ・カベロがシンデレラを演じるということで、その歌唱力が折り紙付きであることは想像に難くないだろう。本編中で歌われているカミラが書き下ろしたオリジナル曲「Million To One」の中毒性も高い。その上で、さらにこの『シンデレラ』は既存の物語をベースに独自のテーマを築き上げている。



この映画の中で最も驚いたシーンの中に、シンデレラの部屋からガラスの靴を見つけた継母が王子との結婚をシンデレラに頼み込む場面がある。しかも、シンデレラはそれを断る(物語終わっちゃうじゃん……!)。わたしの記憶の中にいるシンデレラは、意地悪な継母によってガラスの靴を持っているにも関わらず王子と引き剥がされそうになるはずだった。どうも様子がおかしい。


(C)Amazon Studios

今回のこのシンデレラは「結婚<仕事」という完全に晩婚タイプの女なのだ。さすがは『ピッチ・パーフェクト』の脚本家ケイ・キャノン 。精神的に自立した、強い女性を描くプロだと思った。

地位や周りに流されない、自分だけの幸せを探す旅へ観る者を導いてくれる。2021年公開のAmazon Prime版『シンデレラ』はなめてかかると火傷を負うくらい、凛々しくてキュートな史上最高の姫君を生み出した。

そんな『シンデレラ』に2021年公開のミュージカル映画の、堂々たる第1位を授けたい。

暗い時代を生き抜く光こそ、ミュージカルだ


2021年を振り返ると、まだまだコロナ禍から抜け出しきれない状況で多くのエンタメイベントが中止になった。予定していた海外への旅行が中止になった方も多いだろう。そんななかで観劇でありながらもおうち時間にも楽しめる『ミュージカル映画』の存在に救われた場面は多々ある。外国の彩り豊かな風景をバックに、強く生きる人々の物語は、私たちの心を掴んで離さない。

マスクなしの満面の笑みで歌い、野原を駆け巡る登場人物たちの姿はまさに2021年を明るく照らす光であったと言えるだろう。残り少ない2021年、まだ観ていない方はぜひ、この5本の映画とともに年越しを迎えてほしい。

(文:すなくじら)

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