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2022年06月03日

<金田一少年の事件簿>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<金田一少年の事件簿>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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剣持警部(沢村一樹)の幼なじみで、由緒ある巽家に嫁いだ紫乃(仙道敦子)の元に脅迫状が届いた。

剣持警部は、一(道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)を連れ、巽家のあるくちなし村に向かうが、そこで見た鎧武者姿の男達に戸惑う。巽家使用人の猿彦(田鍋謙一郎)によると、昔、巽家に首を斬られた落ち武者の霊を鎮める生首祭での仮装だという。

「祭りの明ける明後日までに巽家の次の当主の生首頂戴しに参上つかまつり候」
脅迫状は、“首狩り武者”を名乗る人物からで、巽家に恨みを持つ者からと思われたが…。

紫乃の亡き夫は、財産と家督を先妻との子である長男の龍之介(吉村界人)ではなく、連れ子の二男、征丸(福山翔大)に継ぐと遺していた。そのため兄弟の仲は劣悪で、脅迫は龍之介の仕業だと疑う征丸。

そんな中、亡き夫の友人だと名乗る客人の赤沼が、脅迫状の送り主を教えるからと、一をからくり部屋に呼び出す。行ってみると、回転扉の先に首のない赤沼の姿が!
さらに、生首祭を訪れた一と美雪の前に“首狩り武者”が姿を現し、新たな首が転がり…。

紫乃のために剣持警部が立ち上がる。
「一のじっちゃんの名にかけて!」
旧家の血をめぐる驚愕の秘密が明らかになるが…。

第8話のレビュー

剣持(沢村一樹)の幼なじみ・紫乃(仙道敦子)のもとに脅迫状が届き、一緒に向かう一(以下はじめ・道枝駿佑)と美雪(上白石萌歌)。紫乃は由緒ある巽家に後妻として嫁いだのだが、亡き夫は自分の子の龍之介(吉村界人)ではなく紫乃の連れ子の征丸(福山翔大)に財産と家督を継がせるという遺言を残したため、いさかいが生まれていた。このため征丸は脅迫状も龍之介の仕業ではと言うが。

脅迫状は「祭りの明ける明後日までに巽家の次の当主の生首頂戴しに参上つかまつり候」というもの。祭りというのは昔、巽家に首を斬られた落ち武者の霊を鎮める生首祭だ(趣味の悪いお祭りだな……)。

巽家の屋敷は昔の名残りで、ところどころからくりが仕掛けられている。はじめたちと同じバスに乗っていた黒装束の男・赤沼から「脅迫状の送り主を教える」と言われたはじめがからくり部屋に訪れると、そこには首のない赤沼の死体が。

さらに生首祭に訪れたはじめと美雪は何者かに襲われ、気が付くと拘束されていて、征丸の生首を見せられたのだった……。毎回思うが、はじめはともかく美雪はこんな殺人現場に毎回でくわして気の毒すぎる。

なぜかここではじめではなく剣持警部が「はじめのじっちゃんの名に懸けて」と推理を展開、犯人は使用人の猿彦(田鍋謙一郎)だと言う。ちょうどそのとき屋敷の外から銃声が聞こえ、猿彦が倒れていた。持ち出した銃が暴発したのだった。何かいいたそうだが言わないはじめちゃん、優しい……。代わりの宿泊先で待っていた佐木(岩﨑大昇)が事件はもう解決したと聞き「それじゃあ僕、ただのストーカーじゃないですか~」と拗ねて回転扉をぐるぐる回っているのがかわいい。

その回転扉を見て、からくりに気づいたはじめ。もう一度巽家に戻り、真実を告げる。赤沼という人物は実際にはおらず、はじめが最初に見た死体が征丸のものだった。はじめがからくり部屋に入るとき、入れ替わりで征丸の首を持った猿彦が出て行ったのだった。

だが、猿彦だけが犯人なわけではない。事件が起こる前、龍之介と征丸が言い合いになり、猿彦の死因となった銃を持ち出した龍之介を紫乃はひどく叱った。自分の子の征丸が撃たれそうになったからだと思われたが、彼女はこの銃が暴発するように細工されているのを知っていたのだ。つまり、撃ったら龍之介が死ぬことをわかっていたから怒ったのだ。

はじめは、「紫乃さんの本当の子どもは龍之介さんだからだ」と言う。どういうことなのか。

前妻の綾子とは高校の同級生だった紫乃。貧乏なことを馬鹿にされ、いじめられていた。母親が亡くなり関係を持った男との子どもを身ごもり、病院にいたところ綾子が巽家に嫁ぎ、同時期に子どもを産むことを知った。自分をいじめた女の子どもが幸せに生きていくのが許せないと思った紫乃は、自分の子と綾子の子を入れ替えたのだ。つまり、征丸が綾子の子で、龍之介は紫乃の子だったのだ。自分の子である龍之介が財産と家を継げるよう、征丸を殺したのだ。

剣持を呼んだのも、昔自分に好意を持っていたのを利用したのだった。ちなみに龍之介の本当の父親は猿彦。紫乃が巽家に嫁いだと知り、お金をせびりにやってきたのだ。それを利用し、殺しに協力させた後に「一緒に死にましょう」と誘い、そうすれば猿彦は絶対自分を撃つだろうとわかっていた紫乃は暴発する銃をわざと使わせたのだ。

さらに、それだけでは終わらなかった。そんなことを知らなかった龍之介は、邪魔な紫乃を殺そうとお茶に毒を入れていた。お茶を飲もうとする紫乃に「飲んじゃ駄目だ」と言うが、時すでに遅し。すかさず病気をしてから気がおかしくなったと言われていた妹・もえぎ(近藤華)は「また毒を入れたのね、兄さん」「私にも毒を盛ったでしょ、殺されないように頭がおかしくなったふりをしていたの」と言う。「母さん!」と嘆く龍之介だが(受け入れ早いな)、紫乃は「毒を入れたのは私よ」と言い死んでいくのだった。

かわいそうなのは征丸である。紫乃の身勝手な行動により大きく運命を狂わされ、さらに母だと信じていた人に突然殺され、首を切られるなんてあんまりだ。原作では、征丸は大事に育てていたが、征丸が龍之介に対して勝ち誇った態度をとったときの顔が綾子にそっくりで「殺さなければ」と思ったという、もうちょっと違う殺した理由があった(だとしても当然許されないが)。そこがはしょられたことにより、ただただ「本当の子ではないから」「龍之介が財産を得るのに邪魔だから」という理由で数十年育ててきた子を殺した、という話になってしまった。

紫乃は自分の子に幸せになってほしくて赤ん坊を入れ替えたが、龍之介は果たして幸せになれたのだろうか。お金はあったかもしれないが、冷たい綾子のもとで育ち、父親が自分より可愛がっているもえぎに毒を盛り、財産を得るのに邪魔な紫乃にも毒を盛るような人間に育ってしまった。

いや、どこで育とうと血は変えられないとも言えるかもしれない。邪魔なものを毒で殺そうとした龍之介。身勝手な行動で子どもたちの人生を変えたうえ、邪魔になったら身近な人間を次々と手にかけた紫乃と、金をあてにして紫乃に再び近づき、彼女を殺して財産を独り占めしようとした猿彦の子どもだとあらためて考えると、納得のいく行動だ。

美雪・はじめ・剣持は「母の愛ってすごい……」というような言葉で締めくくっていたが、こんな身勝手な行動を、肯定するような言葉を使わないでほしかった。

次回、漫画で印象に残っている「オペラ座館殺人事件」初の映像化ということ大変楽しみだ。


※この記事は「金田一少年の事件簿」の各話を1つにまとめたものです。

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