タイカ・ワイティティの魅力とは?無邪気な天才&奇才な人物像

タイカ・ワイティティとは

人物像


(C)Marvel Studios 2017 All rights reserved.

タイカ・ワイティティは、ニュージーランド出身の映画監督である。

低予算映画から『マイティ・ソー バトルロイヤル』に大抜擢された彼は、やや硬派だったヒーロー映画“ソー”シリーズをコメデイ路線へと変更。

ファンから高い評価を受け、有名監督の仲間入りを果たした。

撮影現場ではコメディアンのように場を和ませることでも知られており、仕事を共にしたスタッフやキャストからも絶大な支持を受けている。

来歴


(C)Whenua Films 2006

1975年タイカ・ワイティティは、マオリとフランス系カナダ人の家系の父とロシア系ユダヤ人の家系の母との間に生まれた。

両親の離婚を経て、ウェリントンで母に育てられた経験は、のちの監督作品に強い影響を与えることとなる。(後述)

大学では演劇を学びながら、コメディグループに所属。映画制作のパートナーとなる俳優ジェマイン・クレメントと出会う。

地道な俳優活動と映画制作を始め、2005年には短編映画『夜の車/トゥー・カーズ、ワン・ナイト』で第77回アカデミー賞短編映画賞にノミネート。

2007年の『イーグルVSシャーク』では長編デビューを果たした。

2017年の『マイティ・ソー バトルロイヤル』の成功により、人気監督のスターダムを駆けあがった彼は、2019年の『ジョジョ・ラビット』でアカデミー脚色賞を受賞。

マーベル映画のみならず、ディズニーの実写映画やスターウォーズ新作、『AKIRA』の実写化などにも声がかかり、さらなる活躍が期待されている。

役者に寄り添った演出


キャリア当初から、監督のみならず脚本家や俳優としても活躍したタイカ・ワイティティは、自身の作品では3役全てをこなすことも多い。



彼の演技経験を活かした演出は、俳優陣からも高く評価されている。

ソーの弟・ロキ役で知られるトム・ヒドルストンは「演技を俳優目線で考えてくれる」と述べ、スカーレット・ヨハンソンも「気まずい空間でさえ(監督とキャストの)両者が同じ空間にいる」と役者に寄り添う姿勢を絶賛する。

さらに、名優アンソニー・ホプキンスは「仕切りながらも柔軟さがあり、意見を取り入れてくれるため、奇抜なことも試せる」と即興性に富んだ演出法を称賛しているのだ。

ちなみに、このインタビューはディズニープラスでも配信中の『マイティ・ソー バトルロイヤル』特典映像「監督そしてコーグ」から確認することが出来る。

制約から生まれるオリジナリティ


(C)Shadow Pictures Ltd MMXIV

彼の原点には、インディーズ映画やTVドラマなど、課せられた制約の中での創意工夫が挙げられるだろう。

初期作ではアニメーションや作り込まれたセット・小道具を活用することで独特な世界観を表現。
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』でも「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの小道具を借り、ヴァンパイアの暮らしに説得力を与えた。

また、過去数年には、48時間映画祭(日本でも例年行われている2日間の映画制作イベント)に繰り返し参加。1人芝居の低予算ショートフィルムを多数発表している。

この経験は、のちのアドリブ演出の基礎になったと言えるだろう。

作品の特徴


(C)2019 Twentieth Century Fox

タイカ・ワイティティの作品は、コミカルな作風が高く評価されている。

ヴァンパイアたちの愉快な日常『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』から、第二次世界大戦を子供目線で切り取った『ジョジョ・ラビット』まで、コメディとはかけ離れた題材選びも人気の理由だろう。

また、ユーモアの裏側にシビアな一面が見え隠れしているのも監督作の魅力である。
人間の命を奪うヴァンパイアや残酷な戦争。監督が描く「笑い」は厳しい現実の裏返しでもあり、その独特なバランス感覚にこそオリジナリティが垣間見えるのだ。

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