マーベル「ホワット・イフ…?」全9話感想 | 新たなアベンジャーズが切り拓いたマルチバースの夜明け
第7話 もしもソーがひとりっ子だったら?:あらすじ&感想
あらすじ
共に育てられた弟・ロキとの間に抱える確執から、これまで様々な戦いを巻き起こしてきた神々の国アスガルドの王子・ソー。
そんな彼が、もし、ひとりっ子として育てられていたら……?
わがまま王子・ソーが繰り広げる地球でのハチャメチャ大騒動。
『ホワット・イフ…?』
<雷神 #ソー>⚡
キャラクターポスターが到着‼️#ソー を待つ、“もうひとつ”の運命とは…?
明日(9/22)16:00より #ディズニープラス で新エピソード配信スタート!?#ホワットイフ #マーベルスタジオ pic.twitter.com/sz37tqaBP9 — ディズニープラス公式 (@DisneyPlusJP) September 21, 2021
感想
シリーズも終盤に入り、シリアスなエピソードが続いていたところで、ついに、「ホワット・イフ…?」屈指のコメディ回が誕生。
今回のエピソードでは、とにかく、おバカなソーが大暴走します。
世界遺産をおもちゃにしたり、宇宙からの仲間を連れてきたりと、諜報機関・シールドも大迷惑。
しまいには、意外な救世主を呼びだして事態を収拾しようとする超展開にも笑ってしまいました。
ところで、コメディ要素に全振りしたようにも思える今回のエピソードですが、おバカな"男性"・ソーと彼を止めようとする知性的な"女性"たちという対立構造そのものは、近年のマーベルらしい社会的な視点を感じなくもありません。
特にMCUでは、『アイアンマン2』のブラック・ウィドウの登場を起点として、『キャプテン・マーベル』での女性ヒーロー単独初主演や、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』における女性ヒーローたちの団体プレーなどなど、シリーズが進むごとに"戦う女性"の描写に磨きがかかっている印象を受けるのも事実。
今回のアニメシリーズは第1話から男性ヒーローを女性ヒーローに作り変える挑戦を行っており、この展開自体もその延長線上に位置しているように感じました。
※以下、本編のネタバレがありますのでお気をつけください。
元ネタ
今回の元ネタはMCU第4作『マイティ・ソー』でした。
本来であれば、ある因縁を抱えた兄弟・ソーとロキが壮大な兄弟ゲンカを繰り広げていたはずの本作ですが、今回のエピソードでは、ソーがひとりっ子として育てられたばっかりに、超わがまま王子として地球に君臨。
さらには『マイティ・ソー』シリーズのみならず、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『キャプテン・マーベル』といった作品に登場した様々な種族を地球に招待し、どんちゃん騒ぎを決行していました。
映画版のソーは、第1作の"おバカで優しい紳士"から、次第に心に傷を負ったシリアスな人物としてイメージが変化していきましたが、今回の物語のソーは特に成長していないため、逆に懐かしい気持ちが……。
何はともあれ、現在の実写映画シリーズでは、いまや描くことが難しいおバカ王子の大暴走や、神様設定ならではの地球人との異文化交流ギャグ、"母は強し"と言える展開など、見どころは多数。
シリアスな展開が続いていた「ホワット・イフ…?」だけに、肩の力が少し抜ける素晴らしいコメディ回でした。
小ネタ・トリビア
今回の物語は、まさしくバカ騒ぎといった印象で過去史上最大級に出演キャラクターが多かったエピソードと言えるでしょう。
以下では、今回登場したゲストキャラクターを、順不同に羅列してみます。
■『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』陣営
・ヨンドゥ
・ハワード・ザ・ダック
・ネビュラ
・マンティス
・ドラックス
・ロケット
・ソヴリン人
ほか
■『マイティ・ソー』陣営
・グランドマスター
・スカージ
・コーグ
・ヴァルキリー
・スルト
ほか
■シールド陣営
・コールソン
・マリア・ヒル
・ブロック・ラムロウ
ほか
■『キャプテン・マーベル』陣営
・キャプテン・マーベル
・スクラル人
ほか
そして、なぜか、結婚式の神父役として、エルヴィス・プレスリーも登場。
彼が持っているのは聖書ではなく、彼の楽曲のタイトルでもある『love me tennder』(日本語では、『やさしく愛して』とも訳される)という文字が記された本でした。
ちなみに上記のキャラクター以外にも、これまでの『マイティ・ソー』シリーズにはなじみの深い有名な観光地も登場。
シリーズ2作目『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』を彷彿とさせる場所が多数登場し、イギリスの観覧車・ロンドンアイやストーンヘンジを破壊していく、破天荒なソーと仲間たちの暴走具合には、自然と笑みがこぼれてしまいました。
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劇中で繰り広げられる”ソー"vs”キャプテン・マーベル"のバトルシーンは、それぞれのパワーがハンパなさ過ぎて、もはや『ドラゴンボール』のようになっていましたが、それもご愛敬。
謎の深まるラストシーンと予告編の映像を見る限り、まだまだ、今後の展開へと繋がっていきそうなエピソードでした!
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