<鎌倉殿の13人・御家人政治編>27話~38話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第32話ストーリー&レビュー
第32話のストーリー
>>>「鎌倉殿の13人」の画像をすべて見る奇跡的に息を吹き返した源頼家(金子大地)。しかし後鳥羽上皇(尾上松也)のもとには頼家危篤の報が届き、後鳥羽は考えを巡らせる。鎌倉では、政子(小池栄子)のもとに義時(小栗旬)、泰時(坂口健太郎)らが集まり、新たな体制について話し合っていた。そんな中、一人で思いにふける比奈(堀田真由)。一方、先を見据えるりく(宮沢りえ)は時政(坂東彌十郎)に京との関係をより深めるように説き、愛息・政範(中川翼)も胸を高鳴らせる。そして、三浦義村(山本耕史)は……
第32話のレビュー
鎌倉殿である頼家(金子大地)が目覚めたのなら、本来は万々歳のはずだった。しかし、義時(小栗旬)たちの表情は冴えない。
それもそのはず、頼家は死んだものとして話は進んでいた。千幡を新しい鎌倉殿にする。そして、それは頼家が目覚めたとて、変わることはないのだ。
目覚めた頼家は妻のせつ(山谷花純)と一幡に会いたいと時政(坂東彌十郎)と時房(瀬戸泰史)に言うが、二人はもういない。
流行り病で臥せっていると時政たちが嘘を言うと、頼家は見舞いの品を届けろと言う。すぐに二人の好物が出てくるのが切ない。上っ面だけではなく、頼家はちゃんと妻と息子を愛していたのだ。
とは言え、いつまでも隠しておけるはずがない。頼家に全てを伝えたのは政子(小池栄子)だった。
いくら母の言葉だからといって、妻も子も奪われて「はい、そうですか」と言えるはずがない。
何より、頼家は気付いてしまった。全ては北条の企みだということに。
頼家は、和田義盛(横田栄司)と仁田忠常(高岸宏行)を呼びだし、比企滅亡の顛末について知る。
頼家が二人に命じたのは「時政を討て」。
和田はすぐに三浦義村(山本耕史)と畠山重忠(中川大志)に相談するが、仁田は一人で思い悩む。
忠義の厚い仁田は北条と頼家の板挟みになってしまったのだ。
義時に相談しようにもままならず、仁田は最悪の選択をしてしまう。仁田演じる高岸宏行のあんなに悲しそうな顔をこれまで観たことがなく、それだけでも心が揺さぶられてしまった。
また、義時にも比企滅亡の余波が。妻の比奈(堀田真由)は比企の家の者。比企討伐に比奈も協力していたが、それは比奈の心に暗い影を落としていた。
義時も悩むところだっただろう。実衣(宮澤エマ)は「比企の者でまだ残っている者がいる」と比奈にも憎しみを向けていた。
そのまま、義時と比奈が共に生きていくことは難しかった。
今の義時にとって、数少ない理解者である比奈との別れはまた暗い影を落としたのではないか。
更に、息子の泰時(坂口健太郎)は、義時から殺すよう命じられていた一幡をかくまっていた。
泰時は、一幡を助けてほしい、そして、隠し続けることができないと分かっていたから打ち明けたのだろう。
そして、父である義時が子どもを殺すようなことはしない、と信じていたのかもしれない。
もう、義時に、そんな情けの心は残っていない。いや、そんな余裕はない、と言ったほうがいいか。
一幡は、善児(梶原善)のもとにかくまわれていた。
当然、義時は善児に一幡を殺すように命じる。が、善児の返事は「できねえ」。
理由は、一幡が自分を好いてくれているから。その理由に、善児がなぜためらいなく人を殺すことができたのか、想像できる。辛い。そして、一幡を殺さない選択をできないことも、辛い。
頼家は、修善寺に行くことに。修善寺に行くことに抵抗する頼家の姿が辛い。床に突っ伏し、泣きじゃくる頼家。
「父上、これでよいのですか?」
大切なものを全て奪われた頼家。もう、問いかけられるのは、亡くなった父・頼朝だけだったのかもしれない。
千幡が鎌倉殿となったが、それで丸く収まるのか。
頼家の次男、善哉のもとには、生き残った比企尼が訪れていた。「北条を許してはならない」その言葉が善哉の心をむしばむのか。
災いの種が、今夜また、植えられた。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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(C) NHK