<鎌倉殿の13人・御家人政治編>27話~38話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第29話ストーリー&レビュー
第29話のストーリー
>>>「鎌倉殿の13人」の画像をすべて見る
御家人たちのバランスが崩れ始めた鎌倉。義時(小栗旬)は北条と比企との争いの激化を懸念し、頼時(坂口健太郎)と比奈(堀田真由)を前に決意を新たにする。そんな中、つつじ(北香那)が源頼家(金子大地)の次男・善哉を出産。三浦義村(山本耕史)が乳母夫となるが、比企能員(佐藤二朗)は長男・一幡こそが嫡男であるとけん制。一方、北条時政(坂東彌十郎)はりく(宮沢りえ)から政子(小池栄子)の次男・千幡を頼家の跡継ぎにと……
第29話のレビュー
梶原景時(中村獅童)が討ち死にした。鎌倉は、静かに混乱していく。頼家(金子大地)は自分の好きなようにやる、と言い、比企能員(佐藤二朗)の後ろ盾を拒む。頼家は鎌倉を守りたい、大きくしたい、などというよりは、宿老たちから逃れたいという気持ちのほうが大きいように見える。
梶原景時が亡くなったあと、宿老たちにはさらなる変化が。三浦義澄(佐藤B作)がこの世を去る。
義村(山本耕史)に手を握られながら「死んだあとのこと正直どうでもいい」、そして駆けつけた盟友の時政(坂東彌十郎)の体にしがみつき「一緒に行こう!一緒に行こう!」が最期の言葉だった。さらに安達盛長(野添義弘)も……。
そんな中で激化していく北条vs比企。
時政というより、りく(宮沢りえ)の野心は強い。いま、鎌倉にいる後継ぎは一幡、千幡、そして公暁。自分たちが有利になれる者が跡を継いでほしい。それぞれがそう考える。
時政たちは実衣(宮澤エマ)、全成(新納慎也)が乳母を務める千幡を跡取りにしたい。その前に、邪魔なのは鎌倉殿。時政たちは全成に鎌倉殿に呪詛をしてほしいと頼む。これまでの全成なら引き受けなかっただろう。
しかし、実衣が琵琶の師・結城朝光(高橋侃)に心が揺らいでいたこと、そんな実衣を喜ばせてやりたいという気持ちから引き受けてしまう。なんというめぐりあわせ。
若者たちも離れていくのか
頼家は全てのことに対して疑心暗鬼だ。頼家を思っての助言も跳ねのけ、距離を取ってしまう。その筆頭が頼時(坂口健太郎)。
まずは伊豆の領地へ行くように命じられる。凶作で苦しむ農民たちが、借りた米を返せなくなっているのだ。それを収めよ、とのこと。
この任務を成し遂げた頼時は評判があがるが、頼家の覚えはよくない。
褒美と言って頼時に新しい名を与える。もうすぐ征夷大将軍になる自分と同じ「頼」の字が入っていたら荷が重いだろう、ということで、「泰時」という新しい名がつけられる。
頼時にとって「頼」の字は頼朝の「頼」でもあるので納得がいかないが、拒めない。
さらに、「父の元で励め」と言われ遠ざけられてしまう。
今回の頼時はさんざんである。想いを寄せているはつ(福地桃子)には「真面目」「そういうところ息が詰まる」「おもしろくないの」と言われガックリ。
そんな息子・頼時に向かって、義時(小栗旬)はドヤ顔で「山ほど土産を抱えて帰ってくれば機嫌が直る」とアドバイス。あなた、山ほど土産を抱えて帰ってきて八重(新垣結衣)に眉をひそめられていませんでした……?
さらに「女子というものは大体きのこが大好きなんだ」という間違った知識を伝えるんじゃない……! そして頼時も「いいことを聞きました!」じゃないんですよ。
山ほどのきのこを持って帰ってきたのに、はつに突き返されたと聞いて驚く義時。未だに義時の中で「女子が好きなものランキング」が更新されていなかったことにこちらが驚きである。
しかし、クスリとできるシーンも不穏さが伴っているので素直に笑えない……。
とにかく頑なな頼家の心。それが側女のせつ(山谷花純)が真正面からぶつかっていったことで少しほぐれる。
そして、一幡を後継ぎにすることを決める。家などは関係なく、誰とだったら鎌倉を大きくしていけるかを考えてのことだった。
また、頼家が井戸に落ちそうになったところを全成が助けたのも功を奏した(妙に芝居がかっていた井戸のシーン、とてもよかった)。ほっこりとした空気で終わるのかと思いきや、もはや終わり方がホラー映画のそれである。不穏は、続く。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「鎌倉殿の13人」をU-NEXTで見る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C) NHK