<鎌倉殿の13人・御家人政治編>27話~38話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第31話ストーリー&レビュー
第31話のストーリー
>>>「鎌倉殿の13人」の画像をすべて見る源頼家(金子大地)の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。比企能員(佐藤二朗)はせつ(山谷花純)が産んだ頼家の長男・一幡(相澤壮太)を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。一方、義時(小栗旬)は比奈(堀田真由)に頼んで比企の動向を探り、三浦義村(山本耕史)にも相談を持ち掛ける。そんな中、政子(小池栄子)のもとに北条時政(坂東彌十郎)、りく(宮沢りえ)らが集まり……
第31話のレビュー
頼家(金子大地)が倒れた。父・頼朝(大泉洋)と同じ病状だという。誰もが、頼家はもう目覚めないだろう、と思った。と、なると、問題は誰が次の「鎌倉殿」になるかだ。
鎌倉殿の候補は、頼朝の次男・千幡と、頼家の息子の一幡、善哉だ。乳母夫はそれぞれ一幡は比企、善哉は三浦、千幡は北条。どの子もまだ幼く、実際には乳母夫が実権を握ることになる。比企能員(佐藤二朗)は一幡を次の鎌倉殿にしようと鼻息が荒い。
そんな中、全成(新納慎也)の息子が、修行中の京の寺で殺される。全成の陰謀に加担した疑いがかけられたのだ。
政子(小池栄子)のもとに集まった義時(小栗旬)たち。全成の妻である実衣(宮澤エマ)は「すぐにでも比企を攻め滅ぼしてください」と言う。
しかし、ここで動けば戦となる。北条側は千幡を推す。義時は、この目論見が阻止されたときは、刀を抜くことも辞さない構えだ。
義時は一幡と千幡で鎌倉殿の役割を分けることを提案するが、当然のことながら比企は拒否。鎌倉には暗雲が立ち込める。
義時は以前の義時ではない。動向を探るために、妻で能員の姪である比奈(堀田真由)を比企の館に行かせる。比奈自身が申し出たことであるが、泰時(坂口健太郎)からすると、母を利用したように見える父が理解できない。
さらに、義時は泰時に「戦になったら真っ先に一幡を殺せ」と命じる。
父を討たれた息子が成長したときに、どのような行動をとるか。さらに、一幡が生きていれば、次の鎌倉殿についてもまた話がこじれる。
が、命じられたからといって、素直に受け入れられる泰時ではない。泰時は、かつての義時とよく似ている。
迎える比企能員の最期
最後のチャンス、と時政(坂東彌十郎)がもう一度、鎌倉殿の役割を千幡と一幡で分けることについて能員と交渉をする。しかし、能員は受け入れず、比企に有利な条件を提示する。交渉は決裂。能員の運命は決まってしまった。その翌日、時政は能員の提案を受け入れるとし、和議を申し込んだ。能員は肝が据わったところを見せようと丸腰で北条の館へと出向く。館を案内するのは仁田忠常(高岸宏行)。そこで待っていたのは鎧姿の時政たちだった。
能員は自分に何かあれば三浦が黙っていない、と言い放つ。三浦を味方に引き入れたつもりだったが、義村(山本耕史)は北条を裏切っていなかった。寄る辺がなくなった能員は討ち取られる。
そして、比企の館へ。一族を、一幡と、頼家の妻・せつ(山谷花純)を討つためだ。泰時はせつと相対するが動けない。代わりにせつを撃ったのはトウ(山本千尋)だった。一幡の前には善児(梶原善)が。善児は判断をあおぐかのように泰時を振り返る。今の泰時に一幡を殺せと命令もできないように思うが……。
比企一族を滅ぼし、千幡を次期鎌倉殿とするよう手筈を整え始める義時たち。そこへ、頼家の意識が戻ったという知らせが入る。
頼家にとってみれば、とんでもない状態だ。目覚めたら、自分の母の一族によって妻と、妻の実家が滅せられていたのだ。おまけに、自分が目覚めたことを誰も喜んでいない。これが不憫と言わずして何と言おう。
不憫と言えば、泰時もそうだ。父・義時と、自分の正義の間で揺れ動く。そして目の前で流れる血。ここから泰時はどのようにして成長していくのか。ターニングポイントのひとつとなるかもしれない。
もちろん、義時にとってもそうだろう。比企を滅ぼし、北条が坂東武者たちの頂点に立つ。兄・時宗(片岡愛之助)が望んだことでもあったが、それが結果として義時を修羅の道へと導いているようにも思える。
だんだん暗くなっていく義時の瞳が気にかかる。
そして、最後まで「らしい」姿だった比企能員。今回の能員、夢に出そうだ。それほどまでに強烈だった。
能員も、時政も、最初は愉快なおじさまだったのに。
※この記事は「鎌倉殿の13人」の各話を1つにまとめたものです。
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(C) NHK