<石子と羽男―そんなコトで訴えます?―>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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羽男(中村倫也)に「国選弁護」の依頼が舞い込む。(※国選弁護=資金不足などが理由で弁護士を雇えない人に対して国が弁護人を立てる制度)
今回は映画を短く編集した“ファスト映画”を動画サイトに無断でアップロードし、 著作権法違反で映画会社から告訴、逮捕されたという大学生・山田遼平(井之脇海)の弁護だった。あまりお金にならない国選弁護の依頼に乗り気じゃない石子(有村架純)に対し、羽男は「注目されている事件だ」とやる気満々。しかし逮捕された遼平は反省どころか悪態をつき、羽男は振り回されることに。そんななか新たな事件が巻き起こって…。
第3話のレビュー
まさかの映画泥棒のパロディから始まった第3話。今回、羽男(中村倫也)が弁護することになったのは、「ファスト映画」を動画サイトに無断でアップロードし、著作権法違反で告訴されて訴えられた山田遼平(井之脇海)。
注目されている事件ということで羽男はやる気満々。しかし、当の遼平は「何がいけないんですか?」と反省する様子はない。結果的に映画の宣伝になっていたらいいじゃないですか、という言い分だ。
遼平の場合は、映画が好きで、本気で作品のためになることをしている、と思っていそうだからタチが悪い。羽男はこれはダメだと一旦は投げ出そうとしてしまう。
一方、遼平の影響で、映画監督の山田恭平(でんでん)が炎上する。名前が似ているということで、山田監督がファスト映画を作ったのだと思った人たちが多数いたのだ。
さらに公開になったばかりの山田監督のファスト映画の動画もアップされ……。
近年、問題となっているファスト映画。最近では時間が無駄だからと言って、楽曲のイントロを聴かない、などという話も耳にした。映画やドラマなど、その時間の中での間や余韻も作品の一部だと思うが……。ファスト映画だけを観て、映画そのものを観た気になる人は多い。
山田監督の最新映画は興行収入のわりに、口コミが多い、という事態になっていた。それも低評価ばかり。ファスト映画のせいだ。
その事実を羽男に知らされた遼平は自分が犯した罪の重さを自覚する。いや、実際にその方法は石子(有村架純)が提案したのだが。
遼平は、公判で反省の弁を口にしたこともあり、執行猶予付きの判決となった。そんな遼平が羽男たちと共に向かったのは山田監督のもとだった。
土下座で自分のしたことを山田監督に詫びる遼平。1本の作品を作るのに、10年の時をかけていた山田監督。年齢から考えても、また新作が撮れるか分からない。そう言った山田監督は遼平に向かって「謝罪は受け入れられない」と静かにきっぱり。「許す」結末よりも「許されない」結末のほうが今回はしっくり来る。また、それが世の中に対する強いメッセージになることを願ってやまない。
ところで、今回……いや、今回も大庭(赤楚衛二)がけしからんかわいさだったのですが……。
山田監督の作品のファンだという大庭は、石子を映画に誘う。その映画の誘い方がまたまどろっこしくてかわいい。それに対して石子は映画館の会員だから、1人分で2人見られる、と聞き、「それなら行きます!」。
しかし、映画を観て、偶然山田監督に会って会話をしたことで、山田監督作品に好感を持つ石子。大庭が石子に山田監督の過去作品を貸す、と申し出るシーンがまたかわいいのだ……ひとりで勘違いして舞い上がって照れちゃうのかわいい……。
赤楚さんが演じる「片想いをしている姿」というのはどうしてこうも心臓をわしづかみにしてくるのか! 応援するとか、ヒロイン側のポジションになりたい!とかではなく、もう赤楚さんが片想いをしている役を演じている姿をひたすら見ていたい気持ちにさせてくれる不思議!
ずっと片想いしていてくれ、大庭、そして誰ともくっつかないで石子……でも大庭にも幸せになってほしい、矛盾する心……。
一方、第3話では羽男が家族に対して抱えている闇が垣間見える場面も。羽男と家族との関係がどのように今後の物語に影響を与えてくるのかも注目だ。
※この記事は「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」の各話を1つにまとめたものです。
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