<Get Ready!>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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妻夫木聡主演のドラマ「Get Ready!」が2023年1月8日放送スタート。
本作は、多額の報酬と引き換えに、手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チームの活躍を描いたダーク医療エンターテインメント。闇医者チームのメンバーには、主人公で孤高の天才執刀医・波佐間永介(通称:エース)を妻夫木、その相棒である交渉人・下山田譲(通称:ジョーカー)を藤原竜也、凄腕オペナース・依田沙姫(通称:クイーン)を松下奈緒、若き万能ハッカー・白瀬剛人(通称:スペード)を日向亘が演じる。
CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー
・第3話ストーリー&レビュー
・第4話ストーリー&レビュー
・第5話ストーリー&レビュー
・第6話ストーリー&レビュー
・第7話ストーリー&レビュー
・第8話ストーリー&レビュー
・第9話ストーリー&レビュー
・第10話ストーリー&レビュー
・「Get Ready!」作品情報
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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エースこと波佐間永介(妻夫木聡)は、表の顔はパティスリー「カーサブランシェ」のパティシエ、裏の顔は法外な報酬と引き換えに違法なオペをする闇医者チームの執刀医である。
ある日、副総理の羽場(伊武雅刀)が脳神経を断裂し大学病院に運ばれた。一命は取り留めたものの、院長の剣持(鹿賀丈史)から「二度と歩くことはできない」と告げられる。
憤慨する羽場の前に、ジョーカー(藤原竜也)が現れた。彼は患者にエースのオペの条件を提示する交渉人だ。交渉が成立するかと思った矢先、エースが現れ「お前に生き延びる価値はあるのか?」と問う…。
その様子を、闇医者チームのメンバーである凄腕オペナースのクイーン(松下奈緒)と若き万能ハッカーのスペード(日向亘)がモニターで見守っていた。
闇医者チームの次なるターゲットとなったのは投資家の渋谷(池松壮亮)。渋谷は、突然の余命宣告を受け人生に絶望していた。失意の渋谷に、エースら4人の闇医者チームは……!?
第1話のレビュー
「生きる価値」という言葉を前にしたら、何やら居心地が悪い。その言葉を誰かが使う時は大体、「生産性」というワードがセットになる。
社会にどれだけ良い影響をもたらしたか。その大きさによって生きる価値が決められるのだとしたら、あまりにも恐ろしい。
そもそも、誰がその価値を決めるのか。新日曜劇場「Get Ready!」は決断者を、闇医者チームの執刀医に定めた。
ある日、副総理の羽場(伊武雅刀)が脳神経を断裂し大学病院に運ばれた。一命は取り留めたものの、院長の剣持(鹿賀丈史)曰く、二度と歩くことはできないという。
憤慨する羽場の前に現れたのは、仮面を被った謎の男。名をジョーカー(藤原竜也)という。彼は多額の報酬と引き換えに、患者の命を救う闇医者チームの交渉人だった。
日本では認められていない術式と未承認の薬剤を使い、必ず歩けるようにするとジョーカーは羽場に誓う。その交渉の模様をモニターで見守るのは、オペナースのクイーン(松下奈緒)とハッカーのスペード(日向亘)だ。
チームのメンバーは羽場の18億4000万円という総資産額に心を躍らせる。ただ一人、執刀医のエース(妻夫木聡)を除いて。
「あんたの命を救ったとして生き延びる価値はあるのか」と羽場に問うエース。羽場は非正規雇用を増やし、格差の溝を広げた。権力欲に囚われた羽場をエースは「生き延びる価値がない」と判断する。
価値の有無を見極め、手術をするかどうかの最終判断はどうやら羽場がするらしい。
好き勝手振る舞おうとも有無を言わせないほどの技術で、昼間は自身の店であるパティスリー「カーサブランシェ」でパティシエをしているエース。
常連客の女子高生・水面(當真あみ)はエースが作るケーキだけではなく、彼自身にも好意を抱いているようだ。
エースに惚れ込んでいるのは、ジョーカーも。クイーンとの会話から、彼もまたエースに命を救われたことが分かる。
「エースが何を求めているか理解したい」と熱弁するジョーカーはまさに恋する乙女だ。クイーンに勧められ、何かヒントをもらうために怪しげな占い師・POC(三石琴乃)の元を訪れるジョーカー。
大筋はシリアスな医療ドラマだが、日常パートでコミカルさを仕込む。まだこの雰囲気についていけていない人も多いのではないだろうか。
闇医者チームを「仮面ドクターズ」と呼び、噂するのは大学病院の面々。院長の剣持は特段、彼らの存在を疎ましく思っている。
その長女である玲於奈(結城モエ)と外科医の染谷(一ノ瀬颯)は剣持に逆らえない。二人は婚約中で剣持に引き裂かれないように必死なようだった。それらの事情を周りの医者たちも把握しているが、仮面ドクターズなる存在が気になって仕方がない様子。
ひと癖もふた癖もあるメンツが集まっている警視庁特務捜査課も、彼らの逮捕に燃えている。
そんな中、闇医療チームの次なるターゲットとなったのは投資家の渋谷(池松壮亮)。彼は「特発性間質性肺炎」という診断が下されるも、有効な外科的治療はなく、34歳にして余命半年を告げられる。
彼もまた表向きは慈善事業に力を入れているが、裏では技術と実績のある中小企業を強引に買い、海外に売り飛ばして莫大な富を得ていた。会社を奪われた経営者の中には自殺に追い込まれたものもいる。
またもや、エースは渋谷を救うことにNOを突きつける。しかし、死を前にして渋谷の心には変化が現れていた。「金融の力で日本の宝を守る」という本来の目標を思い出したのだ。
残された時間やお金を、世界に誇る技術を持った町工場の手助けをすることに使い始める渋谷。そして、力尽きようとしたその時、闇医療チームが駆けつけ、彼の命を救う。
タイトルの「Get Ready!」はエースが出す手術のゴーサイン。近未来感のある手術室で鮮やかなオペをしてみせる。渋谷がやってきたことは消えない。彼が奪った命も戻ってはこない。
しかし、エースは彼に「生き延びる価値がある」と判断したのだろう。それは彼自身の残された良心に免じてなのか。それとも、彼が生きることで得をする誰かがいるからなのか。
まだエースの判断基準も、このドラマが伝えたいことも分からない。ただ政治批判、医療格差や日本の伝統文化における後継者問題など、あらゆる問題を取り込もうとしていることは伝わってきた。
果たして、それが吉と出るか、凶と出るか。
※この記事は「Get Ready!」の各話を1つにまとめたものです。
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