<Get Ready!>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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剣持(鹿賀丈史)の娘・玲於奈(結城モエ)が、もはや手の施しようのない病状であることが判明した。
玲於奈を救うべきか・・・
正体が暴かれるリスクを恐れ反対するジョーカー(藤原竜也)と、因縁の相手との直接対決に燃えるエース(妻夫木聡)の意見は、真っ向から対立する。
そんなチーム解散の気配が漂う中、警視副総監・高城(沢村一樹)の指揮の下、警察の捜査が闇医者チームに迫り始めていた・・・
第9話のレビュー
元々は天野真一という名前で千代田医科大学付属病院の医師を務めていたエース(妻夫木聡)。なぜ、彼は闇医者になったのか。
それは同病院の院長・剣持(鹿賀丈史)が自分の地位を脅かしかねない天野と、自身のライバルであり、天野の恩師である大和医大の真田(榎木孝明)を同時に医学界から葬り去るため、自身が犯した臓器移植の不正を二人に押し付けたからだった。
真田は濡れ衣を晴らすための裁判に臨むも、道半ばで病死。臓器移植の不正により、自分が担当していた少女の命を救えなかったエースは闇医者になったというわけだ。
ここまでが前回の話。「Get Ready!」第9話では、そんなエースにとって因縁の相手である剣持の娘・玲於奈(結城モエ)が闇医者チームの患者となる。また最終回を目前にし、彼らの逮捕に動く捜査チームを指揮する警視副総監・高城(沢村一樹)が登場となった。
ところで、第1話の冒頭で患者候補となるも、エースに「生きる価値なし」と判断された副総理の羽場(伊武雅刀)を覚えているだろか。そのことがきっかけで、闇医者チームに恨みを持った羽場が高城の裏で動いている。
高城はかなり頭が切れる人物で、刻一刻とその足音はエースたちに迫る。最初に目をつけられたのは、交渉人のジョーカー(藤原竜也)だった。
今下手に動けば、自分たちの正体がバレてしまうかもしれない。そんな状況下で、エースは通常の医療では治せない胃癌を患っている玲於奈の手術を行おうとする。
剣持から全財産と、さらにアジア医学会の会見で13年前の像移植の不正で自分が犯した罪を告白させることで、現在の地位を奪い、復讐を果たすためであった。
剣持への復讐を果たすためだけにチームを危険に晒そうとするエースにジョーカーは猛反発。一方、エースは「今のお前はリスクでしかない」とジョーカーをチームから外す。
真っ向から対立する二人だが、ジョーカーはただエースが過去の苦しみから解放されることを願っていた。クイーン(松下奈緒)もスペード(日向亘)も単独行動を取ろうとするエースに引き続き協力する。
どんなにエースが彼らを遠ざけようとも、彼らはエースを見捨てない。なぜなら、みんなエースに命を救ってもらった上に、新しい人生を与えてもらったからだ。
高城は部下に闇医者チームは悪党か?と問う。これは答えに迷うところだ。この物語は何が正義で、何が悪なのかが非常に曖昧である。今回、高城が闇医者チームの最大の敵として登場したが、彼はただ法を犯している彼らを捕まえようとしているだけだ。
日本では認められていない術式と未承認の薬剤を使い、法外な報酬と引き換えに患者の命を救う行為は認められるのか。確かに、ただ命が尽きるのを待っていた患者たちが闇医者チームのおかげで生き延びることができた。
だけど、世の中にはもっとたくさん、命を救ってほしいと願う人たちがいる。闇医者チームに救ってもらえる人と、もらえない人との差はどこにあるのだろう。
報酬が払えないから?社会的貢献度が足りないから?それとも、たまたま目に留めてもらえなかったから?突き詰めていくと、彼らがやっていることは結局、命の平等を否定することになるのではないだろうか。
だが、どんなに綺麗事を言っていても、もし自分の大切な人が通常の医療で助からない時にジョーカーが交渉に来たら、きっと多くの人が応じるであろう。あんなに権力にこだわっていた剣持でさえも、娘の命が助かるのであればそれを投げ捨ててしまえるのだから。
最後は闇医者チームがやっていることの是非に向き合う本作。果たして「生き延びる価値はあるのか?」と患者に問う医者の物語はどこに着地するのだろう。次週、最終回を迎える。
※この記事は「Get Ready!」の各話を1つにまとめたものです。
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