国内ドラマ

REGULAR

2023年03月02日

<夕暮れに、手をつなぐ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<夕暮れに、手をつなぐ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

▶︎「夕暮れに、手をつなぐ」の画像をすべて見る

「音の消えた世界」

デザイナーとしての夢のために、空豆(広瀬すず)は母親・塔子(松雪泰子)と一緒にパリへと旅立つ日が近づいていた。運命的な出会いから、忘れられない日々を一緒に過ごした空豆と音(永瀬廉)の、胸を締め付ける切ない恋の行方とは!?

>>>「夕暮れに、手をつなぐ」最終回の予告をYouTubeで見る

第10話のレビュー

音(永瀬廉)が人づてに託した手紙とイヤフォンとともに、空豆(広瀬すず)はパリへ発ってしまった。ラブストーリーなら、ギリギリのところで音が間に合い、空豆をハグして想いを伝えるところだろうが、そうはならない。

ここでの生活が、人生で一番楽しかった、と響子(夏木マリ)に告げた空豆は、明らかに未来を見ていた。もしかしたら、音のことを考え、彼の存在に未練が残る余地もあったのかもしれない。しかし、東京での暮らしを“思い出”にし、自ら新天地へ旅立つ思い切りの良さを感じたのも事実。


けれど、空豆は3年後に日本へ戻ってくる。母親である塔子(松雪泰子)の言葉を借りると、「あの子はパリの水に合わなかったようです」……。彼女の持ち前の創造性が活かされるのは、パリコレの舞台ではなかったということだ。

このドラマは、音と空豆の“青春ラブストーリー”だけれど、随所に“やるせなくなるほどのリアル”が織り込まれている。好きな人がパリへ発つと知っても追いかけない、ギリギリで間に合う展開もない、劇的な出立も3年の時を経れば過ぎたことになる。

けれど、それがリアルだ。もう、どうしようもないほどの現実だ。私たちそれぞれが、各々の人生でイヤというほど味わってきたリアルが抽出されている。

そんななかで、3年の間、“あの夢”を忘れずに心に秘めていた音。セイラ(田辺桃子)とともに、紅白に出場し、ステージ衣装を空豆がつくる。そうすれば、また3人で会える日がやってくる。人によっては笑ってしまうような夢かもしれない。

けれど、音はそれを糧に3年の時を過ごした。そして、実際に紅白出場を果たす。

「あんな風に出会うなんて、運命だって信じてた」

振り返ること第1話。あのとき、あの交差点で、たまたま同じ曲を同じタイミングで聴いていた二人。お互いに言葉で伝えはせずとも、運命の出会いを意識していた音と空豆は、まさに神様のイタズラによってすれ違い続けた。

けれど、いつか絶対にまた会える、そんな青くてこそばゆいような夢を頼り、二人はそれを実現させた。なんとも幸せで、見ているだけで心があたたまるラストのキスシーンは、あの日に空豆がこっそり音にした“秘密のキス”を思い出させる。

もう、秘密にしなくても良い恋が実った。もう二人のやりとりを追うことはできないけれど、この先も、喧嘩をしたりすれ違ったりしながら、彼らだけの関係を育んでいくのだろう。そこに、名前はあってもなくてもいい。


※この記事は「夕暮れに、手をつなぐ」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)TBS

RANKING

SPONSORD

PICK UP!