<夕暮れに、手をつなぐ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
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浅葱空豆(広瀬すず)は、海野 音(永瀬廉)がセイラ(田辺桃子)を抱きしめているのを偶然見てしまいその場を去る。一方、音は空豆と葉月(黒羽麻璃央)が付き合い始めたと勘違いしており…。とっくに恋に落ちているのに、すれ違い続ける空豆と音に、本当の別れがやってくる。
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第9話のレビュー
「アンダーソニア」の久遠(遠藤憲一)にコレクションのテーマを盗用され、音(永瀬廉)とも離ればなれになった空豆(広瀬すず)は、まさにドン底状態。音とセイラ(田辺桃子)の新ユニットがどんどん売れていくのを横目に見ながら、彼らの衣装を作る話も頓挫した空豆は、まさに希望を失ってしまっていた。地を這うような様子の空豆に、天啓となるアドバイスをしたのは、やはり響子さん(夏木マリ)。実母である浅葱塔子(松雪泰子)に助けを求めればいい、という、空豆に取っては喜ばしくない提案だった。
しかし、アンダーソニアの後ろ盾もなくなり、せっかく考えたコレクションのスポンサーにも降りられ、八方塞がり。空豆は一本の藁を掴む絶体絶命の状態で、塔子に連絡をする。
それが、道を拓くきっかけとなった。
音とセイラのデビュー曲を彩った、あのおはじきのドレスを見た瞬間から、塔子は空豆を「スカウトしよう」と考えていたらしい。空豆の資金援助の申し出を受け、パリでコレクションをしようと誘う。ドン底状態から一転、いきなり世界の舞台にまろび出ることになった。
音はどんどん名前も顔も売れ、遠い存在になっていく。
空豆はパリ行きを決め、距離的にも遠く離れていってしまう。
壮行会と称し、久々に顔を合わせることになった音と空豆。3月、季節外れの花火が、二人に訪れなかった“空白の夏”を思い出させる。寝転びながら、手を繋ぎ、この夏は花火をしようと約束した。小さくささやかな約束は、果たされなかった。
あの頃交わした秘密のキス。手を繋いだひととき。そして、互いに取り消されたメッセージ。確実にこの二人は恋をしていたのに、ようやく気持ちが通じたのは、別れの直前だった。
「手を伸ばしたら、届くと?」空豆は音に問いかけた。「届くんじゃない? 割と、簡単に」音は答え、そして空豆を抱き寄せる。どこで道が分かれてしまったのか、ボタンの掛け違えはいつ起こったのか。それは音にも空豆にも、もうわからないことなのだろう。
かつて、音は言っていた。俺たちは、離れたって変わらない、と。あれは、どうしたって嘘だった。優しい優しい、嘘だった。「届くんじゃない?」と言ったのも、彼なりの優しさから溢れ出たような、小さな嘘だったに違いない。
※この記事は「夕暮れに、手をつなぐ」の各話を1つにまとめたものです。
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