国内ドラマ

REGULAR

2023年05月07日

<unknown>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<unknown>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

▶︎「unknown」の画像をすべて見る

結婚式当日に起こった血塗られた殺人―。
 愛するがゆえに、お互いを疑い合う闇原こころ(高畑充希)と朝田虎松(田中圭)。
 そんな2人の前に、更なる悲劇が舞い降りる。
 突然、屋上から落ちてきたのは、虎松の父親代わりの先輩警察官・世々塚幸雄(小手伸也)。ビルの屋上には、吸血鬼のイラストと今日の日付を示す殺害予告が描き残されていた…。慟哭する虎松とこころに、世々塚は“謎の言葉”を残したまま息絶える。
 「犯人は、吸血鬼を狙ってる―。」


 奇しくも7人目の犠牲者となった世々塚が残した“最期の言葉”の意味を知るべく、相棒の加賀美圭介(町田啓太)と共に動き始めるこころ。そんな中、元報道記者でもあるこころの母・闇原伊織(麻生久美子)は、密かに事件を調べていたことを告白する。彼女が辿りついた衝撃の真実に、闇原海造(吉田鋼太郎)は絶叫。“血を抜かれた”連続殺人事件の謎が、ひとつひとつ繋がりはじめる…!?
 一方、虎松は闇原漣(井上祐貴)とともに、世々塚の自宅へ向かう。すると、そこには虎松に宛てた手紙が残されていて――。

 “次の犠牲者が出るまでに何とかしないと…”―父親の代わりに自分を育ててくれた、最愛の先輩の死を背負いながら、警察官として奔走する虎松。一方こころは、なぜか「ごめん、私行かなきゃいけないところがあって」という言葉を残し、虎松の前から姿を消してしまう。

物語はついに最終章へ。
“血を抜かれた連続殺人事件”に隠された、予測不能な衝撃の真相とは?

ついに、殺人鬼の正体が明かされる――!

第8話のレビュー

結婚式で虎松(田中圭)の父・彪牙(井浦新)が殺され、一瞬疑い合ってしまったこころと虎松だったが、こころを呼び出したのは虎松ではなかった。お互いの誤解が解けた瞬間、ビルの屋上から2人の背後に転落してきたのは世々塚(小手伸也)だった……。

「犯人は…吸血鬼を狙ってる…」そう言い残し、世々塚は力尽きた。

虎松は犯人を追い、現場から立ち去るこころ

犯人が上から覗いていたのがわかり、ビルを駆け上がる虎松。そこには世々塚の帽子と、金属のキーホルダーのついた鍵があった。救急車が到着する中呆然とするこころだったが、暁凛(MEGUMI)たちがこちらへ来るのを見て逃げる。虎松と一緒にいるときのことだから説明すればいいのに、なぜ逃げる……? 

ビルの隙間を逃げるこころの前に加賀美(町田啓太)が登場、2人で車で逃げる。加賀美……お前なぜここにいる。いや、そもそも虎松と話しなよと送り出してくれたのは加賀美だし、心配して見にきた説もあるけれど……。

世々塚から虎松への手紙に書かれていた“言えなかったこと”とは

漣(井上祐貴)とともに世々塚の家に向かった虎松は、世々塚から自分への手紙を読む。“DEAR TIGER PINE(虎松)”という独特な宛名に「いや日本語でいいだろ!」とツッコみたくなるが、そんなおどけた世々塚がもうこの世にいないと思うと悲しい。

彪牙が事件を起こしてから、虎松の面倒を父親のように見てきた世々塚。何でも話した虎松にひとつだけ言えなかったことがあるという。

「実は俺、吸血鬼なんだ!」

以前虎松が世々塚の家を訪れた際、家の前で待たされたことがあった。あやしいと思っていたが、あれは血関連のグッズを片付けていたからだった。よく待たされていた虎松はエロいものを隠していると思っていたらしい(実際そういうものもあった)。

世々塚はこころが吸血鬼だということに気づいており、虎松がこころと結婚すると知り、自分のことも受け入れてもらえたような気がしてうれしかったのだという。

よよさん、ちょっと疑ってごめんよ。でも日中特に日差しを避けている様子もなかった気がするけれど、どうしていたのだろう?

連続殺人事件の被害者は全員、“吸血鬼”だった

犯人じゃないとしても話を聞くため、現場から立ち去ったこころを「今すぐナウ!」呼び出せと凛に言われた虎松。電話に出たこころに「私行かなきゃいけないところがあるんだ。必ず戻ってくるから」と切られてしまう。

こころが向かったのは実家。こころの母・伊織(麻生久美子)は、仕事を休んでいる間、独自に事件を調べていた(彼女のまとめたホワイトボードがすごい)。そして、連続殺人事件の犯人がみんな吸血鬼だったことを突き止めたという。(彪牙が犠牲となった6つ目の事件については、もともとはこころを狙ったものとして判断)。吸血鬼が犯人と見せかけた、吸血鬼を狙った事件だったのだ。

献血センターのボスに通販サイトで血を買った人のリストを見せてもらったとか、ネットワークがすごい(セキュリティーとは)。

実は伊織は、たこパの際に世々塚が吸血鬼だということに気づいていたという。世々塚と酔いつぶれたまつり(ファーストサマーウイカ)と3人になったタイミングで聞いたのだった。突然起きたまつりも自分が吸血鬼であることを告白し判明。2人とも他の人には知られたくなさそうだったので、家族にも黙っていたらしい。そして、世々塚が前回レインコートを着た男を見たことを伝えた相手が伊織だったことも判明。

吸血鬼が狙われていると知った海造は、危ない調査を一人で行った伊織に心配するとともに「パパはもうキレた! キレちゃいましたよ!」と叫ぶ。こんなにも自分がキレたことを高らかに宣言する人、初めて見た。自分がおとりになる! と、吸血鬼の服を着て出て行ってしまう海造。

吸血鬼が狙われていたと知った虎松と漣は、大五郎(曽田陵介)のもとへ。自分が夜に出歩いたのも、まつりが水商売をしていたのも日焼けできないからだったのに、不良だあばずれだと誤解されてきたという大五郎。でも漣と苦労を分かち合えてちょっとうれしそう。

世々塚が伊織のファンだったのも、漣がまつりを好きになったのも、吸血鬼同士だから惹かれたのもあるんだろうか。いや伊織みたいなキャスターがいたら、そうでなくてもファンになってしまうだろうけど。

「違うよね?」←こころと視聴者の総意


そう、筆者以外にも、いや多くの視聴者が薄々感じていた気がするが、世々塚が亡くなった今、圧倒的にあやしい人がいる。結婚式の場にいて、吸血鬼ではなくて、今までの言動に疑問があって、あとこれは邪道かもしれないが、判明したときに視聴者に大きな衝撃を与えられる人。世々塚の事件現場でも近くにいた人。

ーー加賀美だ。

実家から出てきたこころは、加賀美に「人のいないところ」に連れていくように言う。大丈夫なのだろうか……。何より加賀美は、こころが家に行っている間、こころの鞄に手を伸ばしていた。

でも、あんなにこころのことを気にかけて守ってくれていた加賀美が、こころが落ち込んでいるときにはいつもそばでさりげなく励ましてくれた加賀美が、そんなことするだろうか?

加賀美がこころを連れて向かったのは、彼が高校生まで過ごした施設。もう廃墟となっているそこに入り、歩いていく2人。階段を登る加賀美を見て今までのことを思い出し、小さく「違うよね?」と口にするこころ。

視聴者であるこちらも同じように思っていた。いや、「こころ逃げてーー!!」という気持ちと、「嘘だよね、加賀美じゃないよね」という気持ちが混ざって心がぐちゃぐちゃだ。

加賀美の今までの優しさが、嘘だったなんて思いたくないよーー!! 序盤からあやしいと思っていたのに、回を追うごとにこの人の優しさを信じたいと思う魅力が彼にはあった。

「まぶしいよね?」とカーテンを閉める加賀美。吸血鬼を悪く描いた絵本を見せてくる。その絵を見て、殺害予告のイラストを思い出すこころ。そしてフラフラしてしまう。車に忘れ物を取りに行っていいか聞くこころに鍵を渡す加賀美。いいということは、犯人ではない……? でもさっき、こころのかばんに手を伸ばしていた加賀美を思い出してしまう。血にまつわる何かを加賀美が取ったのだとしたら。

絵本をこころが読んだことないというと乱暴に投げ捨て、こころがふらつくと「血がほしい?」と聞いてくる加賀美。彼の手には、こころが探していた血のタブレットが。やはり加賀美が盗んだのだった。

その辺にあるものを蹴りながらこころに近づいてくる加賀美。吸血鬼は害だから殺したという。いつかこころをかばって刺されたのは、まだこころが吸血鬼かどうかわからなかったから。確信したのはキスをしたとき血の味がしたから。あのキスはそういう意味だったのか……?

こころが吸血鬼だとわかって「裏切られた気がしたわ」と言う加賀美。同じように綺麗な顔なのに、笑顔なのに、今まで見たことがない顔をしている。満面の笑みで「俺が全員殺した」というところ、怖すぎた。
すごくショックだし怖いけど、怖い町田啓太、いい……と思う素晴らしい演技だった。

これまでの犯行を告白する加賀美。吸血鬼たちを殺したことは何とも思っていないが、吸血鬼ではない彪牙を殺してしまったことには罪悪感を感じ、虎さんに悪いことをしたと悔やんでいる。吸血鬼は殺して当然と思っている……。

「大丈夫、今度は失敗しないから」

そう言ってこころにアイスピックを振り上げた加賀美を、現れた虎松が止める。

信じられないとショックを受けるこころと虎松。
加賀美がもう一度こころに振り上げようとした瞬間、加賀美の様子がおかしくなる。
力を失い、そのままふらついた加賀美の口から血が噴き出した。

倒れた加賀美に駆け寄るこころ。先週虎松を疑っていたときより、加賀美が犯人かもしれないと思いはじめてからのほうがショックを受けていそうな気もするのは気のせいだろうか。付き合いは加賀美のほうが長いし、恋や愛ではなかったとしても、こころにとって大切な人だったのは間違いない。

でも、あんなにいつでも自分の味方でいてくれた人が、そばにいてくれた人が、その前まで信頼関係を築いてきたのに自分が吸血鬼だと知った時点で自分を憎み、敵意を向け、殺そうとしてくるなんてつらすぎるよなぁ。少しだけほぐれたこころのトラウマが、またぶり返してしまいそう。

渋谷の駅前で吸血鬼として撮影会を開催し、犯人をあぶり出そうとした海造。それを見て見なかった振りをしようとした源治(酒向芳)と聖夜(長田成哉)、ペアルックっぽくてかわいい。そして少し離れたところで見つめる黒い服の人物。

帰宅し空振りだったという海造。来客が訪れ、出た伊織は何者かに鉄パイプで殴られる。海造が犯人をつかむと、それは梅ばあ(木野花)だった。「私が全部やりました」という梅ばあ。どういうこと……?

次回最終回、まだまだ残る謎

加賀美が連続殺人犯なのは、少なくとも彪牙と世々塚を殺した犯人なのはほぼ確定のようだ。
だが、まだまだ解決されていない疑問がたくさんある。

加賀美がこれほどまでに吸血鬼を憎む理由は何だろうか。
殺された両親に関係している気がする。家族を殺したのが吸血鬼だったのだろうか。
個人的には加賀美は、彪牙の起こした事件の被害者一家と関係あるのかと思っていたが、彪牙が吸血鬼でないから違うのか、もしくはやはり別の人物が犯人なのか。そもそも一家惨殺事件の動機もわかっていない。

そして、加賀美が血を噴き出したのは、おそらく食べたコロッケに毒を盛られたのではと思う。
コロッケを持ってきたのは、加賀美に頼まれた梅ばあだった。だが作ったのは、梅ばあに「こころと加賀美の2人分」と頼まれた源治だ。
2人のどちらかが、毒を仕込んだのだろうか。次週予告で加賀美が元気そうだということは、致死にはいたらないよう調整したのだろうか……? 
そして確か、このコロッケは2人分だった。毒を入れた人が狙ったのは加賀美なのか、それともこころなのか……?

梅ばあは自分がやったことにしたところを見ると、加賀美をかばっているのだろうか。
加賀美の何かを知っていて、関係があるのか……? そういえば前回、「彪牙はこころをかばって殺されたのでは」と聖夜が言ったときに話を遮った。予告の「わざとつかまりたかったのか」という言葉を聞くと、梅ばあも吸血鬼で身を守りたいがためにつかまろうとした可能性もなくはないが……。

毒を梅ばあが入れたのだとすると、加賀美にこれ以上罪を重ねてほしくなかったから……?

源治だったとすると、こころを守りたかったのか、加賀美に恨みがあったのか、何か加賀美がいては都合の悪いことがあるから……?

加賀美が「虎さんを守るためにやった」的なことを言っていたのも気になる。虎松にこだわる理由が、何かあるのだろうか。世々塚が落とされた屋上にあった鍵はどこのものだろう。

次週1回ですべての謎は回収しきれるのか、それより何よりこころは、虎松は、加賀美はどうなってしまうのか。



※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

→元記事はこちら

→目次へ戻る


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)テレビ朝日

RANKING

SPONSORD

PICK UP!