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2023年05月07日

<unknown>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<unknown>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

最終話ストーリー&レビュー

最終話のストーリー

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「そうだよ、俺が全員殺した―」
 ついに正体を現した殺人鬼。7人もの犠牲者を出した“血を抜かれた連続殺人事件“の犯人はなんと、加賀美圭介(町田啓太)だった――。
 突如豹変し、冷たい瞳で自らに襲い掛かる親友の姿に、闇原こころ(高畑充希)は思わず問いかける。「ねぇ私、何か悪いことした…?」―しかし加賀美は淡々と告げる。「吸血鬼なら殺さないといけないよね、だって人間にとって害だから」
 信じがたい真実に愕然とするこころを、追い詰めてゆく加賀美。駆け付けた夫・朝田虎松(田中圭)の制止を薙ぎ倒し、ついにアイスピックを振りかざした手にしたその瞬間…なぜか突然、加賀美は血を吐き、倒れてしまう。

 時を同じくして、闇原家ではこころの母・闇原伊織(麻生久美子)が何者かに襲われ昏倒。闇原海造(吉田鋼太郎)が必死で捕まえた犯人は、なんと今福梅(木野花)。
 まさかの人物に慟哭する海造に梅は無表情で告白する―。
 「…私が全部、やりました」

 なにが本当で、なにが嘘なのかー。
 血を吐いたまま緊急搬送された加賀美の目は覚めず、警察で取り調べを受ける梅の証言にもどこか一貫性がない。
 未だ隠された“秘密”を解き明かそうと、こころと虎松は加賀美の自宅を訪れ、手がかりを探すことに。そこに、未解決事件捜査班の刑事かつ虎松の元嫁でもある暁凛(MEGUMI)が現れて…!?

 そんな中、街には新たな吸血鬼のイラストと日付が記された殺害予告が――。
 そして、こころに1本の電話がかかってくる。
 「……今から、殺しに行っていい?」

物語はついに完結―。
愛しているからこそ、人は間違った道を選ぶことがある。
“血を抜かれた連続殺人事件”に張り巡らされた伏線。
なぜ殺したのか?
明かされる衝撃の真相と、秘められた悲しき過去とは…?

人を愛するとは、“unknown”を受け入れること―?
この世界に存在する≪すべて≫を、我々はまだ知らない。

これは「愛」の物語。
果たして、こころと虎松の運命は――?

最終話のレビュー

「俺が全員殺した」
連続殺人事件の犯人は、加賀美(町田啓太)だった。吸血鬼だから殺したのだという。
こころ(高畑充希)を殺そうとするが、おそらく毒により吐血して倒れる。

「私が全部やりました」
こころの母・伊織(麻生久美子)を襲った梅ばあ(木野花)もまた、自分が犯人だと言う。
真相はいかにーー

虎松、渾身の”パンダ”

毒を盛られた加賀美は一命をとりとめ、集中治療室で治療を受けていた。見守っていたこころが帰宅すると、虎松(田中圭)はエプロンをして食事の準備をしていた。「まつりちゃん(ファーストサマーウイカ)も世々塚さん(小手伸也)もいなくなっちゃった、さみしい」「私が吸血鬼だからいけなかったのかな」と泣くこころを「まだ加賀美も梅ばあも言ってること本当かわかんねーから」「こころのせいじゃないから」と励ます虎松。

真っ黒に焦がしてしまったパンを目に当てて「パンダ! あっつ!」と芸人ばりの捨て身の逆で励まそうとする虎松、いいやつだな……(焦げたパンを目に当てるのは危険だけど)。

梅ばあと加賀美の関係

どう見ても加賀美をかばっている梅ばあ。警察の取り調べで殺された人たちの血を抜いたことや、大柄な世々塚を突き落とすのは体格的に無理ではと言われても、「自分が一人で全部やった」の一点張り。そんな折、加賀美が病院から脱走。梅ばあも証拠不十分で釈放となる。

梅ばあは、加賀美がいた養護施設の職員だった。25年前、両親が突然の事故で亡くなりふさぎこんだ当時5歳の加賀美を何とか励まそうと、絵本を見せながら「あんたの両親を殺したのは吸血鬼」「いつか一緒に退治しよう」と話しかけていたのだ。吸血鬼じゃなくても、鬼でも狼でも何でもよかったのだという。

まさかの、嘘から起こってしまったことだったとは……。実は「うめぼし堂」が焼けた日、加賀美が梅ばあを訪ねてきていた。「親友が吸血鬼だってわかってさ、びっくりして殺しちゃった」とサラッと白状する加賀美。梅ばあがあれはおとぎ話だと言うと、加賀美は涙を流して「また来るよ」と去っていった。

加賀美が犯人なことはわかっていたが、被害者の人数が増え、どうしていいかわからなくなってしまったという。まじか……

最後の晩餐(?)でわかった、さらなる新事実

「こころ、今から殺しに行っていい?」

加賀美からの電話、甘えた声ですごいことを言ってくる。こころの希望によりなぜかフルコースの食事を用意し実家でお迎え。料理を作ったものの、怒りを抑えきれない虎松だが、こころに制止されてなんとか我慢する(えらい)。

吸血鬼はゴキブリやハエと同じこの世の悪だから、殺されて当然という加賀美。彼は殺人のたびに、自分の両親を殺したやつを知らないか問いかけていたが答える者はいなかったという。そもそも嘘なので知っている人(吸血鬼)がいるわけもないのだが。

加賀美がワインのおかわりを頼むと、梅ばあが持ってくる。そして吸血鬼が両親を殺したというのは嘘で、あれは事故だったと話す。「じゃあ両親を殺したのは誰なんだよ、事故なわけない」と詰め寄る加賀美に、梅ばあはこう言った。

「あんたの両親を殺したのは、お前だよ」

!!??? どういうことなのか。
両親とピクニックに出かけた加賀美は、「おいしくなーれ」と摘んできたスズランの花を、ままごとの一環で刻んで紅茶に入れ、また遊びに行ってしまった。それを知らなかった両親は、スズランの毒で死んだのだった。幼い加賀美が壊れてしまうと思い、誰も真実を言えなかったのだ……。

なんと残酷な真実か……。加賀美がずっと憎んで殺したかった相手は、加賀美(鏡)という名前のとおり、そこに映った自分自身だったのだ。

加賀美の本当の気持ちに救われた

家を飛び出し、裏山にかけていく加賀美。追う虎松とこころ。
先に加賀美を見つけたこころの前で、自分を刺そうとする加賀美。
止めようとするこころを刺そうとするが、ここで葛藤が見える。

「吸血鬼は悪くないといけないのに……そうじゃないと俺は生きていけないのに……」

本当は結婚式のとき、加賀美はこころのことをすぐに殺せなかったのだ。
刺そうとしたらこころとの会話や笑顔がよみがえってきてアイスピックを振り下ろせず、そこへ彪牙(井浦新)が止めに入ったのだった。

あんなにこころのことを好きなように見えたのに全部嘘だったの? というのがショックだったのだが、加賀美、やっぱりこころのことを好きでよかった。

虎松がやってきて、加賀美に銃を向ける。こころは止めるが、加賀美は「じゃあね」とわざとこころを襲っているように見せた。銃声が響き渡る。

叶わなかった幸せな光景がつらい

こころと虎松の朝、TVでは加賀美のニュースが。知った風に話すコメンテーターに「本当のことなんてわからないのに」と切り返す伊織。すっかり朝の顔になっていた。
加賀美、どうやら死んではいなさそうだ。殺した人数的に死刑は免れない気もするが……。番組中のSNSコメントは加賀美を非難するものばかりだったが、加賀美のビジュアルだったら「犯人イケメン」という人がいそうな気もする。

漣(井上祐貴)は交番勤務になり、机には世々塚の笑顔の写真が。加賀美に面会を拒否され、差し入れも受け取ってもらえなかった梅ばあを、外で待っていて「アンチョビコロッケでも駄目だったか~」と食べるのは大五郎(曽田陵介)。まつりを殺したのは加賀美だし、仕方なかったとはいえ加賀美に吸血鬼の嘘を伝えて原因を作ったのは梅ばあなのに、いいやつすぎるな……。

そして、ラストに流れたのは、1か月前の結婚式の余興の練習映像。叶わなかった幸せな光景だ。


みんなこんなに楽しそうなのに、悲しい……。

これってどうなったの?


そういえば、彪牙が起こした事件の真相、結局わからないまま終わったな……。
若干の消化不良はあるし、あまりにやるせない真相だが、シリアスとギャグがいい感じに混ざったいいドラマだった。暁凛(MEGUMI)とこことら3人のシーンで「アラフォーなのに少年感出してくるじゃない?」と虎松をディスっているシーン、わりと田中圭本人のことのようで笑った。そしてなんだかんだ、町田啓太が裏主人公というか、いろんな演技が見られて圧巻だった。

「unknown」の吸血鬼という設定は突飛ではあるが、もっとちょっとした違いは実際の私たちと周りの人たちの間にありうることだ。自分と人とは”違う”ことを前提に、認めたり受け入れあえる社会を作っていく、そんな気持ちをあらためて感じさせてくれた。このスタッフが世に出す次回作もすでに楽しみになってしまう自分がいる。



※この記事は「unknown」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)テレビ朝日

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