<どうする家康・秀吉天下人編 >29話~39話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第39話ストーリー&レビュー
第39話のストーリー
▶︎「どうする家康」の画像をすべて見る茶々(北川景子)に拾(後の秀頼)が生まれた。家康(松本潤)の説得により、明との和睦を決めた秀吉(ムロツヨシ)。しかし、石田三成(中村七之助)たちが結んだ和議が嘘とわかると、朝鮮へ兵を差し向けると宣言、秀吉の暴走が再び始まった。都が重い空気に包まれる中、家康は息子の秀忠(森崎ウィン)を連れて、京に隠居していた忠次(大森南朋)を訪ねた。忠次から最後の願いを託され 悩む家康に、秀吉が倒れたとの知らせが届く。
第39話のレビュー
最期は、その人の人生を映すものなのだろうか。
喰えない男・秀吉(ムロツヨシ)の最期が迫っている。
茶々(北川景子)に息子が生まれ、イキイキとし始めた秀吉だったが、心は元気だったとしても、身体はついていかない。倒れ、そのまま床に臥す。
秀吉が死ぬとなると、今後への影響は大。秀吉がいなくなったあとに、どうするのか。三成(中村七之助)は天下人を立てるのではなく合議制を提案。家康(松本潤)も賛成する。
え、みなさん去年の大河ドラマ観てない……? 「鎌倉殿の13人」って話があってね……と囁きたくなる。でも、家康は「吾妻鏡」を読んでいるはずだ。
もしかして、合議制がうまくいかないのは見越していたのでは? と思ったり。
正直、家康は天下人になりたいわけではないだろう。しかし、戦がない世は作りたい。彼は戦は嫌いだ。
秀吉が天下人になったとて、平和は続かなかった。
家康の忠臣である忠次(大森南朋)もいう。
「戦が嫌いな殿だからこそ。嫌われなされ。天下を取りなされ」
信長にも、秀吉にもできなかったことが家康にはできるはず。そう言って忠次はこの世を去った。
物語の冒頭から視聴者の目を楽しませてくれた「えびすくい」を、徳川秀忠(森崎ウィン)にしっかりと伝授してから。
殺伐とした空気が強まっていく中で、朗らかに笑う秀忠が今後、どのような影響を与えていくのかも気になるところだ。
そして、今回の物語の大きな山場となったのは秀吉の死だ。
家康と面会した秀吉は言う。
「(秀頼に)ひでえことだけしねぇでやってくれ」
秀吉の望みはこれだけ。
「天下なんぞどうでもええ」「天下はどうせおめえにとられるんだろう」「あとはおめぇがどうにかせえ」と、天下のことを完全に放り出す発言。
秀吉はただただ、天下を獲りたかっただけなのか。
豊臣は自分一代で終わると言い切った。
もう、家康に何か偽ることもないのだろう。秀吉は淡々と話す。
「おめえさんが好きだったにゃあ。
信長さまはご自身のあとを引き継ぐのはおめえさんだったと、そう思ってたと思われるわ。悔しいがな」
なんだかもう、天下を獲るとはなんなのか。何のために戦をしていたのか、分からなくなってくる。
そんな秀吉の最期はわびしいものだった。
血に溺れ、苦しそうにしている秀吉を冷たい目で見つめる茶々。
秀吉に向かって、茶々が秀頼について「あなたの子だとお思い?」と問いかける。
予告でも気になっていたシーンだが、このあとはこう続く。
「この私の子」「天下は渡さぬ」
なんというか、織田家の血を引く人だな、と思わせられる。
それでも、秀吉がこと切れたことに気がつくと、ハッとしたように抱きしめ、涙をこぼす。人間は矛盾があるものだし、それがあるからこそ憎めない。
それは茶々だけではなく、秀吉も。
逆に家康のような人のほうが怖いのかもしれない。
盛者必衰。
いよいよ、家康の天下が見えてきた。
※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「どうする家康」をU-NEXTで見る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK