<どうする家康・秀吉天下人編 >29話~39話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第33話ストーリー&レビュー
第33話のストーリー
▶︎「どうする家康」画像をすべて見る家康(松本潤)は小牧長久手で秀吉(ムロツヨシ)に大勝。しかし秀吉は織田信雄(浜野謙太)を抱き込んで和議を迫り、さらに人質を求めてくる。その上、秀吉が関白に叙せられたという知らせが浜松に届き、家康は名代として数正(松重豊)を大坂城へ送る。そこで数正は、改めて秀吉の恐ろしさを痛感。徳川を苦しめる真田昌幸(佐藤浩市)の裏にも秀吉の影を感じた数正は、決死の進言をするが、家康の秀吉に対する憎しみは深く――。
第33話のレビュー
家康が、勝てない。小牧・長久手の戦いで勝利した家康(松本潤)。
そのまま勢いづくかと思ったが、秀吉(ムロツヨシ)は家康側の総大将・織田信雄(浜野謙太)のまわりを攻めて行く。もともとどっしりと構えていられなかった信雄。秀吉に取り込まれてしまう。
総大将がいなくなったら、家康たちに戦う大義名分がないのだ。
さらに、その後、秀吉は関白に任命される。信長を越え、天下統一に大手をかけたことになる。
そんな秀吉が気にかけるのは家康だ。家康を取り込みたい秀吉はあの手この手で攻める。
家康側は交渉に石川数正(松重豊)があたるが、なかなか有利な状況にはならない。
でも、当然なのかもしれない。今、秀吉が圧倒的に強い立場なのだから。
それでも、秀吉が家康にこだわるのは、目の上のたんこぶだからだろう。
思い通りにできないのなら、今後必ず邪魔になる。だから、今のうちにどうにかしておきたい。
当然、どうにかされたくない家康。そして間に挟まれた数正。
数正は家康に不利なことをしたいわけではない。
しかし、秀吉のもとを訪れ、秀吉の強大な力を目にしてしまった以上、戦をして「勝てる」とは言えない。
ならば、秀吉に従い、機を伺うべきでは?
が、秀吉の今の力を知らない者たちは、数正が秀吉に調略されたのでは? と疑う。
イチ視聴者としては、もはや世間知らずが実力を見誤りやんややんやと言っているように見えてしまうのが切ない。前回は彼らの若さが頼もしかったけれど、今は心許ない。
それでも、家康の説得を受けて数正は表情を変える。
数正は家康と共にあり、自分の夢は家康を天下人にすることだ、と宣言する。
まるで、改めて自分のやるべきことを確認したかのように。
その矢先、数正は家族、臣下ともども出奔する。
わが身かわいさ、と見えるかもしれない。が、ここまで見てきた数正は決して器用なタイプではない。だとしたらこの出奔も考えがあるはず。
そもそも、秀吉が数正を調略しようとしているのは、数正が家康の右腕だから。能力があるから、欲しいわけではない。
自分の家臣になったとて、長年仕えてきた主を裏切るような人物を重用するだろうか。決して、この出奔は数正が得するとは限らない。
すっきりと勝てたのは本当に前回だけで、家康の前途が多難であることは変わりがない。
これから、家康の前に立ちはだかる真田家の面々も登場した。
真田昌幸(佐藤浩市)は食えなさそうだし、溌剌とした真田信繁(日向亘)は「日本一の兵」としての片鱗もワンシーンながら感じる。
しかし、少し思ってしまう。
戦がない世が作られるならば、それは家康でなくてもいいのではないか、と。
家康は「国」がなくなることを恐れている。
が、国がなくなることこそが安寧の世につながるのだ……と聞くとなんとも複雑な心持ちになる。
※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。
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(C)NHK