<どうする家康・秀吉天下人編 >29話~39話までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第35話ストーリー&レビュー
第35話のストーリー
▶︎「どうする家康」画像をすべて見る秀吉(ムロツヨシ)は母・仲(高畑淳子)を、家康(松本潤)の上洛と引き換えに人質として岡崎へ送る。秀吉は家康を歓待する中、妻の寧々(和久井映見)や弟の秀長(佐藤隆太)を紹介し、諸大名の前で一芝居打ってくれと頼みこむ。大坂を発つ前夜、秀吉から北条・真田の手綱を握る役目を任された家康は、一人の男と出会い興味を持つ。それは豊臣一の切れ者と名高い石田三成(中村七之助)だった。
第35話のレビュー
刀を振り回さずとも、銃を撃たなくても戦はありまして。ついに上洛した家康(松本潤)。
まずは秀長(佐藤隆太)が家康らを出迎えたが、秀吉(ムロツヨシ)も予定を変更して迎える。
家康の上洛を涙して喜ぶが家康は「もうそういうのはいいから」とぴしゃり。
秀吉の猿芝居はもうお見通しである。
宴会が始まり、家康の家臣たちを妻の寧々(和久井映見)に紹介して回る。
家康の家臣の名前と特長を全て把握している秀吉、怖すぎないか。
今回少しばかり秀吉の本性が見えたように思う。
人を油断させるのは秀吉の得意とするところ。それは寧々も秀長もいるからこそ成り立つ。
狸寝入りしている秀吉のそばで寧々たちは家康に語り掛ける。
「人は自分より下だと思う相手と対するとき本性が現れる」
秀長の言った言葉で、これまでの秀吉の行動に全て説明がつく。
長い時間をかけて、秀吉は自分の周りの人間たちを見てきた。馬鹿なフリして、本性をあぶりだす。
そして寧々が続ける。
「信用できると思えたのは今までにふたりだけ。信長様と徳川殿。どちらも裏表がない」
裏表がないというか、ふたりとも人に対して態度を変えないということか。ふたりとも「裏で考えていること」はある。
それを自分が狸寝入りをしているうちに妻と弟に言わせる秀吉。ある意味、秀吉も裏表がない。身内以外には本性を見せないのだから。
さすがに、家康もそんな秀吉の考えていることぐらいわかるだろう(わかっているよな……?)。
一方、人質として徳川のもとに送られた大政所(高畑淳子)はお気に入りの井伊直政(板垣李光人)にぼやく。
「ありゃあ何者じゃ? わしゃ何を産んだんじゃ? とんでもねえ化け物を産んでまったみたいでおっかねぇ……」
秀吉の不気味さがこの回だけで十分に伝わってくる。
そして、秀吉が戦をやめる気がないことも節々から伝わってくる。また下卑た笑いを浮かべたのは茶々の話題が出たときだ。「もうすぐ……」と言いかけた秀吉を秀長がたしなめる。きっと、秀吉がいまいるのは秀長と寧々がいるからだろう。そんなふたりが秀吉についていっているということも、秀吉の人徳なのかもしれないけれど。
秀吉以外にも家康の頭を悩ませる人物はいる。
食えないのが真田昌幸(佐藤浩市)。
家康との対峙のシーンから伝わるのは一筋縄ではいかないということ。もし、家康や信長が裏表がある人物だとしたら、昌幸は裏表を使い分ける人物だろう。
が、そんな昌幸を見ていると大河ドラマ「真田丸」を観返したくなる……。
そして、やがて家康と対立することになる石田三成(中村七之助)がついに登場。
星を見て家康と語り合う三成は朗らかでロマンチストだ。これまでの石田三成像とはまた一線を画しそうだ。
後半に向けて、新たな人物も続々と登場するし、戦国時代のラストの山場に向けてどのように描いていくのか期待が高まる。
※この記事は「どうする家康」の各話を1つにまとめたものです。
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