『あゝ、荒野』 菅田将暉の濡れ場に興奮し、魂を削り取るような拳闘に圧倒されろ!
まとめ:前篇だけでも気軽に観てほしい!
©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
『あゝ、荒野』 は、前後篇を合わせると上映時間が5時間以上に及ぶという大作なので、「退屈しちゃわないかな?」「面倒だな」などと、二の足を踏んでしまう方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、そんな心配はまったくしなくてよいです!
実際に映画を観ると、どのキャラクターも愛おしくなり、劇的なクライマックスへの伏線も盛りだくさんで、1つとして無駄なシーンはなく、それどころかもっと彼らのことを観たかった、この映画が終わってほしくない、もっと観たかった、という寂寥感でいっぱいになったのですから。
それでいて、『前篇』だけでも物語はキリの良いところでまとまっています。『後篇』の序盤では、わかりやすく、かつ不自然ではない描写で『前篇』のフォローも入っているので、少し間を置いて『後篇』を観たとしても、まったく問題なく楽しむことができるでしょう。実写映画版の『ちはやふる』がそうだったように、前後篇として理想的な構成になっていました。
さらに、前述した通り“意外と笑える”シーンも満載で、どこか親しみやすさもあるのですから、実は極めて間口の広い作品と言っても良いのです。菅田将暉が舞台挨拶で「ミニオンだと思って構えずに観てほしい」と訴えていたことも、それが理由の1つなのではないでしょうか。
エンタメ性が高く、誰でも楽しめる人間ドラマが展開し、R15+指定ならではの濡れ場に興奮し、ボクシングシーンに圧倒され、さらには哲学的な思考を促す奥深さもある、というのが、この『あゝ、荒野』という傑作なのです。映画ファンはもちろん、普段あまり映画を観ないという方も、映画館でこの魅力に浸って欲しいです。
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