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2021年04月11日

NHK大河ドラマ「青天を衝け」徹底解説!【※ネタバレあり・第8話まで進行中!】

NHK大河ドラマ「青天を衝け」徹底解説!【※ネタバレあり・第8話まで進行中!】


第7話のあらすじ&解説

第7話のあらすじ

老中・阿部(大谷亮平)が亡くなり、幕府は大混乱。そんな中、慶喜(草彅 剛)を次期将軍に推す声が日ごとに高まり……。

一方、血洗島では、長七郎(満島真之介)が真田(板橋駿谷)に勧められ、武者修行のため江戸へ行くことに。

栄一(吉沢 亮)は、依然、千代(橋本 愛)とぎくしゃくした関係のままであったが、喜作(高良健吾)が千代を嫁にもらいたいと言い出し動揺する。

惇忠(田辺誠一)と藍売りに出かけた栄一は、漢詩を詠みながら山道を歩く中で自分の真の思いに気づき、そびえたつ山頂で……青天を衝く!

第7話の解説

ほぼ同じ内容を動画でも展開しております。図解を用いているので合わせてお楽しみください。

 

■歴史的背景
1854年に「日米和親条約」が締結されたものの、まだ日本とアメリカは通商を行っていませんでした。そんな中で1855年に安政江戸地震が発生し、復興に際してアメリカとの通商も有効に働くのではないかという論が出始めました。

結果的には第8話で描かれる日米通商航海条約で通商が開始されるのですが、それまでの幕府内の内幕を第7話では示していました。

何よりも1857年10月に、幕府内の政の全てを束ねていたと言っても過言ではない阿部正弘が突然死。この後に開国・通商推進派の堀田正睦が実験を握ったためそちら側に一気に舵が切られ始めました。

それに最も強く抵抗したのは徳川斉昭。一貫して尊王=天皇を敬い、日本は日本のみで独自の未来を築いていくと説く斉昭ですがその力は弱体化。影響力を与えることはできなくなっています。

このように幕府内はアメリカとの通商を巡って対立が続いていますが、もう一つの対立事がありました。将軍・徳川家定の後継問題です。

以下のように対立をしていました。

-徳川慶福 後継派(南紀派)
→堀田正睦、井伊直虎ら

-徳川慶喜 後継派(一橋派)
→徳川斉昭、松平慶永、橋本左内、平岡円四郎、(阿部正弘)

堀田正睦が現在実権を握っており、第8話では井伊直虎が実権を握ります。阿部正弘は亡くなっているため完全に南紀派有利の方向へと物事は突き進み、第8話においては安政の大獄が描かれることになります。


■その頃(その後)慶喜は?
今回の徳川慶喜も相変わらず次期将軍には乗り気ではありません。しかしそれは建前上。慶喜は周囲を冷静に見ることができるため、自らが意欲を示さないことが得策と考えているのです。

第7話においてはその内なる野心を正室(本妻)の美賀君が見破っていました。第6話においてこそヒステリックさもあった美賀君ですが、落ち着きを取り戻り今後慶喜の良き相談相手となっていきます。

慶喜の小姓(付き人)である平岡円四郎は、徳川慶喜を将軍に推すために「慶喜公御言行私記」(よしのぶこう ごげんこう しき)を執筆。それをより良い形へと今でいう編集を橋本左内が行い、「橋公御行状略記」(きょうこう ごぎょうじょう りゃっき)に進化。それを幕府内で配り、次期将軍に慶喜をという風を吹かせようとします。

これは決して無駄な行いではありませんでしたが、第8話では南紀派有利で安政の大獄が起きるため、簡単に成し遂げられはしない一件だったわけです。

■今回は栄一は「青天を衝け」のタイトルを描く

今回の栄一は、第6話に引き続き千代を巡る喜作とのあれこれが描かれました。喜作が千代を娶りたいという話はじわじわと進んできており、栄一は焦り始めます。

終いには、千代の兄である長七郎から「千代は栄一と結婚すると思っていた」と手紙をもらう始末。しかし、その手紙によって栄一は改めて葛藤し、藍の商売で山を登っている最中に詩を書き記します。

それによって思考が整理され、山の頂きで「私は青天を衝く勢いで、白雲を突き抜けるほどの勢いで進む」と拳を天に突き上げます。一大決心をした栄一は、血洗島に戻るやすぐに千代の元へ走りより、今で言うプロポーズをするのでした。

とは言ってもまだ決着はついていません。栄一VS喜作による、千代を巡る戦いは第8話にて描かれます。

そんな栄一の物語が進む中、江戸に出た長七郎は尊皇攘夷思想を持つものが集う「思誠塾」へ。そこで「思誠塾」を開いた大橋訥庵と出会います。この大橋訥庵と長七郎との出会いは、栄一の尊皇攘夷を巡る動きに大いに影響を及ぼしていくのでした。

■二人の対比について
今回の渋沢栄一と徳川慶喜の対比は、「進む」がキーワードでした。

青天を衝き、ひたすらに突き進み始めた栄一。一方で、野心を内に秘めなかなか突き進むことができない徳川慶喜。

いずれ交わり、物語は一つへ集約されていくはずですが、そこへ至るまでのこの対比演出の積み重ねはやはり「青天を衝け」の大いなる見どころの一つと言えるでしょう。

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