NHK大河ドラマ「青天を衝け」徹底解説!【※ネタバレあり・第8話まで進行中!】
第2話のあらすじ&解説
第2話のあらすじ
父・市郎右衛門(小林 薫)から藍の商いを、いとこ・新五郎(田辺誠一)から読書を習い始めた栄一(子役・小林優仁)。でも一番の楽しみは、村祭りで獅子舞を舞うことだ。しかし、大人の事情で祭りは中止に。がっかりした栄一だが、ある計画を思いつく。一方、一橋家の養子に入った七郎麻呂(子役・笠松基生)は、慶喜と名を改め、将軍・家慶(吉 幾三)から実子のようにかわいがられていた。隠居の身の斉昭(竹中直人)は、息子を頼みの綱に政界に返り咲こうとする。そんな中、ペリー(モーリー・ロバートソン)が日本にやってくることになり…。
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第2話の解説
ほぼ同じ内容を動画でも展開しております。図解を用いているので合わせてお楽しみください。■今回描かれたのは1848年〜
今回の「青天を衝け」で描かれたのは1848年。時は第12代将軍 徳川家慶の時代。対外的には鎖国して200年以上が経過していました。鎖国の最中も、オランダや清などとの交流はし、琉球、アイヌ、朝鮮とも限定的ではあるものの交易をしていました。
当初は世界最強クラスだったオランダは衰退し、オランダ経由で入ってくる海外情報には難がありました。それ故に台頭してきた、イギリスやロシア、そしてアメリカなどの列強諸国の情報を正しく把握できていなかったと言われています。
また、200年も鎖国をしているので、「鎖国=当たり前」という国民も多い時代でした。
■徳川慶喜は当時11歳
第1話でも登場したもう一人の主人公と言っても過言ではない徳川慶喜。一橋家へ養子として入り、将軍を始めとして良くしてもらっています。しかし、退屈な日々と思っている節があります。将軍の勧めもあって、能を始めるも元の住まいである水戸藩が懐かしいと思ってもいます。
■渋沢栄一は当時9歳
一方で主人公である渋沢栄一は9歳に。少しずつ父親の仕事(藍に関する諸々)を学ぶようになっていました。何でも口に出してしまう子供っぽさがありますが、一方で論語を覚えるなど天才の片鱗も垣間見られます。「みんなが嬉しいのが一番」を心がけています。代官の無茶振りに憤るも、この「みんなが嬉しい」をサプライズの獅子舞で体現したのがこの第2話のダイジェストと言えるでしょう。
■渋沢栄一と徳川慶喜の対比を「踊り」で表現
今回演出で光ったのが渋沢栄一と徳川慶喜の対比を踊りで示したことです。
渋沢栄一は獅子舞を自発的に踊りました。そこにはみんなを喜ばせたい」という気持ちが強く感じられます。獅子(仮面)の下で笑顔を見せ、自らを解放するような表現です。
一方の徳川慶喜は大人になってから能を踊りました。時の将軍 徳川家慶のすすめで始めた能で、踊りも「みんなが見ているから」という受動的であります。能面を取った素顔には笑顔はなく、自らを抑制しているかのような表現です。
この対比が非常に明快でわかりやすく、第3話以降も「渋沢栄一と徳川慶喜」という対比が複数回描かれることでしょう。その積み重ねにより第14話と予想される二人の出会いは非常にドラマティックに映るでしょう。
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