<イタイケに恋して>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
→「イタイケに恋して」画像ギャラリー放送週に追記します。
第10話のレビュー
佐知(石井杏奈)による突然の解散宣言から、六郎(升毅)が新しい依頼者となる急展開。2年前、六郎の前に現れた佐知は失恋によりボロボロの状態だった。その後SNSで“ブル美”という別人格を作り上げ発信をすることで、なんとか精神を保ってきたらしい。現代っぽいというか、なんというか。誰も傷つけていないからいいものの、闇深さを感じてしまう。
そんな佐知が失踪してしまったことを心配する六郎からの依頼は、佐知を探すこと。
(「人間宣言」はスルーします…)
研究所を探してみると、論文に挟まって佐知の常軌を逸したメモが発見され、慌てる影山(渡辺大知)、将希(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)。「まだそう遠くは行っていないはず」という六郎の言葉により、3人は周辺を捜索することに。これまでのエンディングの映像が、ここにきて繋がった。ちょっと鮮やかな回収だった。
考えてみれば、たしかに今回の佐知の恋愛はしんどいと思う。仲間だと思っていた人の別の顔が、実は兼ねてから憧れていた人で、でもその人には好きな人がいて。行動を起こす以前に、気持ち全部をへし折られそうだ。
一方で、研究所で雇われた3人は少しだけ前に進んでいるようともいえる。影山は結花(石川恋)への気持ちを自認し、将希は佐知に恋をするも秒で告白はせず、マリックは結花にナナちゃんを重ねて思いを募らせていた。それもこれも、佐知が提供した研究所での経験があってこそのはずだが、佐知自身はまだ2年前と同じ場所にいるようだ。
案外あっさり見つかった佐知。影山らは悩みを聞き出そうとするが、簡単に口を割りそうもない。
そこで、白々しいサイコロトークを開催したり、AIの七ちゃんを登場させたりして、佐知が話したくなる雰囲気を作ろうとする。しかし、端から見ていても話したいという気持ちが1mmも湧いてこない…。
仕方なく、3人と六郎はお別れ会を開催することに。
落語やモノマネなど、にぎやかな時間が続く。こんなどんちゃん騒ぎ、もうどのくらいやってないだろうと遠い目になりつつも、楽しそうな面々を見てこちらまで明るい気持ちになった。
そして、突如はじまる告白タイム。
マリックは結花に思いを告げるも、「もっとぴったりな人がいる」と潔く身を引いた。
将希は緊張の面持ちで、告白通り越してプロポーズをぶっかますが玉砕。
佐知がみんなへの感謝の気持ちを語っていると、影山がコルクの姿で登場、熱唱しはじめる。もはや涙を流すのでは?というくらい真剣に、食い入るように見つめる佐知。思いの真剣さが伝わってくる。そうか、これだけ全力で1つ1つの恋に向き合っていたら、終わるたびに壊れてしまうのも仕方ないのかな。
そして影山は「今はまだ戻れない。音楽と向き合いたい」と結花に伝えた。
それぞれが出した答えは、どれも納得がいくものだった。
ただ、佐知だけはまだ影山に思いを伝えていない。すると「影っちには何も言わなくていいの?」と将希。佐知が影山を好きだということを見抜いていたらしい。思わず、出たよ…と呟いてしまった。将希という人はこういうところがズルいのだ。意外と誰よりも周りを見ているし、我が強いようでみんなの幸せを考えることができてしまう。さらには「さっちゃんが大事な仲間だから言ってんだよ!」「思いっきりブチ当たって、またぶっ壊れりゃいいじゃん。粉々になっても俺たちが絶対、絶対受け止めてやっから…」なんて。最高か!
ところが、感動も束の間、結花を送りに出ていたはずの影山に一部始終を聞かれていた。
やっちまったな、将希…。だが、そのおかげで佐知は影山に思いを伝えることができた。フラれはしたが、結果オーライだろう。一瞬壊れたかに見えたが、将希をビンタした後と、ブル美復活で見せた佐知の笑顔がとても素敵だった。仲間っていいな。この経験で、佐知も少し成長できたはず。
そして、翌日。大きな荷物を抱える一同に、改めて終わりを実感させられる。ドラマは最終回だったとしても、研究所はそこにあってほしかった。解散は寂しい…。
そんな感傷的な気分に浸っていたが、扉の外にたくさんの依頼者が来ていると佐知。
ブル美が凍結解禁で大量のつぶやきをした時、「おかしくなっちゃった人、どんどん相談して下さい」と投下していたからだろう。粋な演出だ。
そんなわけで、存続が決まった恋愛サイエンス総合研究所。最後にはゲストとして安達祐実が登場するサプライズも。彼女の相談は果たしてどんな内容だったのだろうか。
「イタイケに恋して」、なんだか妙にクセになる作品だった。番組公式アカウントの「続きはまたいつか」という言葉を信じて、もうしばらく余韻に浸りたいと思う。
※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。
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(文:シネマズ編集部)
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