<孤独のグルメ>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第12話ストーリー&レビュー
第12話のストーリー
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仕事で伊勢佐木長者町にやってきた井之頭五郎(松重豊)。古い街並みを通り、商談相手の伊藤良介(飯尾和樹)が経営するお米屋さんにたどり着く。中に入ると、伊藤の妻の寛子(大浦理美恵)が出て来て、五郎は何故か怒られてしまう。実は、夫の釣り仲間が営業マンのフリをして、夫を釣りに連れ出そうとしに来ていると勘違いされていたのだ。なんとか誤解が解け、商談を始めるがお米屋さんで売っている【おむすび】が気になり商談に集中できない。なんとか商談を終え、お目当ての【にんにくおむすび】を買おうとするが、売り切れてしまっていた。すっかり空腹の五郎は店を探すために歩き出す。すると目の前に「パスタ&ピザ」さらに「ファミリーレストラン」の文字が。一度は迷ったが表のランチメニューに惹かれて中に入る…。
第12話のレビュー
毎週見ていたいドラマナンバーワン(自分比)、「孤独のグルメ Season9」が最終回を迎えた。“コロナ禍で苦しむ個人営業の飲食店へのエール”というテーマを打ち出していた今シーズンだが、最終回にもそれが鮮明に表れていた。
井之頭五郎(松重豊)が降り立ったのは、横浜の下町、伊勢佐木長者町。商談相手の伊藤(飯尾和樹)は大の釣り好きらしく、釣りの話題になると妻(大浦理美恵)に烈火のごとく怒られるのだが、懐中時計を買う趣味はセーフなのが不思議。釣りにかかるお金より懐中時計のほうが遥かに高そうなのに。店から離れなければいいってことなのかな?
腹をすかせた五郎さんが入ったのは「ファミリーレストラン トルーヴィル」。ここ数年、本格中華料理でもなければラーメン屋でもない、ざっくばらんでオムライスなんかも出す街の中華料理屋のことを「町中華」と呼んでブームになっているが、ここは五郎さん曰く「町洋食」。手作りのおいしいハンバーグやナポリタン、ポークジンジャー(生姜焼き)なんかを
もりもり食べさせてくれるお店だ。フォークやナイフではなく、箸を使って食べる。
五郎さんのオーダーはランチの「ハンバーグステーキチーズのせ」と「牛ヒレの生姜焼き」。ランチには和の「かきたま汁」がついてくるし、ライスにかけるごま塩も置いてある。箸でバクバク食べている五郎さんは、「子どもの頃、家族で行ったデパートの大食堂を思い出す」と物思いにふける。お母さん(市毛良枝)の優しさも嬉しい。
「たまたま見つけた店がこんな風に美味しいと幸せな気持ちになる。平凡な今日という日に鮮やかな色彩が加わっていく」
「なんてことない店の風景が、今の俺にはかけがえのない大切なものに見える」
時代とともに失われつつある街洋食に、突如として新型コロナウイルスが襲いかかってきた。こんな店の風景をいつまでも見ていたい。そう思ったのかどうかわからないが、五郎さんは敢然と追加オーダー「ナポリタン」と「チキンのシャリアピン」をキメる。ナポリタンも途中から箸で食べちゃうのが町洋食の醍醐味だ。
「ファミリーレストラン。その言葉には、お店の家族と客の家族の深いあたたかみが込められていたんだな」
店のお母さんと客の夫婦の交流を見て、そんなことを思う五郎さん。そういえば、筆者の通う町洋食(チーズハンバーグが名物でちゃんとワサビふりかけもテーブルにある)のお母さんも、毎回ウチの子どもに声をかけてくれてるな。なんだか優しいんだよなぁ。
「ゆったり、ゆったり心を穏やかに。こういう時間、大事にしなきゃ。今は、特に」
店のお母さんも優しければ、五郎さんも優しい。最後に登場する原作者の久住昌之さんの言葉も優しい。いろいろ心がすさむ時期ではあるけど、せめてランチタイムぐらいはこういう時間を過ごしたいもの。やっぱり「孤独のグルメ」は毎週見たいドラマだ。
※この記事は「孤独のグルメ」の各話を1つにまとめたものです。
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(文:シネマズ編集部)
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