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2021年09月30日

マーベル「ホワット・イフ…?」全9話感想 | 新たなアベンジャーズが切り拓いたマルチバースの夜明け

マーベル「ホワット・イフ…?」全9話感想 | 新たなアベンジャーズが切り拓いたマルチバースの夜明け


第3話 もしも…世界が最強のヒーローたちを失ったら?

あらすじ


地球の平和を守るため、秘密諜報機関・シールドの長官・ニック・フューリーは、ヒーローチーム・アベンジャーズの結成に乗り出した。しかし、そんな矢先、ヒーローたちが次々に死亡。一体、彼らの周りで何が起こっているのか……?


感想



本流の実写シリーズでは確実に不可能なヒーロー殺害事件という題材を選んだことで、外伝的ドラマの強みを明確にした第3回。

『インクレディブル・ハルク』(シリーズ2作目)、『アイアンマン2』(シリーズ3作目)、『マイティ・ソー』(シリーズ4作目)と、MCUの初期作を跨ぐエピソードを下敷きにしたエピソードゆえ、懐かしい展開を振り返りつつ、イメージが裏切られていくブラックな展開の爽快感がありました。

また、シリーズ初期作を中心とした話運びにより、謎解きとしてのミスリードも生まれ、単体のミステリー作品としても面白いエピソードとなっていました。

※以下、本編のネタバレがありますのでお気をつけください。

元ネタ



本作の元ネタとなったのは、『アベンジャーズ』の前日譚を描いたMCUによる公式コミック『アベンジャーズ:プレリュード』。

こちらの作品は、秘密諜報機関・シールドの長官・ニック・フューリーを主人公に、彼とその部下が経験する激動の7日間を描いたシリーズのスピンオフエピソードとなっていました。

このコミックでは『アイアンマン2』、『インクレディブル・ハルク』、『マイティ・ソー』といった作品群の裏側が描かれ、それぞれの補足となるエピソードを展開しながら、『アベンジャーズ』へと繋がる物語が描かれます。

今回の第3話では、この物語を下敷きに次々とヒーローが殺害されていくミステリー調の物語を展開。
シリーズに思い入れが強ければ強いほど、全く予想が出来ない衝撃的なストーリーに翻弄され、外伝だからこそ描くことの出来るビターなラストには、今回のアニメシリーズならではの可能性を感じました。

小ネタ・トリビア



今回のエピソードでは、元ネタとなった3作品(『アイアンマン2』、『インクレディブル・ハルク』、『マイティ・ソー』)の登場人物に加え、劇中の構図を再現した場面が多数登場し、その展開を裏切る形で初代アベンジャーズたちが死亡していきます。

また、ゲストキャラクターとしては、ブロック・ラムロウ(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』)や初代アントマンことハンク・ピムも登場。

『マイティ・ソー』の"イザベラズ・ダイナー"や、『インクレディブル・ハルク』の"スタンリーズ・ピザ・パーラー"など、マニアックな店名に至るまで、映画版の設定を踏襲しており、それらのディティールのこだわりにも注目していただきたいです!



ちなみに、作品後半では、シールドの諜報員・コールソンが長官・フューリーと夜のダイナーで相談するシーンがあり、これはスピンオフ短編シリーズ"マーベル・ワンショット"の一編『相談役』でのコールソンと同僚・シットウィルの会話シーンを再現していると言えるでしょう。

前2回と比べ、ヒーローが次々と死んでいくストーリー、これまでにないビターな結末と、「ホワット・イフ…?」の新たな方向性を提示してくれた今回のエピソード。

映画版では簡単に出来ないバッドエンドも実現可能という点で、今後の物語の可能性を大きく広げてくれた問題作でした。

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