マーベル「ホワット・イフ…?」全9話感想 | 新たなアベンジャーズが切り拓いたマルチバースの夜明け
第6話 もしも…キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?
あらすじ
謎のテロリスト集団の襲撃を受け、絶対絶命のピンチに追い込まれた兵器会社の金持ち社長・トニー・スターク。
そんな彼を救ったのは、のちにブラックパンサーの宿敵となる革命家・キルモンガーだった……⁉
謎に包まれた彼の正体に、社長秘書のペッパー・ポッツは疑念を抱き始めるが……。
— ディズニープラス公式 (@DisneyPlusJP) September 15, 2021
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⠀『ホワット・イフ…?』
⚡第6話配信スタート⚡
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もしもあの時、#キルモンガー が、
トニー・スタークを助けていたとしたら…?
そんな“ありえたかもしれない”物語を今すぐ #ディズニープラス で観よう!#ホワットイフ #マーベルスタジオ pic.twitter.com/VxNyW5eoyY
感想
エピソードも後半に差し掛かった本作で描かれたのは、シリーズ初期からの看板ヒーロー・アイアンマンことトニー・スタークと、『ブラックパンサー』で屈指の人気を誇った伝説的ヴィラン(悪役)・キルモンガーとの夢の競演でした。
両キャラクターの出番は映画シリーズでは一旦の一区切りを終えており、新旧マーベルを代表する意外な二人が共演できたのは、このシリーズならではといえるでしょう。
父親との確執を持ち、好戦的な性格でもある二人(映画版のトニーはのちに考えを改めますが……)の共通点を提示しながらも、その違いをストーリーの転換点に持っていく脚本は秀逸。
また、映画版では実現しなかったキルモンガー主役のスピンオフとしても魅力的なため、「ロキ」に続いてMCUでは珍しい“悪役が主人公”のエピソードとなりました。
※以下、本編のネタバレがありますのでお気をつけください。
元ネタ
今回の元ネタはMCU第1作『アイアンマン』と第18作『ブラックパンサー』でした。
特に冒頭の場面は、そっくりそのまま『アイアンマン』アニメ版リメイクと言える内容で、その再現度には驚かされますが、キルモンガーの登場からは物語が大きく改変されていきます。
トニー・スタークの命を救ったことでアイアンマンの誕生は幻と消え、トニーのメカニックな才能や金銭的な権力は、キルモンガーに利用されてしまいます……。
ほんの些細な人助けから自分好みの世界へと作り変えようとする彼の様子は、まさに名悪役。
彼の暗躍の結果、引き起こされる様々な悲劇に放心してしまうエピソードでした!
小ネタ・トリビア
今回のエピソードの小ネタとしては、「機動戦士ガンダム」と「ロス大佐」、「ユリシーズ・クロウ」が挙げられます。
本エピソードの序盤では、キルモンガーがトニーにメカの開発を依頼し、その設計図を見たトニーが「ガンプラ」(『機動戦士ガンダム』のプラモデル)を踏まえた皮肉を発します。
MCUの物語では基本的に実在の人物やキャラクターが存在しており、過去にも『スターウォーズ』、サーティワンアイスクリーム、『ドラゴンボール』などといった固有名詞が登場してきましたが、本作では、ついに『機動戦士ガンダム』の存在が明らかに……。
だからといって、シリーズに大きな影響があるというわけでもないですが、日本のアニメファンには、少し嬉しいジョークになっていました(ちなみに、キルモンガーのスーツは、ベジータのスーツにそっくりであることがファンの間で話題になっており、今回のセリフを踏まえると、ひょっとして、彼はかなりの日本アニメ好きなのかも?)。
また、今回のエピソードでは第3話に引き続き、「ロス大佐」が再登場します。
映画版MCUでは『インクレディブル・ハルク』に始まり、全5作品に出演した彼ですが、これまでと同様に、あくまでヒーロー側というよりは軍隊側と言えるポジションのため、何ともグレーなキャラクター。
今回もトニーの味方というよりは、自分好みの兵器を手に入れたキルモンガーの様子を祝福するような立ち位置で登場していました。
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今回のアニメシリーズで初登場となったのが「ユリシーズ・クロウ」。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に初めて登場した際には、武器商人として、貨物船に物品を残していた彼ですが、その点は本作でも共通していました。
『アイアンマン』と『ブラックパンサー』というMCUの中でも、かなり、幅広い観客層に認められた代表作をフィーチャーした今回のエピソード。
シリーズ屈指の名悪役・キルモンガーが大活躍する展開のため、彼のファンは必見と言えるエピソードでした。
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