<ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
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唯織(窪田正孝)は、辻村(鈴木伸之)が杏(本田翼)を美術館デートに誘ったと知り、動揺していた。唯織の前にやってきた辻村は、杏に思いを伝えたことを明かすと、「僕の方が一歩リードです」と告げる。
同じ頃、軒下(浜野謙太)は、マッチングアプリで知り合った絶世の美女からデートの約束をすっぽかされて荒れていた。その日、軒下は、右足にギプスをはめた入院患者・荒井和真のレントゲン検査をする。その際、和真に付き添っていた幼なじみの宮本すみれ(堀田真由)が、軒下のIDを見て、声をかけてきた。軒下とのデートをすっぽかした絶世の美女とは、すみれだったのだ。
すみれは、和真がスケートボードの練習中に転倒してケガをしたと聞き、病院まで付き添ったせいでデートに行けなかったことを軒下にわびると、「早くお会いしたいと思っていた」と偶然の出会いを喜んだ。事情を知り、すっかりご機嫌になる軒下。すみれは、「埋め合わせがしたい」と言って軒下をデートに誘う。
そんな折、唯織は、すみれが和真と別の入院患者を見間違える場面に出くわす。するとそのとき、近くにいた外来患者の丸井耕吉(温水洋一)が激しくせき込んで倒れた。唯織たちは、ただちに丸井のレントゲン検査を行うが、喫煙歴50年という丸井の右下肺には腫瘤(しゅりゅう)影が見られ……。
第3話のレビュー
3話でフィーチャーされるのは、浜野謙太演じる軒下。マッチングアプリでパートナー探しに余念がない軒下は、今日も「デートの約束をすっぽかされた!」と荒れている。いつものように周囲からは軽くあしらわれてしまう彼だが、今回は運を味方につけたようだ。なんと、デートをすっぽかされてしまった相手の女性に、病院で再会できたのだ。五十嵐(窪田正孝)たちが勤める甘春総合病院へ、スケートボード中に怪我をしてしまったという男性・和真(萩原利久)が治療に来ていた。彼に付き添っていた幼馴染の女性・宮本すみれ(堀田真由)が、軒下がデートをするはずの相手だったのだ!
堀田真由といえば、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(2019/日テレ)や「恋はつづくよどこまでも」(2020/TBS)にも出演していた。今クールは「言霊荘」(テレビ朝日)にも出演するなど、人気上昇中の若手役者である。
堀田真由と萩原利久は、窪田正孝と朝ドラ「エール」(2020/NHK)で共演している。エール組の再会が実現した第3話となった。
すみれは「一度あらためてデートを」と軒下を誘う。小学生の教師をしているが、もうひとつ別の夢がある、と語るすみれ。「幸せな結婚をするのが夢なんです」。その言葉自体はとても誠実に聞こえたが、何か裏があるように思えてしまった。
軒下と話をした直後、手帳を取り出し何かを書きつけるすみれ。実は、すみれは「相貌失認」と呼ばれる病気だった。人の顔が識別できず、相手が笑っているか怒っているかもわからない。髪型やメガネやホクロの有無などの特徴を文字に残すことで、ようやく個人を認識しているのだ。
脳の検査をすれば、相貌失認が治るかもしれないとすみれに伝える五十嵐。しかし、すみれは気が進まない様子だ。いざ検査をして、治療法のしようがないと判明してしまうことが怖い、と。軒下も軒下で、自分がどんな顔をしているかハッキリすみれに知れてしまったら、嫌われてしまうかも……と及び腰。
軒下の態度を見て「すみれの病気のことよりも、自分がどう思われるかを優先しちゃうの?」と考えてしまったが、五十嵐をはじめ、ラジエーションハウスチームの後押しにより、軒下は考えを変える。「自分の症状と向き合うことで、改善する方法が見つかるかもしれない」とすみれを説得し、彼女は検査を受けることを決めた。
検査の結果、すみれの相貌失認の原因は、良性の脳腫瘍だったことがわかる。脳実質との境界が明快であることから、手術で摘出すれば完治する可能性があるとのこと。軒下や、すみれの幼馴染である和真もホッとしただろうが、視聴者も全員、胸を撫で下ろしたことだろう。
手術は無事に成功、すみれの相貌失認も完治した。
あらためて和真の顔を見、「なんか、いかつくなったね」と言いながら泣き出す、すみれ。堀田真由は泣きの演技が美しい。見ているこちら側の感情をも動かす泣き方をする。
五十嵐や軒下の顔も認識できるようになったすみれ。しかし、軒下は自分のことを「田中」と名乗り、そのまま連絡を取らずに終わらせる選択をしたようだ。
和真がすみれに想いを寄せていることを知ったからかもしれないけれど、「彼女を幸せにできるのは、俺じゃないってことだ」と潔く諦め、あらためてマッチングアプリで相手を探すことにした様子。なんとも、たくましい人だ。
それにしても、やはり五十嵐の”観察力”はすごい。どんな病気も、レッテルや先入観を介入させずに見つけ出す。プロの医師(技師)でも、レントゲンに映り込んだゴリラ形の影に気づかないことがあるという実験さえあるのだ。レッテルにとらわれず、まっさらな気持ちで、人や物事を見る自分で在りたいものだ。
※この記事は「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」の各話を1つにまとめたものです。
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