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2021年10月29日

<ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】



第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


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唯織(窪田正孝)のもとへ、杏(本田翼)の父親で、離島で診療所を開いている正一(佐戸井けん太)が突然訪ねてくる。唯織に1枚の画像を見せる正一。そこには、かなり進行しており、外科手術も不可能なすい臓がんが…。

同じ頃、悠木(矢野聖人)は、昼食の時間も惜しんでIVRの動画を見るなど、熱心に勉強を続けていた。そこにやってきた鏑木(浅野和之)は、悠木に対して一部の患者から苦情が寄せられていることを告げ、勤務態度を改めるよう指示。技師長不在のため、「技師長代理」を急遽任されたたまき(山口紗弥加)も悠木を注意するが、悠木は愛想をよくするより、時間通り正確な検査をする方が患者のためだ、と反発して…。

そんな中、心筋梗塞を起こし、路上で倒れていた男性・今井陽一(戸塚純貴)が緊急搬送されてくる。陽一は26歳という若さだったが、精巣ガンが全身に転移しており、抗がん剤治療も効果が見られなかったため、現在は痛みを和らげる緩和ケアに切り替えていた。心筋梗塞を起こしたのも、抗がん剤の影響で血管が詰まりやすくなっていたためと思われた。

一方、杏は、正一からすい臓がんであることを告げられる。だが正一は、積極的な治療を受けるつもりはないという。島に渡ったとき、最後まで白衣を脱がないと決めた、患者ではなく医師であり続けたい、という正一。杏はショックを受けながらも、別の病気である可能性を信じようとするが…。
 

第7話のレビュー



患者に愛想を振り撒くのは苦手、時短命でサプリ愛飲、同僚とランチをする時間があるなら技術を磨くために勉強する。ドライでロボットな技師・悠木(矢野聖人)のフィーチャー回である。

サプリばかり飲んでいたせいで結石が溜まってしまい、腰に激痛を覚える悠木。膵臓がんの検査で甘春病院へ来ていた、杏(本田翼)の父親・正一(佐戸井けん太)のおかげで事なきを得た。しかし、一時的に技師から患者の立場になったことで、悠木の世界は一変したようである。



26歳という若さで末期がんを患っている青年・今井陽一(戸塚純貴)が甘春病院へ入院。悠木と隣同士のベッドで、互いの状況を見知ることに。「余命いくばくもないから、生きてる間に行きたいラーメン屋行っとかないと」と話す今井に、何時間もラーメン屋に並ぶなんて……と懐疑的な悠木。

「じゃあ悠木さん、その節約した1時間、何に使ったの?」
「将来のための勉強に……」
「偉いねえ。でも、その将来が来なかったら?」

このシーンの悠木と今井のやりとり、グッときた。

生きている私たちには常に2種類の時間が突きつけられている。「今この瞬間」と「来るかもしれない将来」。

今井のように末期がん患者でもない限り、今日や明日にいきなり自分が死んでしまうことを想像するのは難しいだろう。だからこそ、何十年後も生きていることを想定して人生設計してしまうのが人間だ。

しかし、確実にその将来が来る保証はない。だからといって今すぐに刹那的な生き方ができるわけではないけれど、今井のように、少しは「今を生きている自分」のために過ごすことも視野に入れたい。



悠木が有給を取り、今井とラーメンを食べに行くラストシーン、とても良かった。時短命だった悠木が有給を取ることも、何時間も並んでラーメンを食べることも、彼のこれまでの人生でなかったことなのでは。

自分の人生を生きていくため、信念を決めるのも大切なこと。しかし、経験や人との交流によって、考え方を柔軟に変えていくことも生きる上での醍醐味だろう。時間と命、両方の大切さについて考えるきっかけとなった回だ。


※この記事は「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」の各話を1つにまとめたものです。

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(C)フジテレビ

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