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2021年11月04日

<恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】



第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

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ユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)の別れから1年―。ユキコは盲学校を卒業し、食品関係の会社で事務の仕事を始めていた。一方、再び無職になった森生は、鹿児島から地元に戻ってきていた。
そんなある日、仲間内の意外な2人が結婚することになり、結婚パーティーでユキコと森生が久しぶりに顔を合わせる機会が訪れる!

しかし、1年前ユキコが森生と別れた本当の理由が、緋山(小関裕太)と付き合うためではなく、森生の仕事を応援するためだったと知った森生は、無職の今、ユキコに合わせる顔がないと考えて……。森生は仲間たちに口裏合わせを頼み、ユキコの前では自分がいないことにしてもらうが……。

そんな中、パーティーでユキコの手作りケーキが振舞われる。その美味しさに喜ぶ一同の様子に、心の底から嬉しそうなユキコ。森生はその笑顔が忘れられず……。
翌日。森生は社会人になったユキコの姿を見ようと、出会いの場所でユキコを待ち伏せる。立派なビルに出勤するユキコの姿を尊敬の眼差しで遠くから見守る森生。声はかけないつもりが、バーガーショップの店長・茶尾(古川雄大)の空気を読まない行動でそばにいることがバレ、ユキコと正面から向き合うことに……!

ついに1年ぶりの再会を果たした2人。森生の何気ない一言が、封印していたユキコの“ある気持ち”に再び火をつける!?出会うはずのなかったヤンキー君と白杖ガール、2人の運命には、意外な結末が待っていた……!

第10話のレビュー



見たいような見たくないような…そんな迷える最終回がついに来てしまった。

黒川(杉野遥亮)の人生の邪魔をしないため、別れるという選択をしたユキコ(杉咲花)。

そこから時は経ち、1年後。ユキコは興味を持ってくれた食品関係の会社で事務の仕事をこなしていた。調理に関わる仕事は、やっぱりできていない。

一方の黒川はというと、勤めていたレンタルビデオ店が九州から撤退することが決まり、退職を余儀なくされていた。

自分の気持ちを押し殺してまで別れを決断してくれたユキコに、あわせる顔がない黒川。花男(戸塚純貴)とハチ子(生見愛瑠)の結婚式に参列するも、ユキコからこそこそ隠れていた。(ハチ子、花男にはさらさら興味なさそうだったのに急展開! それもまたよし。)

ユキコが見えないのをいいことに、みたいな隠れ方はやや複雑だったが、出勤するユキコをストーカーのように見守る黒川がたまらなくかわいかったのでチャラにしたい。

こそこそしていたくせに、結局茶尾(古川雄大)のいるバーガーショップで、ついにユキコに黒川の存在がバレてしまう。1年ぶりの再会を果たした2人、感情が爆発するかと思いきやそんなことはなく、思っていたよりも冷静だ。

そして、黒川はほんの感想のつもりだったのだろう。ユキコが、自分が作ったものや考えたものを「美味しい」と言われている時がやっぱり嬉しそうだったと伝える。「今も“美味しい”って言われるのが1番好きなんじゃないですか?」。その言葉に、にわかにゆらぐユキコの表情が印象的だった。

「やりたいこととできることは違う」「自立のためには働かなくちゃ」と言うユキコ。対する黒川は、「夢が見つかったらユキコさんに会いに行きます」と宣言する。それはつまり、夢が見つかるまでは会わないということ…?


しかし、ユキコはこの言葉に感化され、料理の専門学校のオープンキャンパスへ行くことに。まただ。また黒川の存在が、ユキコの人生を明るいほうへと導こうとしていた。

とはいえ、調理を学ぶのは弱視のユキコにとって前途多難。調理師の免許は取れても就職は難しいだろうと言われ、入学を諦めようとしていた。

そこへ、父・誠二(岸谷五朗)が問う。「自立したいんだよな? それって1人でできると思うか?」。「無理かもしれないけど頑張りたい」と答えたユキコを、それは無理だと一蹴する誠二。

「見えてても見えなくても、みんな多かれ少なかれ誰かに頼らなきゃ無理だ」
「誰かと一緒だと、できることが増えて、世界が広がる」

これは誰もが胸に持っておきたい言葉だ。1人で頑張る必要なんかない。人を頼ったっていいし、頼られることが誰かの支えになることもあるかもしれない。共存していくことの尊さを簡潔に表現していた。

調理学校で黒川が体験に来たらしいことを知ったユキコは、黒川と一緒に料理するところを想像する。それは素晴らしく幸せな想像だった。自立って、1人で生きることではない。頑張るなら、1人より2人、2人より3人…数がすべてではないけど、支え合える人たちこそ最強なのかもしれない。

黒川を呼び出したユキコは、黒川からキッチンカーを見せられる。黒川の夢は、キッチンカーで店をやること。そのために、ユキコに手伝ってほしいと言う。「俺がやりたいことって、ユキコさんと一緒にいることなんで」。ただストレートに思いを伝えた「恋です!」という手紙も素敵だったが、この言葉にもものすごい愛情が詰まっている。

そしてユキコもまた、黒川に夢を手伝ってほしいと言おうとしていた。離れていた1年があったからこそたどり着いた答え。「黒川と一緒にいたい」と言うユキコを前に涙を流し、信じられないくらい優しく、大きく包む黒川のハグがあたたかくて幸せだった。

ここまで様々な“普通”の形を示してくれた「恋です!」。そのほかの人たちも、新たな1歩を進んでいた。



まずは、獅子王(鈴木伸之)とイズミ(奈緒)。
お腹を壊した獅子王の家へ看病に行くイズミ。そこへ黒川がやってくる。獅子王は黒川に思いを伝え、さらにイズミが今の自分の大事な人だと宣言する。
突然の告白を受けて、照れながらも「ありがとう」と言った黒川が最高にいい男だった。獅子王が好きになったのが黒川で本当に本当によかった。そして、イズミが大事だと気付いた獅子王。2人の間にあるのが世間でいう“恋”とは少し違っても、そこには確かに愛がある。この人たちなら大丈夫、ちゃんと幸せになれるだろう。
余談だが、スーツではなくラフな服装に身を包んだ獅子王、いつもより色気があってとてもよかった。

結婚こそしたものの、ハチ子はまだ服飾の学校に通う学生。卒業後はがっつり働くつもりらしく、花男は専業主夫をするようだ。


空(田辺桃子)と青野(細田佳央太)は、進展があるのかないのか…。ただ、高校卒業後も週に1度のペースで、青野曰く“デート”を重ねているらしい。ゆっくり、進んでくれたらいいな。

みんな、それぞれのペースでそれぞれの“普通”を生きている。普通は1パターンしかないわけでもないし、ましてや正解なんてそもそも必要ない。そんなことを優しく教えてくれる作品だった。最高のハッピーエンドに感謝するとともに、願わくば狭いキッチンカーの中で奮闘するユキコと黒川の姿を、またいつか見せて欲しい。



(文:シネマズ編集部)

※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。

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