<恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
→「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」画像ギャラリーへ映画を観に行くため、待ち合わせ場所に向かっていたユキコ(杉咲花)は、いつもの道で森生(杉野遥亮)に再会する。すっかりユキコになつき、嬉しそうな森生。そんな中、一緒に行くはずだった同級生の空(田辺桃子)から風邪をひいたと電話が入り、急遽予定はキャンセルに。家に帰ろうとするユキコに、森生は自分と一緒に映画に行こうと提案する!男子と2人で映画を観ることに抵抗を覚えつつ、森生に押し切られたユキコは2人で映画館へ。
カップルたちに混ざり、売店で飲み物を注文するユキコ。メニューの読めないユキコが周囲に迷惑をかけないよう素早く定番メニューを注文する中、森生は意外な方法でユキコの世界を広げて行く……!
その頃、森生から約束をドタキャンされた花男(戸塚純貴)と草介(堀夏喜)は、いつもの喫茶店に集合。茜(ファーストサマーウイカ)の姪・ハチ子(生見愛瑠)は、森生がユキコと映画に行ったことを知り、面白くない態度を見せる。花男はハチ子の恋心を確信するが……。
一方、映画館ではユキコの大好きなゾンビ映画が始まる。ぎこちない2人の映画初体験には、想像を超えるドキドキと胸キュンが詰まっていた!
その帰り、すっかり打ち解けた2人は、なんだかいい感じに。先入観のない森生と過ごすうち、ユキコにも自然に笑顔が溢れる。しかし、森生から連絡先を交換したいと言われてスマホを出したその時、2人の様子を影から見ていたハチ子が割って入る!
ハチ子の心無い言葉によって森生との間に再び壁を感じたユキコは、「私の気持ちなんてわかるワケないんだよ!」と、森生に告げると、その場を去ってしまう。
さらに、森生をよく思わないイズミ(奈緒)は、妹を心配するあまり、ユキコに近づかないよう森生に釘をさす。動き出したかに見えた2人の恋。その先には高い壁が立ちはだかっていた!
第2話のレビュー
見た目はヤンキーなのに、見ていて心配になるほどに純粋な黒川(杉野遥亮)と、そんな彼に懐かれているユキコ(杉咲花)。ユキコは「変な奴」と表現するけど、黒川のことを思い出す顔は完全ににやけている。
そして黒川もまた、ユキコとの距離が縮まったことでテンションが高い。「白杖と点字ブロック発明してくれた人、まじありがとう」は、しかし本当にその通りである。
空(田辺桃子)と映画を見に行く約束をしていたユキコだったが、空が体調不良で来られなくなってしまった。たまたま居合わせた黒川は、すかさず「じゃあ俺と一緒に行きませんか?」とユキコを誘う。なかなか隅に置けない奴だ(いいぞもっとやれ)。やや攻防はあったものの、結局2人で映画を見に行くことに。
売店でのお買い物。メニューを見ることができず、また読み上げてもらうことにも申し訳なさを感じるユキコは、どこにでもある定番を頼もうとする。しかし、目に映るものや、考えていることが言葉に出ちゃう黒川のおかげで、ユキコは無事にメニューのいくつかを把握、普段とは違うものを注文することができた。黒川の無意識の行動が、ユキコの楽しいをちょっとずつ膨らませていく。なんだなんだ、息ぴったりじゃないか。雰囲気は完全にデートだ。
バナナスムージー2つと、チュロス、ポップコーンを持っていざ座席へ。黒川がユキコにポップコーンを勧めると、こぼすかもしれないから食べない、とユキコ。自分の注文を後悔する黒川だったが、おもむろにユキコの手を握り、ポップコーンを乗せてあげる。失敗したなと思っても、すぐに切り替えて違うやり方で思いやりを示す黒川は、本当にあったかい。
ほっこりした気分になったのも束の間、無言のままユキコの顔が近づいてきて…。これは大胆! と思いきや、黒川の口にチュロスが突っ込まれる。「お返し」とややぶっきらぼうに言うユキコ。このちょっと噛み合わない感じが、2人のいいところだ。なんと微笑ましい世界なんだろう…。
帰り道、飲み物を買おうとする2人。ユキコは自動販売機での買い物を「運だめし」と表現し、「飲みたいものが出たらアタリ、出なかったらハズレ」と、穏やかに言う。それを大変だと悲観せず、「いいっすねぇ」と言える黒川もまた、心が透き通っていると感じた。
2人が飲み物片手に休憩していると、黒川の中学時代の同級生・ハチ子(生見愛瑠)がやって来る。そのはずみで、ユキコは飲み物をニットにこぼしてしまった。汚れを拭くために黒川が席を外した途端、黒川に好意を寄せているハチ子は、ユキコに嫉妬心を剥き出しにする。「森生はああ見えて、困った人がいると放っとけないから」「だからあなたのことも放っておけないのかも」「私もこれ(白杖)持ちたいな~」…。
この言葉が、ユキコに白杖を持つきっかけの出来事を想起させた。
ユキコにはかつて、いつか付き合いたいと思う人がいた。そんな矢先、目の病気が進行し、白杖を持つことを家族に勧められる。だが、当時のユキコにとって、白杖を持つことは、“私は見えない”とみんなに宣伝しているようなもの。白杖を持つことは、ユキコが自分を普通じゃないと認めることを意味していたのだ。だから、しばらくは白杖を使わずに外出をしていたが、そのせいで好きな人にケガをさせる結果となってしまった。これをきっかけに、ユキコは白杖を使うことを決め、自身の恋心にも蓋をするようになってしまったのだった。
ユキコにとって、色濃く残っているだろう悲しくて辛い記憶。それを思い出してしまい、かつ黒川が自分に構うのは同情からと言われたのだ。深く傷ついただろう。あんなにいい空気だったのに、ユキコは黒川を避けるようになってしまった。
しかし、自分の決断に迷いが見えるユキコ。そんな事情を知ってか知らずか、父・誠二(岸谷五朗)がナイスアシストをする。それは何気ない会話からだった。父の行き当たりばったりを笑うユキコに、「ユキコはお父さんに似てるだろ」と、子どもの頃のユキコの無鉄砲ぶりを話題にする。「今はちゃんと考えてからじゃないと行動できない」とユキコは言うが、誠二は「でも、この間はそうじゃなかっただろう」と食い下がる。この間の、黒川を探して慌てて出かけて行った時のことだ。ユキコは、黒川と知り合ってからの自分に想定外のことばかりが起こるが、それが楽しかったと思い至る。
ユキコは自動販売機の運試しで、コーヒーが出たら黒川に会いに行くと決めた。運だめしだけど、あの時のユキコは確実にコーヒーが出ろと願っていたはずだ。もちろん、筆者も。
途中、黒川を目の敵にする獅子王(鈴木伸之)に助けられながら、なんとか黒川に会うことができたユキコ。黒川は、「ユキコさんの気持ちを分かりたくて」と、目隠しをして生活をしていたらしい。難しいだろうな、と想像はできても、何がどう不便で、どんな風に不安なのかは、実際にやってみないと分からないこともあるだろう。改めて、黒川の行動力と人に寄り添う心が素晴らしい。
「何で会いに来てくれたんですか」と問いかける黒川に、ユキコは「会いたいから来た」と答える。「それって告白ですか」と黒川は言うが、筆者にもそのように聞こえた。あれは完全に告白でしょう…!? 否定するユキコだが、「俺は会えて嬉しい」と黒川。見ていて、ただただ幸せだった。
せっかくだから、と黒川行きつけの喫茶店で映画を見ることに。選んだのは、ユキコが好きなゾンビシリーズの1作目、まだ音声ガイダンスが採用されていない作品。僭越ながら、と黒川がガイドをする。やることもズルいし、張り切りつつ誰よりもビビッているかわいさもズルい。杉野遥亮って、ズルい(褒めてます)。
いい雰囲気で帰路につくユキコと黒川だったが、そこでイズミに遭遇してしまう。黒川との関係を好ましく思っていないイズミの表情からは怒りが溢れている。黒川、見た目ほど悪い奴じゃないんだけどな。早くイズミにもそのことを知ってほしいなと思いながら、次週の放送を待ちたい。
※この記事は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)日本テレビ