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2022年05月18日

<吉祥寺ルーザーズ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<吉祥寺ルーザーズ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


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望月舞(田島芽瑠)がホスト風の男を連れて、泥酔状態で帰宅する。自称博多の売れっ子カリスマホスト海斗こと伊東正(岡宏明)と名乗り、舞の彼氏だという。だが大庭桜(田中みな実)は、海斗のチャラい態度や言動から、本当に彼氏なのか怪しんでいる様子。
 そんな時、舞が働くコンカフェの店員トーコ(喜多乃愛)から、殺し屋っぽい怪しい男が舞を訪ねて来店していると、安彦聡(増田貴久)に電話で相談が来る。「舞の行方は知らない」と突っぱねたが、夜まで粘るらしい。話を聞いた聡は、その男が探していた調査会社の黒鉄真二(坪倉由幸)だと確信。真相に迫るべく、池上隆二(國村隼)と共にコンカフェへ向かう。ようやく再会を果たした黒鉄は、舞が彼氏に騙されて「詐欺行為」に巻き込まれていると明かす。
一方、家に残る桜たちは、海斗に注意するよう舞を説得しようと試みるが、盲目的な愛に溺れる舞は全く聞く耳を持たない。
そんなとき、聡から電話が入り、海斗の正体を暴くための大作戦が繰り広げられることになる。飲めや踊れやで海斗の引き留めを計るマンタたち。
舞をめぐる犯罪の謎とは?
突然現れた2人の怪しげな男たちの正体とは?
果たして住人たちは無事、舞を救えるのか?

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第7話のレビュー

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

今回は、またもシェアハウスの住人たちが一致団結して、舞(田島芽瑠)を救う回となった。

シェアハウスでの共同生活がはじまって、早2ヶ月。これまで1度も姿を見せなかった舞の彼氏が、ついに東京へやって来た……! 彼は本名を伊東正、源氏名を海斗(岡宏明)と名乗る自称カリスマホスト。黒髪長髪で赤いスーツを着た海斗、人を見かけで判断しちゃダメってわかっているけど、1mmも信用の余地がなさそう。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

それは桜(田中みな実)も同じだったようで、聞かなければ本名を名乗らない、相手の都合も聞かず急にやって来る、そもそも2ヶ月も舞を放置していた海斗を、本当の彼氏なのかと怪しむ。桜、やや決めつけは過ぎるものの、旦那の町田(坂本昌行)はいい人だったし、こういう臭覚はするどい。

同じ頃、舞が働くコンセプトカフェ=コンカフェの店員・トーコ(喜多乃愛)から呼び出される聡(増田貴久)。どうやら、以前舞を尋ねてきた殺し屋みたいな男が、コンカフェに来ているという。舞を巡る2人の男性……胡散臭いホストに殺し屋風の男とは、なかなかに治安が悪い。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

池上(國村隼)とともにコンカフェを訪れた聡は、殺し屋もとい調査会社の黒鉄(坪倉由幸)から、舞が海斗に騙されてポンジ・スキーム詐欺の片棒を担がされていることを聞かされる。しかも、海斗は別の女性と同棲していて、舞は海斗にとって彼女ですらない可能性が高いという。まったく信用はならないものの、正直そこまでキレ者といった感じではなかったから油断していたが、海斗が想像の3倍以上ずる賢く最低のことをしていて驚く。

結局のところ黒鉄は、舞を救おうとしていたのだった。そのために福岡から詐欺の被害者であり、舞の親衛隊のような人たちを連れてきていた。やはり、人を見かけで判断しちゃダメ。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

聡は桜に、シェアハウスに海斗を引き留めておくよう連絡をする。桜&幡多(片桐仁)&翠(濱田マリ)は賭けで時間を稼ぐ。蓋を開けてみれば勝負は桜の1人勝ちで、千円札の束が出来上がっていた。結構な量。あれっていくらあったんだろう。ちょっと気になる。

この状況で桜は、最後に“指スマ”をしようと海斗に持ち掛ける。海斗が勝ったら桜が儲けた全額を手にするが、負けたら1分間何があっても動かないことを条件に。これに乗った海斗は翠と勝負し、接戦の末、負けた。お金がかかってないとなると途端に勝負強くなる翠、もはや愛おしい。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

そして桜は、さっきから鳴りっぱなしの海斗のスマホを見る。そこには同棲している彼女からのLINEが大量に届いていた。ここでもまだ「そいつが勝手に彼女面してきて……」などと言い逃れをしようとする海斗。きっとこの人はこの言い訳で色んな女の子を騙してきたのだろうな。そう考えると腹が立つし、ことここに及んでしまっては元も子もないが、笑った顔はかわいいし、さっきまでの海斗にはどことなく憎めなさが漂っていた。この絶妙な塩梅がクズ男たるゆえんで、それを上手く体現している岡宏明、すごい。

さらに聡たちもやってきて、海斗の悪事が暴かれる。最初こそ舞は海斗を信じようとしていたが、黒鉄が連れてきた舞親衛隊の説得や海斗のLINE相手から「婚約してる」と連絡が届いたことで、目が覚めたようだ。海斗に詰め寄り、「こげないい女ば騙すなんて、そげな男はモテんばい!」と博多弁を炸裂させて啖呵を切る様子はかっこよかった。

そして、舞を取り囲み、「私たちの大事な舞を傷つけるなんて」「もう舞には絶対に近づかせないから」「僕たちが必ず舞ちゃんを守ります!」と口々に言った聡たちももちろんかっこいい(聡に関しては、ちょっと震えながらも番犬の務めを果たそうとする中型犬といった感じでかわいさもあった。恐るべし、増田貴久……)。

海斗や黒鉄たちが出て行ったあと、はらはらと涙を流す舞。すぐに桜が抱き締めていたけど、筆者もそこに交じって一緒に抱き締めてあげたかった。信じていた人に裏切られるって当たり前にしんどいし、それを自認し、さらに突き放すってもっとしんどい。こちらに何も残らないのに、労力ばかりかかる。

でも、舞にはこのシェアハウスがあるから、きっと大丈夫だろう。ああやってみんなの前で泣けるようになっただけでも大きな進歩だ。ルーザーとして集められた彼らは、強がったり嘘をついたりしながらも、ルーザーだからこそわかる痛みを共有し、すっかり仲間になった。仲間って、口で言うのは簡単だけど、あんなふうに守ったり守られたりする関係って一朝一夕ではいかないと思う。だからこそ、尊さすら感じてしまった。そして、それをバネにするみたいに、みんなが少しずつ前に進もうとしている。

聡もだんだんとママへのメールの数が減ってきた。嘘をつけなくなっている。新しい1歩を踏み出す日も近そうだ。


※この記事は「吉祥寺ルーザーズ」の各話を1つにまとめたものです。

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ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

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