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<吉祥寺ルーザーズ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

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大庭桜(田中みな実)は、出版社の担当者からドキュメンタリー番組の出演依頼を受ける。テレビディレクターをしている友人が、密着取材できるシェアハウスが見つからず困っているというのだ。それはつまりルーザーズ全員がテレビに映るということ。秦幡多(片桐仁)だけは業界にアピールするチャンスだと喜ぶが、安彦聡(増田貴久)ら他の住人は乗り気じゃない。なんとか全員の承諾を得たい桜は言葉巧みにみんなを交渉。様子のおかしい池上隆二(國村隼)を除く4人を説得する。
 しかも、桜はあくまでも「人生のウィナーとして、あえてシェアハウスに住む選ばれた人間として取材を受ける」という。桜は取材の受け答えから身のこなしまですべてを監修すると豪語。自称「ウィナーズ大作戦」と題した、厳しい猛特訓を開始する。そんな中、池上だけは「協力できない」の一点張りのままだったが…。
何とか厳しい特訓を乗り越え、取材当日を迎えた聡たち。ところが、現れたディレクターと会話した桜が態度を一変させ、いきなり自分の部屋に閉じこもってしまう。いったい桜の身に何が起こったのか?
思いもよらぬ展開に、鬼軍曹抜きで取材に挑む聡たち4人だったが――。

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第9話のレビュー

ライターをしている桜(田中みな実)の担当編集者を経由して、シェアハウスを取材させてほしいという依頼が舞い込む。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

幡多(片桐仁)を除いて、ルーザーたちはテレビに映ることに消極的だ。しかし、桜は驚くほど交渉上手。聡(増田貴久)には、困ってる人を助けたくないの? と、舞(田島芽瑠)はSNSから人気に火がついた“あのアイドル”にも負けないポテンシャルがあると、翠(濱田マリ)には秘密の耳打ちで。あんなに渋っていた人たちを、あっさり落としてしまう。

そしてここから、「オペレーション・ウィナーズ」が始動する。これはテレビ取材をルーザーズとしてではなく、ウィナーズとして乗り切るため。桜がありのままの姿で住人たちのテレビ出演を許すはずがなかった。桜らしい。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

かくして、桜の指導が始まった。インタビューの受け答えは事実を話すのでなく、かといって嘘をつくのでもない。言い換えるのだ、など、熱のこもった指導をする様はまるで軍曹。

それにしても、物件をどう見つけたかと問われ、ついつい「エッチなサイトで」とニヤニヤ顔で話してしまう聡をはじめ、住人たちの個性といいところがどうしてもダダ漏れてしまっているのが個人的にはとってもよかった。純粋に、こういうところならシェアハウスって楽しそうじゃん! と思う。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

3日後、軍曹のもとで厳しい訓練を受けた住人たちは、晴れて取材当日を迎える。インターホンが鳴り、「総員、位置につけ!」と言われて小走りする様子はまさに軍隊さながら。

しかし、取材にやって来たディレクターの山田(小久保寿人)に、「もしかして“ニセモノ”?」と問われた桜は顔色を一変させ、一目散に自室へ。なんと、取材には応じられないと言い出した。

そういえば桜は以前、小学校時代の苦い思い出を語っていたことがあった。山田は「小学校で一緒だった……」と言っていたから、きっと顔を合わせたくない相手なのだろうということは容易に察しが付く。そもそも、人に対して“ニセモノ”と呼ぶ感性がどうかしてる。

桜がいなくなったことで、統率の取れなくなった住人たちは取材で大暴走。テレビの前でテンションが上がってしまったり、翠が謝礼に釣られて出演を了承したことがバレたりする。挙句の果てには、結局聡が物件を見つけたきっかけを「秘密の激エロサイトです!」とにこやかに言ってしまい、「オペレーション・ウィナーズ」はあっさり終了。もう取り繕うことができなくなってしまった。

そこで1度話を聞いてくれたらしい山田。登場シーンでは嫌なイメージがあったが、にこやかにコミュニケーションを取り住人たちの心をほぐせるあたり、仕事はできる人なのかもしれない。なんだか悪い人に見えなくなってきた。

そして、仕切り直しで取材を再開。住人たちはシェアハウスでの数々の修羅場を語っていく。そのどれもが、このシェアハウスでお互いがいたからこそ乗り越えられたエピソードばかりだ。そうだよね、そんなこともあったよね、と、ここまでの軌跡を思い返すようで心がじわっと温かくなる。

取材は笑顔で和やかに進んだものの、聡が山田に「桜さんとお知り合いなんですか?」と聞いたことをきっかけに状況が変化していく。

山田は、桜の小学生時代の話をし始めるが、その内容が彼女を笑いものにでもしているようなものだったのだ。ラルフローレンの偽物を着てきて以降、桜が“ニセモノ”と呼ばれるようになったこと、見栄を張る性格は変わっていないんだな、と小馬鹿にしたように語る。

こいつ、何も知らないくせに何を勝手なことを……とふつふつと怒りが湧いてきたところで、「違うよ、それ」と舞が口を開く。「今の桜さんは見栄っ張りなんかじゃない。全部本気で心の底からそうしたほうがいいんだって思ってることが伝わってくる」。それを皮切りに、住人たちが口々に“本物”の桜について話し始める。「すぐにモテるとかモテないとか言うのには困ってるけど、あいつの中に芯があるからこそ判断できてる」「結構強引なところがあるけど、だいたい納得できる」、「桜さんは僕たちにも道を示してくれました。そのおかげでいい方向に進み始めました」。みんなの声は冷静だったが、そこにはたしかに熱がこもっていた。桜への愛情ともいうべき熱。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

桜はこれを部屋で聞いていた。きっと今の自分の生活や環境がバレてしまったことを情けなく思う気持ちと、それに勝るとも劣らない素晴らしい仲間がいる誇らしさとがぐちゃぐちゃになっているんじゃないかと思う。

鼻を真っ赤にして部屋から出てきて、「山田くん、ちょっといい?」と言える桜は、もう小学生のときとは違う。

ⓒ「吉祥寺ルーザーズ」製作委員会

その証拠に、桜は山田に開口一番「ありがとう」と言った。“ニセモノ”と呼ばれたからこそ、本物になりたいと頑張れた、と桜。

そして、山田は桜が初恋の人だったと打ち明ける。よくある、好きな子ほどイジメちゃうっていうアレだ。だからって人を傷つけたことには変わりないし、なんの免罪符にもならないけど、最後は2人が笑い合えていてホッとした。

その夜、聡は「桜さんは桜さんのしたいこと、思うようにやってください」と声を掛ける。素敵な肯定の言葉だと思った。これに背中を押されて、離婚も前向きに考えようとしているようだった。頑張れ、桜……!

さらにこの一連の出来事が、桜の仕事にもいい影響を与える。担当編集者から指摘されていた「桜の熱を感じる文章」を、新しい記事では叶えることができたようだ。文章に自分の気持ちをのせるのって、自分に自信がないとできなかったりする。桜は山田との再会や聡の言葉を受けて、改めて、自分のこれまでの努力を認めてあげることができたんだろう。苦手なことも努力と、仲間からもらった熱で駆逐していく軍曹・桜はどこまでもかっこいいし頼もしい。

しかし、シェアハウスは一難去ってまた一難。ここ数日池上(國村隼)の不在が続いていることに加え、なんと次回は本丸の聡ママが登場するらしい。これはますます目が離せない展開になりそうだ……!


※この記事は「吉祥寺ルーザーズ」の各話を1つにまとめたものです。

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