<ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
▶︎「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」画像をすべて見る森を探索していた加藤(井之脇海)が何者かによって刃物で刺される緊急事態が発生!犯人と思われるキャップ帽を被った人物は、すぐさま現場から逃走してしまう。加藤の命を救うため、乗客の持ち物の中から傷口の処置に使えそうなものを集める直哉(山田裕貴)や紗枝(上白石萌歌)、加藤が残したメモを元に森から薬草を調達してくる米澤(藤原丈一郎)たち。さらに医師志望の和真(日向亘)も加わり、乗客たちが一丸となって懸命な処置を行なっていた。しかしそんな中、優斗(赤楚衛二)はふと、火災現場で先輩隊員に怪我を負わせてしまった自身の辛い過去を思い出してしまい…。
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第4話のレビュー
加藤(井之脇海)を刺したのは、前回フラグが立っていた殺傷犯の仕業で間違いなさそうだ。まだ顔は映っていないが、刃物を持ち逃げまわる様子が見てとれる。今後、彼が仲間に加わることはあるのか……。少なくとも、萱島(山田裕貴)たちが元の現実へ戻るための“キーパーソン”になりそうだ。加藤は刺され、三日三晩寝込むほど熱にうなされたが、白浜(赤楚衛二)の適切な応急処置と萱島の思い切りによって、なんとか一命を取り留めた。加藤自身が研究のためにつけていた、植物にまつわるノートも功を奏した形に。不幸中の幸いと言ってはなんだが、この一件がより彼らの団結を深めたのは間違いない。
キーパーソンはもう一人いる。突如あらわれた子どもの存在だ。小学生くらいの男の子が、前触れなく白浜と畑野(上白石萌歌)の前に登場したのだ。
元の世界に戻るため、どんなことでもいいから取っ掛かりを欲していた白浜たち。逃げる子どもの後を急いで追うが、子どもは「ママを連れてくるからここで待っていて」と言い残して去ってしまう。
川べりで火おこしをしながら待つ、白浜と畑野。そこに萱島も合流する。再び姿をあらわした子どもの誘導によって、彼らは目を疑うものを目にする。それは確かに「6号車」と書かれた車両、そして「初めまして、5号車のみなさん」と口火を切る男性、そして複数人の男女……。
素直に考えれば、彼らも現実から30年後の未来へワープしてしまい、元の世界へ帰ろうとしつつも叶わず、村のような自治体を形成し生活していることになる。「初めまして、5号車のみなさん」の言葉から、過去にもいくつかの団体が未来へワープしてきたこと、そしてあらかじめ、萱島たち5号車の人間がやってくることを予期していたことがわかる。
6号車の彼らは、どうやら現実へ戻る術を知っているようだ。知っていて、その条件が揃わずに苦しんでいる様子も感じ取れる。その“条件”が、仮に“一定数の人間が揃うこと”だとしたら、5号車と6号車の人間が引き合わせられたのはプラスに働くかもしれない。
果たして、彼らは現実に帰れるのか?
第4話では、火おこしに手こずる白浜の様子にも焦点が当てられた。誠実な人柄で、こんなに凄惨な状況でも場の空気を保ち、できることを着実にやってきた白浜。しかし、人一倍、正義感が強いがゆえにヤキモキする一面も。
加藤が刺されたときも、応急処置をするのが手一杯で、麻酔もなしに傷を縫うか縫わないかの判断ができなかった。そこを無理矢理に突破したのが萱島だ。
白浜の誠実さと信頼性、そして萱島の楽天家な気質と思い切りの良さ。確かに白浜は萱島の言うとおり、一人で背負い込みすぎだ。とくにこんなサバイバルな状況なのだから、各々ができることをやり、支え合っていくしか道はない。
「過去を変えることはできないけれど、今ここで火をつけることはできる」
「未来を信じましょう」
畑野の言葉は、まるで漢方のようにじわじわと沁みる。きっと白浜と萱島だけだったら、仲違いして終わっていたかもしれない。潤滑剤のような、クッションのような役割をする畑野がいたからこそ、彼らは生きて帰る希望を失わずに済んだ。
彼らが未来を信じるのと同時に、視聴者である我々も願わずにはいられない。どうか、彼らが現実に帰れますように。待ってくれている人の希望が繋がりますように。
※この記事は「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」の各話を1つにまとめたものです。
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