

<らんまん・東京編>6週~の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
「日本の植物学の父」と呼ばれる高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。激動の時代の中、植物を愛して夢に突き進む主人公・槙野万太郎を神木隆之介、その妻・寿恵子を浜辺美波が演じる。
CINEMAS+ではライター・木俣冬による連載「続・朝ドライフ」で毎回感想を記しているが、本記事では、万太郎が竹雄とともに上京した6週目~の記事を集約。1記事で感想を読むことができる。
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もくじ
・第26回レビュー・第27回レビュー
・第28回レビュー
・第29回レビュー
・第30回レビュー
・第31回レビュー
・第32回レビュー
・第33回レビュー
・第34回レビュー
・第35回レビュー
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・第37回レビュー
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・「らんまん」作品情報
第26回のレビュー
第6週「ドクダミ」(演出:渡邊良雄)から東京編。万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)は東京にやって来ました。新橋駅に降り立ってはじめて見た植物は「ドクダミ」ではなく「タンポポ」で、それがサブタイトルになるかと思いきや、そうではありません。新橋駅(志んばし駅)の雰囲気、大河ドラマ「いだてん」を思い出します。ロケ地は茨城のワープステーションですね。
万太郎は竹雄を「相棒」と呼びます。竹雄はものすごく嬉しそう。朝ドラもバディものに! というか、竹雄を使用人としてではなく、対等な相棒として見ることは平等の価値観の現れです。進歩です。
完成させた土佐の植物図鑑を手土産に、研究所で、野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)と再会し、植物学の勉強をやる気が高まります。東大に紹介状まで書いてもらって、「えらい先生ほど気さく」なんだと万太郎は思います。それで万太郎も気さくなんでしょう(佑一郎いわく「あけすけ」)
何もかも順風満帆、と思いきや……。
名教館で一緒だった広瀬佑一郎(中村蒼)に下宿を紹介してもらったものの、荷物が多すぎるので処分しろと言われてしまうのです。
植物標本に虫がわくと言われて、逆上する万太郎を、その家の家風に従わないといけない、佑一郎は窘めます。せっかくルールから解放されて東京に来たと思ったら、まだルールがありました。ものごとは簡単にはいきません。
どうする万太郎? と思ったらさっさと新たな下宿を探すことに。へこたれないなー。
どっちにいったらいいか、道を聞くと、こっちだと東大のある千駄木・根津方面を差す佑一郎。
そこには「タンポポ」が咲いています。
まるで、万太郎が目指す「金色の道」の象徴のようです。
冒頭で、高知のタンポポは白い、日本のどこか白と黄色の境目なのかと万太郎が言っていました。白いタンポポは西日本に古くから存在する在来種で、ポピュラーな黄色は西洋タンポポだそうです。筆者は関東生まれなので白いタンポポを知りませんでした。
さて、佑一郎ですが、武士の家系に生まれたものの明治維新で身分制度が廃止されため、働かないといけなくなり、東京に出ていました。蘭光(寺脇康文)とフィールドワークに行ったとき、仁淀川を見て、ときに人間に脅威となるが自然との共生を考えた佑一郎は土木の仕事を選び、鉄道が通るため荒川に橋を掛けるプロジェクトに取り組んでいます。頼もしい生き方です。
佑一郎のモデルはおそらく廣井勇で、明治41年に小樽港にコンクリートの防波堤を作っています。明治41年ということは「らんまん」ではまだ作ってないですね。
演じている中村蒼さんは「エール」(2020年度前期)で主人公・裕一(窪田正孝)の友人・村野鉄男役でも好演しました。腕っぷしは強いけど詩の好きなナイーブな役で、作詞家になります。モデルは野村俊夫で、彼は戦争に非協力的だったそうで、鉄男にもそういう確たる信念を持った人物が託されていたように感じます。誠実さと強い信念を感じる演技をされていました。朝ドラ主人公のいい友人役俳優というカテゴライズには留めたくないですが、彼が友人役に配役されたら、安心です。混んでるレストランではすこし声を落とし気味に感じたのもさすがでした(基本、落ち着いた語り口のようではありますが)。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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