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2023年05月21日

<ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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自分たちの「5号車」と同時に未来に飛ばされた「6号車」の人々と遭遇した直哉(山田裕貴)、優斗(赤楚衛二)、紗枝(上白石萌歌)。IT企業の社長で6号車のリーダー的存在だという山本(萩原聖人)、工務店に勤める植村(ウエンツ瑛士)らの案内で彼らの居住場所を訪れると、そこにはなんと調理場やトイレに風呂、おまけに個室まで整えられた充実の暮らしが! 元の世界に戻るため、5号車の乗客たちとも協力し合いたいと提案するが山本たちを簡単には信用できない直哉たち。しかし、山本の口からどうして未来の世界がこうなったのか、そして元の世界に戻る手掛かりとなる衝撃の事実が次々と告げられて…。そんな矢先、紗枝は優斗に好きな人がいると知ってしまい…。直哉、優斗、紗枝、3人の関係も動き始める。

>>>「ペンディングトレイン ー8時23分、明日 君と」5話の予告をYouTubeで見る

第5話のレビュー

突如あらわれた“謎の6号車”と手を組むため、本格的に暮らしの環境を整えはじめる萱島(山田裕貴)たち。6号車のリーダーと思しき男・山本俊介(萩原聖人)は礼儀正しく、信頼できそうな雰囲気だ。

しかし、6号車のチームには、加藤(井之脇海)を刺して逃げた加古川辰巳(西垣匠)がいる。当初は、彼こそが“逃亡中の殺傷犯”と思われた。しかし、5話の終盤にて畑野(上白石萌歌)と玲奈(古川琴音)が、地中に埋められた“金髪頭”の死体を発見。田中(杉本哲太)の手にする新聞に掲載されている“殺傷犯”は、すでに亡くなっている可能性がある。


6号車の面々と手を組めば、できることも一気に広がると同時に、多くの情報も集められそうだ。しかし、リスクもある。実際、畑野と玲奈は6号車の男たちに襲われた。唯一、信頼できそうな山本が黒幕である展開も、容易に想像できる。少なくとも彼は、元の世界=過去に戻れる条件を知っている素振りを見せている。

過去に戻る方法を探るか、それとも、今=未来の世界で生きることを選ぶか。果たして、彼らにとってどちらが幸せなのだろうか。

過去に戻っても良いことなんかない、と頑なな態度をとっているのは、玲奈だ。生まれた環境、恋人や友人関係、仕事でのいざこざなど、過去に置いてきて清々したものはたくさんある。彼女の生き様は筋が通っていて美しくも見えるが、どこか痛々しくもある。

切なすぎる夢を垣間見た萱島も、やるせない。無事に過去に戻れた世界線で、萱島が勤める美容院へやってきた畑野。白浜(赤楚衛二)とともに3人でお好み焼きへ行こう、と屈託のない様子で誘う彼女は、リアルすぎた。目覚めた直後、途方に暮れる萱島の表情は、なんとも切ない。

「今までいろんなことあったけど、何が一番つらかったかって、期待して裏切られたときだよ」

毎度のことながら、萱島の言葉はストレートすぎるがゆえに、真に迫る。過去なんて必要ない、今を生きるほうがよっぽどいい、と無理やり前を向く玲奈とは、また違う。萱島は、本当に過去に戻れるなら戻りたいと、きっと誰よりも願っている。けれど、期待して裏切られたときの“痛み”や”絶望”を知っているからこそ、心を守るために防御しているように見える。


6号車のリーダー・山本は、奇跡的に繋がった無線から、決定的な情報を得たという。2026年、つまり彼らが生きていた(視聴者である我々が生きている)2023年から3年後、地球に隕石が落下した。30年後の未来であるはずなのに、建物ひとつない原始時代のような景色が広がっている理由は、人類が絶滅してしまったから……だという。

そんな荒唐無稽な! ありえない! と感じるだろう。そんなことは起こりっこない。頭では理解できる。それでも、誰も想像できないような“パンデミック”が現実に起こり得ることを、私たちはここ数年で嫌というほど思い知った。やけにリアルさを感じてしまうのは、無理もないのではないか。

過去に戻ったほうが幸せなのか、それとも……。この問題に、簡単に答えは出せそうにない。

※この記事は「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」の各話を1つにまとめたものです。

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