<らんまん・植物学者編(2)>21週~24週までの解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第103回のレビュー
新展開。いよいよお金が心もとなくなった寿恵子(浜辺美波)は叔母・みえ(宮澤エマ)を訪ねます。
せっかく用意した高藤(伊礼彼方)の縁談を蹴った姪に、最初はぷんぷんしていたみえですが、すぐに親身になって話を聞いてくれます。意地悪過ぎる人はこのドラマのなかにはいません。
みえの家はものすごく豪華。料亭が繁盛しているのがわかります。
姉妹なのに、まつ(牧瀬里穂)とはまるで違う生活をしています。まつも、新橋の人気芸者だったときは派手だったけれど、妾になって慎ましく暮らしていたのでしょう。
万太郎(神木隆之介)のことをすごく買っていることを熱弁する寿恵子に、みえはただお金を貸すのではなく、仲居として働くように言います。
ちまちまと借りて返して、借りて返してではらちがあかないから、自分で稼ぐ才覚をもたせようという、みえの思いやりだと思います。
みえの料亭は、お金だけでなく、縁もできそうな場です。
みえの夫・笠崎太輔(遠山俊也)は「ここはご縁をつなぐ場所」「ときに政さえうちの座敷で動く」と言います。
さっそく、初日に、岩崎弥太郎の弟・岩崎弥之助(皆川猿時)が来店し、寿恵子に興味を持ちます。
寿恵子に、というか、寿恵子の母・まつーー伝説の芸妓・吉也の娘であることに注目するのです。
「おまんを通して吉也に会えた」という感激っぷり。
どんだけすごかったのでしょうか、まつは。映画「さくらん」みたいな華やかな時代の回想シーンをやってほしい。牧瀬里穂さん、絶対、綺麗だと思います。
浜辺美波さんも、華やかな背景のほうがお似合いな顔立ちです。第102回で、暗くおんぼろな長屋のなかで灯りがともったように艶やかな顔が浮き出ていて、浜辺さんの存在が、貧乏長屋暮らしのお話でも暗くさせないのだと感じたのですが、料亭のほうがやっぱりお似合い。「夢みたいなおなご」伝説の吉也の娘らしいです。
さて、岩崎弥太郎は三菱グループの創業者。下級武士の家に生まれながら、江戸から明治のパラダイムシフトによって、一代で実業家として財を成した人物です。時代が変わったことで恩恵を受けたというか、時代の波にうまく乗った人物です。
「らんまん」の第20週で、森有礼(橋本さとし)と田邊(要潤)の関わり(癒着)が森の暗殺で絶たれ新たな関係性で政治が動くことが描かれていましたが、その一方で、組織に属さない万太郎の希望も描いていました。一代で道を切り開く可能性もあることを。それが第21週に繋がってくる、じつにうまい構成です。されど、やっぱり世の中、コネなのです。縁をつなぐ場と言ってますから、コネクションがなくては物事は進まないのが現実。岩崎家は土佐出身で、万太郎と同郷です。すばらしいマッチングです。
※この記事は「らんまん」の各話を1つにまとめたものです。
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