<おむすび>第10週~11週の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第52回のレビュー
就職活動のシーズン。J班はそれぞれ進路を考えます。佳純(平祐奈)に結(橋本環奈)は就職しなくても彼(四ツ木)と結婚すればいいのではと問われます。結は彼を支えるために栄養士を目指したのですから、確かに永久就職という方法もアリのはず。
ですが、結は学校での様々な出会いによってもっと経験を積まなくてはと考えるようになっていました。
向学心が芽生えたようです。
黒髪に戻して就職活動開始しますが、前途多難。見た目は黒髪、リクルートスーツで真面目になっても、内面は急に変われません。
大事な面接で、ふだんの口調が出てしまい、ちゃんとした発言ができません。
「うち」と言ってはいけないと聖人(北村有起哉)に注意されたにもかかわらず、言ってしまうというベタすぎる間違い。面接の結のうまくできなさは、ベタすぎる展開でした。
ほかの志望者たちは、管理栄養士の資格があったり、空手をやっていたり、自己アピールに優れているのに、結はパラパラを踊って面接官をドン引きさせてしまいます。
勝ち目なしと、家に戻って落ち込んでいると、野球好きの若林(新納慎也)が新聞に四ツ木(佐野勇斗)が載っていると大騒ぎ。
四ツ木は魔球ヨン・シームによって変化球投手に切り替えて、活躍していました。結が直球にこだわらなくていいのでは、とアドバイスしたおかげですね。落ちるボールって、豪速球投げるパワーがないから途中で力つきて落ちるの?と筆者はいつも思うのですが、すみません野球をわかってなくて。
四ツ木の好調と裏腹に、結はまったく内定がとれません。佳純と沙智(山本舞香)は内定がとれます。沙智はスポーツに力を入れている大企業・まんぷく食品から内々定をもらえました。
朝ドラ辞典 「まんぷく食品」まんぷく・しょくひん「まんぷく」(2018年度後期)の朝ドラで、主人公・福子(安藤サクラ)の夫・萬平(長谷川博己)が作った会社。モデルは日清食品。「おむすび」で沙智が内定をとった。
結は一向に内定がとれないまま日々が過ぎていきます。わりと難関な会社を狙っているからというのも
あるようですが、面接のできなさを見ていると難関だからということではないような……。でも面接って
うまくできないものですよね。企業が求める理想的な言動をするのが最適解であって、自分らしさを封印するのがいわゆる就職試験ですから、ギャル精神とは相性がよくないのだと思います。
面接のときの、結の様々な表情の変化が、じつに鮮やかでした。橋本環奈さんは瞬間の顔芸に優れています。たぶん、福田雄一さん作品で磨き上げてきたのでしょう。
ところで、時代的には、2008年になっているかと思うのですが、リーマンショックの影響はないのでしょうか。「舞いあがれ!」では主人公がリーマン・ショックに翻弄されていた頃です。
経済的な題材までやっていると、話しが進まないので、さておいているのかもしれません。
就職試験の合間、四ツ木の会社・星河電器が準優勝し、太極軒でお祝いの食事をしているとき、唐突に四ツ木が「結婚」を口にします。このときの結のいぶかしげな表情も見事でした。
こうなったらこのまま永久就職でもいいのでは……。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
「おむすび」をU-NEXTで視聴する
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK