映画コラム

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2017年03月24日

『おおかみこどもの雨と雪』賛否両論の理由を考える:なぜ狼の姿でベッドインしたのか?【解説/ 考察】

『おおかみこどもの雨と雪』賛否両論の理由を考える:なぜ狼の姿でベッドインしたのか?【解説/ 考察】


おまけその1:『バケモノの子』で細田守監督の意識は変化した?

細田守監督は、続く2015年のアニメ映画『バケモノの子』を生まれたきっかけについて「僕に息子が生まれたこと」であると語っています。『おおかみこどもの雨と雪』の着想も「身近な夫婦の母親がカッコよく見えたから、その憧れを映画にしたいという感じ」と語っているので、やはり監督の自身の経験からくる“憧れ(理想)”が、作品にとりかかる大きな原動力になっていることがわかります。

そして、『バケモノの子』について、監督は「子どもというのは親が育てているようでいて、実はあまりそうではなく、もっと沢山の人に育てられているのではないかなという気がするのです」と語っています。作中では、確かにこどもの接し方がダメダメな親の熊徹だけでなく、彼らの悪友が子育てに関わっっていたので、“こどもは沢山の人に育てられている”という実感を持つことができるようになっていましたね。

こうして細田守監督の周囲の変化が、作品に投影されているというのも面白いところです。『おおかみこどもの雨と雪』が“理想の母親”を描いた作品であれば、『バケモノの子』は“こどもが沢山の人に育てられている理想の世界”を提示しているとも取れます。そんな監督の作品作りの姿勢が、筆者は大好きなんです。

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(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

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