『スター・ウォーズ』完結までの約40年間を振り返る
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12月20日より『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開されます。
『スター・ウォーズ』シリーズの正編第9弾にして完結編となる本作ですが、シリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が製作されたのは1977年、日本で公開されたのは1978年ですから、どちらで計算しても40年以上の歳月がかかっているわけで、特にマニアではないものの、これまでリアルタイムでシリーズに接してきた身としては「いよいよ!」という喜びもさながら、どこかしら「ようやく……」といった嘆息気味な想いがよぎってしまうのも正直なところです。
また、シリーズの完結を楽しみに待ち望んでいた友人知人のうち、この世を去ってしまった者も決して少なくはありません……
《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街423》
「あれから40年……!」などと綾小路きみまろっぽく冗談ぶるつもりもありませんが、今回はしばしノスタルジックに浸りつつ、40余年の流れを振り返ってみたいと思います。
『スター・ウォーズ』シリーズ完結を見届けることなく逝った、映画の仲間たちへ……。
『スター・ウォーズ』全米大ヒットが
伝えられた1977年夏
シリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が全米で公開されたのは1977年5月25日。
ちょうどそのころの私は中学2年生で、映画に目覚めたばかりのビギナーでしたが、それから1~2カ月もしないうちに全米大ヒットのニュースが日本の映画雑誌などで紹介されるようになっていました。
当時は『惑星大戦争』という邦題で紹介されていましたが、まもなくして『スター・ウォーズ』で正式決定。『エピソード4』や『新たなる希望』といったサブタイトルが加えられるようになったのは、シリーズ化が決定した後になってからです。
(よって、本項と次項のみ当時の雰囲気を醸し出したいので『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のことを『スター・ウォーズ』と記させていただきます)
インターネットもなかった時代にしては比較的情報は早かったような印象はありますが、日本公開は翌78年夏と知らされたときは正直「どうして?」と首を傾げたもので、日米同時公開が当たり前の今から比べると、信じられない事象ではあります。
一方、1977年の日本の夏は『宇宙戦艦ヤマト』劇場版が公開されて大ヒットとなり、空前のアニメーション・ブームが巻き起こり始めていた時期で、そこにまだ見ぬ海の向こうのSF映画に対する期待がリンクしてSFブームへ繋がっていった感もあります。
(日本における『スター・ウォーズ』ブームを語る際、実は『宇宙戦艦ヤマト』の存在が外せないと思っていたりもしています)
秋になるといち早くアメリカで見てきたという映画評論家や文化人のコメントやエッセイ、座談会などを載せた特集記事を、映画雑誌だけでなく少年漫画誌などでもかなり目にしたものです。
(このころ既に「ジョージ・ルーカス監督は、実は9部作を構想している」といった情報も入ってきています)。
個人的にはSF映画の権威でもあった映画評論家・石上三登志氏や『HOUSE』(77)で商業映画デビューしたばかりの大林宣彦監督らの熱気にあふれた鑑賞記などを読みながらワクワクさせられた記憶がありますが、そういった作品の魅力を映画ファンに伝えるのに大きく貢献した石上さんは、シリーズ完結を見届けることなく2012年にこの世を去りました。
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