『スター・ウォーズ』完結までの約40年間を振り返る


シリーズ再開の朗報と
長き歳月がもたらした痛恨


ジョージ・ルーカスは『スター・ウォーズ』シリーズを6部作として一度終結させましたが、それまで9部作構想を信じきっていたファンのモヤモヤが収まることなく、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカス・フォルムを買収し、エピソード7~9の“続三部作”を製作することを発表。

ルーカスは“クリエイティヴ顧問”なる肩書で、実質的な製作にタッチすることはなくなりました。

ルーカス不在の作品を“スター・ウォーズ”と呼ぶべきか否かといった論議もありましたが、やはり本来の構想ともされる9部作製作の再開そのものを喜ぶ声は多く、かくしてJ・Jエイブラハム監督によるエピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が2015年12月18日に日米同時公開。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 (字幕版)



それまでと異なりストーリーなど完全秘密主義が貫かれ、公のマスコミ試写会もなし。世界中の映画ファンは公開初日まで何も知らされないままの新展開を目の当たりにすることになります。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はシリーズ第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のスピリッツを継承した原点回帰として旧三部作世代ファンの支持を得ましたが(日本の興収は116億3000万円の大ヒット!)、逆に新三部作世代ファンの多くからは批難され、ここでも世代間の対立が浮き彫りになってしまいました。

さらには『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』公開からおよそ10年の歳月が経っていたことから、ここで初めて『スター・ウォーズ』シリーズに銀幕で触れる更なる新しい世代も出てきたことで、SNSなどで賛否の感想が激しく錯綜していきます。

それは続くライアン・ジョンソン監督のエピソード8『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年12月15日、日米同時公開/日本の興収75億Ⅰ000万円)でますますエスカレート。おそらくはもっとも激しい論議を生んだか? という印象も受けてはいます。

スター・ウォーズ/最後のジェダイ (字幕版)



これまでの“続三部作”2本は“旧三部作”の面々が再登場する喜びはあったものの、彼らを久々に目の当たりにした瞬間「老けたな……」という印象も否めず、特にルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルは“旧三部作”ではさわやかな風情だったのが、こうも変わるものかと愕然とさせられたものです(まあ、役の設定としてはそれでちょうど良かったのですが……)。

“旧三部作”から16年、“新三部作”から10年、やはりこうしたブランクがもう少し短ければ、少なくとも10年早く続三部作が製作されていれば、印象もかなり違っていたのではないかという想いもなくはありません。

何よりも2016年12月27日にレイア役のキャリー・フィッシャーが60歳で急死したのはファンならずともショックな事件でした。
(今回のエピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、それまでの未公開ショットを上手く繋ぎ合わせて“出演”させているとのこと)。

彼女だけではなく、この2010年以降の『スター・ウォーズ』シリーズ関係者の中で『エピソード4 新たなる希望』の撮影監督ギルバート・テイラーが2013年に99歳で、『エピソード2 クローンの攻撃』『エピソード3 シスの復讐』でドゥークー伯爵を演じたクリストファー・リーが2015年に93歳で、シリーズ当初からエピソード7『フォースの覚醒』までR2-D2を演じたケニー・ベイカーが2016年に81歳で、『エピソード4 新たなる希望』『エピソード5 帝国の逆襲』プロデューサーのゲイリー・カーツが2018年に78歳で、そしてケニー・ベイカー同様にエピソード7『フォースの覚醒』までチューバッカを演じたピーター・メイヒューが2019年4月30日、74歳でそれぞれこの世を去りました。

なお『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の同時期公開映画に『007スペクター』『クリード チャンプを継ぐ男』『杉原千畝』『母と暮らせば』など。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の同時期作品にリメイク版『オリエント急行殺人事件』『フラットライナーズ』や『バーフバリ 王の凱旋』『鋼の錬金術師』『DESTINY 鎌倉ものがたり』などがありました。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のあとに『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』前夜のミッションを描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のあとに“旧三部作”の人気キャラクター、ハン・ソロの若き日を描いた『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)と、2本のシリーズ・スピンオフ映画も作られています。

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